LXのシステム
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1-2-3
Lotus 1-2-3 です。これを動かすために LX シリーズは作られたわけです。
しかし、システムマネージャの作法とは違い、独自のメニュー構成などを持っています。
元々 1-2-3 ユーザーの人にはこの方がよいのでしょうが、内蔵ソフトとしてはどうもちぐはぐな印象を受けます…。
やはりそう思う人は多かったようで、1-2-3 上でシステムマネージャ標準のメニューを表示するフリーソフトもありました。
1-2-3 で作られたワークシートは結構多く、それがそのまま使えるのが 1-2-3 の魅力でした。
しかし、1-2-3 の英語版と日本語版では、ファイル形式が違うのですね…。日本で売られていた PC 版の 1-2-3 は当然日本語版で、200LX の 1-2-3 は英語版でした。実際には、日本人が作った 1-2-3 のシートは使えないということです。
200LX 対応という形で作られたワークシートもありましたので、そういうのを入れて持ち歩いてはいましたが…個人的にはあまり使うことの無いソフトです (^^;
HP Calc
金融計算電卓です。HP は最初金融電卓の高級機種として LX シリーズを企画していたわけですから、当然そのためのソフトも入っています。
僕はあまり使い方を知りません。方程式を簡単に解いたり出来るそうですが。
画面イメージは、ビジネス用電卓です。売値とマージンを決定して、コストをどこまで下げる必要があるか…などの計算が簡単に出来ます。
このほかに「Hex Calc」という、コンピューター技術者向けの 16 進計算が出来る電卓も入っています。こちらは結構使いましたが、画面があまり面白くないのでイメージはありません (^^;
PocketQuicken
日本では馴染みの無いものですが、個人向けの財産管理ソフトです。(アメリカでは日本と税金の制度が違うため、個人が財産をしっかり把握する必要があります)
実は、アメリカでは PocketQuicken を使いたくて 200LX を購入する人が多かったというほどの、キラーアプリです。
昔、使ってみようと努力したことがあります。100円を$1、1円を¢1にすれば使えないことも無いのですが…。税制も違うし、日本ではあまり実用的でないと考えた方がよいでしょう。
そんなわけで、使い方も忘れました。画面イメージも無いのはそのためです (^^;
cc:Mail
Lotus 製の cc:Mail です。グループウェアとして当時は非常に人気の高かったソフトでした。(現在、Lotus ノーツ/ドミノの一部となっています)
メールソフトですが、インターネットメールが出来るわけではなく、独自の規格です。
200LX に入っているのはクライアントなので、サーバーが無いと使うことは出来ません。(なので、画面イメージもありません)
DataComm
LapLink Remote
共に通信アプリケーションです。DataComm は端末ソフト、LapLink はファイル交換ソフトです。
ここに挙げたソフトだけでも、随分と 200LX が「密度の濃い」マシンだとわかって頂けると思います。しかも、内蔵ソフトはもっとあります。その中にはゲームやアイコンエディタなどもあり、「実用一点張り」ではない開発姿勢がうかがえます。
そして、200LXの内蔵ソフトは、ほとんどすべてが「DOS」の存在を気付かせないようなつくりになっています。200LX が名機だとされる理由の一つに「DOS が使える」ことがあるのですが、「DOSを知らないでも使える」ことも非常に重要に思えます。
ちょうど、Windows 3.1 の頃は DOS を知らないといけなかったが、Win95 では知らないでも何とかなった、という違いだと思ってください。200LX は、 Win95 程度には使いやすかったのです。
200LX のソフトは、もちろんこれだけではありません。隠されているとは言っても DOS マシンですから、XT で動作する物であれば、DOS 上のツールはもちろん市販のゲーム等も動作します。
さらに、システムマネージャの独自 API に対応したフリーソフトも山ほど発表されていました。200LX の真価は、そのような対応ソフトの多さです。
これらの話しもしたいのですが、長くなるので今回はこのへんで。
参考文献 | |||
TheBASIC 100号記念号(1991年9月号) | 1991 | 技術評論社 | |
HP200LX日本語化キット開発秘話 | impress |