世界初のテレビゲーム
目次
ゲームの操作方法
MOUSE では、TX-0 の TAC スイッチを使ってモードを切り替えます。
TX-0 エミュレータを「MOUSE」を直接遊べるモードで起動したときは、TAC スイッチの下に、操作案内の板が表示されます。
もっとも、本物がどのように書かれていたのかわからないため、デザインは僕の想像です。
一番左のスイッチ 0 は、 do(処理)を意味します。
13,14 は write(書く)、erase(消す)。
15,16,17 はwalls(壁)、mouse(ネズミ)、cheese(チーズ)を意味します。
これを組み合わせてモードを作ります。
TAC スイッチは、3つづつ区切られていて、8進数として表現することもできます。
以下の説明では、8進数も併記します。
わかる人には、8進数の表記は言葉で説明するよりも簡潔で、厳密なものになるでしょう。
迷路を作る
迷路は、壁、ネズミ、チーズで構成されます。
壁によって迷路を作ります。
ネズミはスタート地点を意味します。
チーズはゴールですが、3つまで置くことができます。
(慣れるまではチーズは1つで遊ぶと良いです)
この3つを、それぞれ書いたり消したりできるので、6つのモードがあります。
do write walls | 壁を書く | 400024 |
do erase walls | 壁を消す | 400014 |
do write mouse | ネズミを書く | 400022 |
do erase mouse | ネズミを消す | 400012 |
do write cheese | チーズを書く | 400021 |
do erase cheese | チーズを消す | 400011 |
それぞれのモードでは、ライトペン(エミュレータではマウスを使用)を使って場所を指示します。
消す時は、直接消したいものに触れてください。
書く場合は、書ける位置に「点」が表示されるので、その点に触れてください。
外壁は消さないようにしてください。
ネズミは1つしか置けないので、場所を変えたいときは先に消してから、新しく書いてください。
ゲームの開始
完成したら、次のコマンドを使います。
do mouse | ネズミを動かす | 400002 |
do over | やりなおす | 400017 |
「ネズミを動かす」でゲーム開始です。
ネズミが迷路を動いている間は、見ているしかありません。
…お腹が空いて止まっちゃった?
そういう時は「やりなおす」を使ってください。
TAC の 0 と、14~17 のスイッチを全部 ON にした状態です。
これで、食べられたチーズを再び置き、ネズミをスタート地点に連れ戻し、ネズミの学習内容を消します。
上手にすべてのチーズを食べられたら、TAC の一番左の「do」のスイッチだけ、一度 OFF にし、その後 ON にします。
これで、もう一度「ネズミを動かす」が指示できます。
ゴール後の「ネズミを動かす」は少し特殊な動作をします。
「やりなおす」のようにネズミとチーズが元通りになるのですが、ネズミの学習した内容はそのままです。
そして、そのままゲームがスタートします。ネズミは行き止まりの道を把握しているのでチーズに向かってまっしぐらに進みます。
1回目は迷路を抜けるのにすごく時間がかかったけど、2回目は素早くゴールまでいけた?
素晴らしい!
MOUSE は、そのような出来の良い迷路を作るゲームです。
しかし、エミュレータではまだ紙テープ出力を作っていません。
…そのうち作りたい、とは思っています。
迷路を作り直す
完全にやり直したいときには、次のコマンドを使います。
do erase storage | 記録を消す | 400037 |
TAC の 0 と、13~17 のスイッチを全部 ON にした状態です。
迷路が完全に初期状態に戻ります。
ネズミとチーズは消え、壁は全て作られている状態です。
残されている1959年の文書では上のコマンドしか解説されていないのですが、もう一つコマンドがあります。
(コマンド名がわからないので、名称は適当です。文書にないので、操作案内の板にも書いていません。)
do clear maze | 迷路を消す | 400036 |
TAC の 0 と、13~16 のスイッチを全部 ON にした状態です。
こちらは、記録を消すとほぼ同じ動きですが、迷路の壁が外壁だけ残して消えた状態になります。
壁を消しながら迷路を作るか、壁を作りながら迷路を作るか。
どちらでも、操作しやすいほうをどうぞ。
残されていたのは、1961,66年時点のプログラム。そのため、オリジナルにない機能も追加されていたのだと思う。