2009年12月18日の日記です

名機の条件  2009-12-18 12:50:26  COMP
Netwalker の設定を楽しんでいる。

DoCoMo に乗り換えを予定しているが、まだ W-Zero3[AdEs]を使っている。

知人から、「iPhone いいですよ」と顔を会わせるたびに聞かされる。

新しいポメラが気になる。

HP200LX を思い出す。


…名機の条件が見えてきた気がする。
たぶん、僕は今気がついたと言うだけで、とっくに気づいていたと言う人も多いのだろうけど。

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名機の条件、って書いたけど、もちろん「小型ガジェットとしてのマシン」の話。
ガジェットって曖昧だから、気軽に携行できる、PCのように自由にカスタマイズ可能な情報処理機器、と定義しておこう。

昨今の携帯電話は良くできているが、PCのようにカスタマイズはできないので範囲外。
ポメラも今のところ範囲外。(ファーム書き換えでOSが走ることがあれば含まれるかも)


さて、過去の「名機」を認定しておこう。
ここに異論がある場合は、今考えた条件は適用できない。

まず、HP200LX 。多くの人が認めた名機だと思う。

モバイルギア。DOS化可能なものに限る。
万人が認めたわけではないが、当時HP200LXで満足できない人への受け皿となっていて、評価が高かった。

MI-Zaurus。
初期ザウルスは PI-Zaurus と呼ばれる。PC-E500 と同じ CPU を搭載していたZaurusだ。
その後、よりパワーのある CPU になり、MI-Zaurus と呼ばれるようになった。円熟期だ。

その後、OS を Linux にして SL-Zaurus となったが、名前だけが同じで別の機械だった。

Palm。
最初は Palm Pilot という名前で販売され、「同じ文房具分野として」、万年筆の Pilot から訴えられて名前を変えた経緯がある。
つまり、それほどまでに PC ではなく、「文房具」としての使い勝手に徹していた。

個人的には、Palm は名機ではなく「ちょっと残念」の部類なのだが、多くの人が使っていたのだから名機に数えてもよいとは思う。

iPhone 。
「名機」と呼ぶと過去の遺物のようだが、iPhone は現在並ぶものの無い地位にあるとは思う。


モバイルガジェットではないが、初期の Macintosh を含めておきたい。
個人的には、System6 時代までを「初期」と呼ぶ。
初期の Mac は、「電子文房具」の異名を取るとおり、パソコンとは一線を画していた。

System7 で大きな変更があってパソコンらしくなり、ある意味使いやすくはなったのだが、文房具ではなくなってしまった。

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名機とは呼ばれなかった残念な機械。

SL-Zaurus。
Windows-CE マシン。
非常に小さな Windows マシン。(PT-110 や VAIO Type U など)
Netwalker も、評価を下すには早いが、少なくとも初代(現行機種)は名機とは呼ばれないだろう。


さて、何が違ったのか。残念な機械たちは、何が足りなかったのか。

キーボードはこの手のマシンを語るときには重要な評価軸なのだが、必須項目ではないように思う。

HP200LX は、思い出も含めて「良い」と言われるが、使っていた人間としてはそれほどよくなかったと思う。
Netwalker のキーボードも「ひどい」と言われるが、HP200LX と使いやすさで大きく変わるものではない。

HP200LX は、「名機」だったがゆえに使い倒されて、ユーザーが慣れてしまっただけだ。
Netwalker も、しばらく使っていたら慣れてきて、それほどひどいとは感じなくなる。

そもそも、iPhone にキーボードは無い。
これはカテゴリーの違う製品で、ここで名機とするのが誤りかも知れないけど。

逆に、モバイルギアは立派なキーボードを持っていた。
反面、携帯性は犠牲となり、使用シーンも限られた。「立ったまま使う」はできない。

ここら辺は、目的に応じて選ばないといけない部分だとは思うが、「選べること」もまた、名機の条件だと思う。
つまりは、HP200LX とモバイルギアは同時期だったから、両方とも「名機」と呼ばれたわけで、どちらか片方だけが世に出ていたらここまで名機と呼ばれなかったのではないかと思う。



