手づくり体験教室
美術館を見ている間に、体験教室の時間になりました。「体験教室にお申込みの方は…」と館内アナウンスが流れます。
体験教室の厨房に入る前に、申込み時に渡されたエプロンとヘアキャップを着用します。どちらも紙製の使い捨て。
厨房に入ったら、石鹸で手を洗いましょう。
体験参加者の大半は小学生くらいの子供です。大人がいると思ったら、それは子供の付き添い。名前を呼びながら写真なんか撮っています。
子供に混ざりながら適当な場所に陣取ります。すでに、かまぼこ作りのための道具が配布されています。
刃のない包丁、ボールペン、竹輪の芯となる竹、かまぼこ板。机は全面が巨大なプラスチックまな板になっています。
かまぼこ板は体験教室用の特別製。名前を書く欄がありますので、ボールペンで自分の名前を記入して待ちます。
準備が出来たところで、かまぼこ職人の指導です。みんなが見られるように、職人さんの周りを取り囲むように移動します。
まず、材料の魚の白身を練ります。
といっても、すでにかなり練られたものが配布されますので、空気を十分に抜くだけです。
包丁で下からすくい上げるように持ち上げます。
職人さんは簡単にやっていますが、後でやってみるとかなり難しいです。
べたーん。机に思い切って叩きつけます。空気を抜くために、これを何度か繰り返します。
何度もやっていると広がっていって収拾がつかなくなるので、机に斜めに落とすのがコツだそうです。
適当に練ってから魚肉を広げ、かまぼこ板で押し寄せます。
押し寄せたら板が斜めに覆い被さるように、魚肉に密着させて…
残りの魚肉を、包丁ですくい上げながら板にくっつけていきます。板の上に盛り付けるんじゃないんですね。
職人さんの包丁の動きは速すぎて、写真ではブレています。
最後に、板をもって形を整えます。職人さんはあたりまえのようにやっていますが、当然これが一番難しい作業です (^^;
さて、それでは自分でも作ってみましょう。
やってみると、魚のすり身は思ったよりも重く、やわらかく、粘着力があります。机から持ち上げるにも、粘着力があるので机から引き離すのが難しいし、ゆっくりやっているとやわらかいので千切れてしまうだけです。
何度かやるうちにコツがわかり、練ることが出来ました。しかし、次の整形は非常に難しいです。
「整形でこねくり回していると空気が入ってしまう」と思い、ある程度整形出来たところで見切りをつけます。完成したらお姉さんの所に持っていって蒸し器に入れてもらいましょう。
自分が練っている間は当然写真など撮れませんが、妻が四苦八苦しているのを撮影。かなり綺麗に整形できています。
「かまぼこ素人でも、左官屋さんとかなら綺麗に整形できるんじゃないのかなぁ?」と妻が言います。どうなんでしょう? 左官屋さんの方の体験レポートをお待ちしています (^^;
かまぼこが完成したら、次は竹輪作りです。こちらはかまぼこより簡単だということで、職人ではなくお姉さんが指導します。
材料はまったく同じ魚の白身。これを練るところまでは同じです。
広げたら、包丁で上下の身を取って四角く整形します。
魚肉の端に竹を載せたら、包丁で少し魚肉をすくい上げて竹にくっつけます。
包丁を寝かせて、小刻みに動かして魚肉を机から切り離します。
そして、その切り離した部分を竹に巻き取るように、竹を回転させます。
ぐるぐる…ぐるぐる…
竹を回す速度と包丁を動かす速度のバランスが重要です。
完成。魚肉を全部巻き取ったら終わりです。もちろん、自分でやってみると案外難しいのですが。
うまくいかない人は最後の手段。水でぬらした手で、魚肉を直接手づかみして竹の棒に握りつけましょう(笑)
見た目が悪くても、味は変わらないそうです。
自分でやってみると、巻き取り後の整形に繊細さが要求されます。あまった魚肉がもったいないので一緒にくっつけてしまいたいのですが、竹に薄く巻きついただけの魚肉はやわらかく、ちょっと力を加えるとえぐり取ってしまうことになります。
僕はかまぼこよりもこちらの方が簡単に思えましたが、妻はこちらの方が難しいといいます。
出来上がったら、お姉さんのところに持っていって焼いてもらいます。
電熱器でゆっくりと焼きながら、自動的にくるくると回してくれる機械があります。
焼き上がると、立てて並べられます。おいしそうな匂いも漂い、速く食べたい…。
ちなみに、中央が僕の竹輪。綺麗に出来ているでしょう? …って、小学生の作品相手に張り合ってどうする (^^;
10分くらいして、全ての竹輪が焼きあがると「出来上がりました」という館内放送が入ります。
引換券(申込みの半券)を見せて、自分の竹輪を受け取ります。左が僕ので、右が妻の竹輪。
「これを肴にビール飲みに行きたいね」と妻と話していると、「竹輪は館内でお食べください」とアナウンスが入ります。残念。体験教室の参加者には、ビールレストランの一杯無料券がもらえるんですけどねぇ…
ベンチに座って食べると、非常においしい竹輪でした。ここまで歩いてきたから体が水分を欲しがっているところに、適度な塩味の竹輪…
そして手には無料のビール券。しかも、かまぼこの蒸し上がりまで1時間ほど、どこかで時間をつぶさなくてはなりません。これでビールレストランに行くなという方が無理な話です。
ちなみに、妻の竹輪と食べ比べましたが、形と味は関係ないようでした。材料が良いことが一番重要なようです(笑)