快適に動作すること、はもちろん重要だと思う。
HP200LX は、当時としては快適だった。パソコン通信や、せいぜいインターネットメールができればよかった時代だ。
家でもダイヤルアップ、という人が多かったので、時間のかかるWEB閲覧などは生活習慣ではなかった。
モバイルガジェットは、テキストファイルの読み書きさえできれば十分だった。

現在、テキストファイルの読み書きでは不十分だ。MS-Word のファイルが読み書きできないと。
WEB も必須項目である。WEB が使えれば Gmail がつかるので、メールは何とかなるかな。

快適な動作、のなかには、いつでも作業を中断できて、いつでも再開できる、というものも含まれる。
サスペンド・リジュームが高速であること、と考えても良い。

HP200LX では、サスペンド・リジュームともに1秒かからなかったように思う。

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実のところ、この「快適動作」は、CPU 速度の問題ではない、と思うようになった。
この話がこの文章の肝だ。

ポインティングデバイスが「いらない」というのは重要である。
いらない、は言いすぎか。カーソルキーで十分操作できる、と言いなおしたほうが良いかな。

小さなマシンで、ちまちまマウスカーソルを動かすのは快適でない。
タッチパネルを使用するのだって、画面が小さければやっぱり快適でない。

この点、Netwalker はてんでダメ。
アプリケーションが不要になった時に、ウィンドウを閉じるボタンを押すだけで苦労するのだから。

Windows CE (Windows Mobile)を使用した W-Zero3 では、「OK」ボタンがあることがギリギリの救いになっている。
OK ボタンを押せば、とりあえずウィンドウは閉じられるからね。

ただ、W-Zero3 でも、カーソルキーだけでは操作できない局面が出てくるのがいただけない。基本設計が Windows だから、マウス必須なのだ。


実は、ウィンドが開く、ということ事態がモバイルガジェットでは使いにくいのだ。

Windows Mobile では、ウィンドウは事実上全画面を覆う。これはこれでよいシステム。
iPhone だって、常に全画面表示だ。

ただ、これだけを言うのであれば、SL-Zaurus だって常に全画面表示だった。
それでも、SL-Zaurus は何かが足りなかった。


実は、「全画面」というだけでなく、「シングルタスク」も重要だと思っている。
同時にプログラムが「起動して」いることは構わないし、むしろその方が良い。何かしたいときに、起動時間が節約できるからね。

でも、同時に「動作して」いるプログラムは1つであって欲しい。
だって、人間同時に複数のことなんてできないし、今やりたいことは1つだけなのだから、そこにCPUパワーを集中して欲しい。そうしないと快適動作しないから。

Windows CE や、Windows では、前面に出ているタスクに多くの CPU パワーを割り振って、バックグラウンドのタスクには CPU 振り分けを減らす、という機能がある。
シングルタスクではないが、これでも十分ではある。むしろ、こちらのほうがよいのかもしれない。

でも、Linux には無い。UNIX 系 OS では、「プログラムの同時動作」ということは考慮されているし、パワーの割り振りを変えたり、不要ならパワーを使わないようにプログラムを組むことはできるのだけど、「前面に出ているタスクに多く割り振る」ようなことは考慮されていないのだ。

だって、UNIX にとってユーザーが扱う「シェル」はあとから作られたものだから。
まぁ、だからこそ「シェルが」プロセスの重要度を勝手に変えたりしてもいいのかもしれないけど、あまりそういう文化は無い。

結果何が起こるかと言うと、SL-Zaurus や Netwalker では、起動時間を減らしたくてアプリを起動しっぱなしにしておくと、CPU パワーが「使っていないアプリに」割り振られてしまうのだ。

前面で現在使用中のアプリの動作が重くなれば、快適動作なんてしなくなる。
(勘違いされそうだが、全てのアプリが均等にCPUパワーを使う、というのではない。CPUパワーを割り振られたアプリが、「今は使わない」と返上することもできる。しかし、アプリの行儀のよさに頼るのはあまりよくないように思う)


先に、初期の Mac を名機に数えたのは、実はここで話がしたかったから。
Mac は、System6 まで、シングルタスクのマシンだった。

そもそも、Alto や Lisa で実現されていた「Window 環境」では、データを Window から Window に直接コピーできた。いまでも Unix の X Window ではその作法だ。

しかし、Mac はシングルタスクだった。そこで考え出されたのが「コピーしたい時は、一度データを退避領域に置いておく」という作法だ。退避後、タスクを切り替えて、退避領域から目的の場所にデータをコピーする。
退避領域は「クリップボード」と呼ばれる。今では一般的になった作法だ。

iPhone は、最初の頃はクリップボードがなかったのでアプリ間の連携ができなかったが、今では問題ない。
HP200LX も、「クリップボード」の概念を取り込んで、シングルタスクだがアプリ間で連携できていた。


じつは、シングルタスクで全画面表示、というのは名機の条件の一つなのではないか、と思う。

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もうひとつ。
アプリケーションが十分に選べること、というのも名機の条件だと思う。

これはソフトウェアの問題で、ハードの問題ではない。
でも、HP200LX は DOS のソフトが使えたし、Palm や iPhone は、多くのユーザーがアプリケーションを大量に作成している。

何かやりたいことがあるときに、「それなら、このソフトがあるよ」というだけでは十分でない。実現方法が無いよりはよいけど、より決め細やかに「目的によって、複数のソフトがある」という段階まで行かないといけない。

なぜなら、それが本当の意味での「カスタマイズ可能」だから。
モバイルガジェットは手帳と同じようなものだ。手帳なら文房具屋に並べきれないほどの種類があって、自分の目的に合わせて選ぶことができる。
「それならこれでできるよ」と言いながら、選択の幅が無いような状況では、自分にあった道具だとは言えないのだ。

SL-Zaurus は、OS が Linux だから多くのソフトが使える、と言いながら、表示環境に QT というマイナーなものを採用したために、実のところ使えるソフトがかなり限られてしまっていた。

Netwalker は、その点評価できる。X Window をちゃんと搭載し、Ubuntu の多くのソフトが使える。
CPU が ARM だと言う理由で、使えないソフトや、使えても動作がおかしなものもあるけど…


アプリケーションが十分に選べるためには、既存の OS を使うほうが有利だが、既存の OS というのはデスクトップマシンとしての使い勝手を優先しており、モバイルガジェットとしては不利だ。
逆もまた真で、モバイルでの使い勝手を優先すると、独特の OS となってしまい、アプリケーション不足に陥る。

DOS の上に独自の拡張を施した HP200LX が名機と呼ばれるゆえんは、ここら辺にもあるように思う。

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さて、いろいろ書いてきたが、日本の携帯電話は優秀だと思う。

最近は同時に複数のことができる(WEB 見ながらメール書いたり)し、もちろん全画面表示だ。
カーソルキーだけで何でもできる、というのは設計の前提になっているので、ポインティングデバイスのイライラ感も無い。

カスタマイズ性では劣るけど、それでも多くの人に対して十分な機能は最初から提供されている。
むしろ、Windows Phone や iPhone 、Android などでは、初期状態でできることが少なすぎて貧弱さを感じるほどだ。


ここに書いた「名機の条件」は、携帯電話では満足できず、ノートパソコンでは大きすぎる、というニッチ分野を埋める機械に対する要望でしかない。そして、この「ニッチ」は、どんどん狭くなっている。

今後、名機と呼ばれるようなものが出てくることがあるのか。
出てきてくれないと、個人的には非常に寂しいのだが…

名前 内容

【伍玖肆】 自分の希望することができれば名機でしょう⇒当方はHP200LXをテキスト書き専用に使ってますので今やSDカード経由でPCとファイルの遣り取りができますから必要十分です。[594] (2010-01-26 15:56:25)


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