ファミコンの画面について

目次

表示色

パレット

キャラクターデータ

BG 画面

ドラクエのフォント

スプライト

ラスタースクロール

PPU

バンク切り替え

メタルスレイダー・グローリー

ファミコン風画面を描くためのまとめ


ファミコン風画面を描くためのまとめ

ファミコン風の画面を描きたいという人のためのまとめです。


・使える色の種類は、52色。

 画面上では最大25色が使えます。ただし、いろいろな制限があります。


・BG 画面に使えるのは、12色だけ。

 絵は主に BG 画面で書きます。使える色数は 12色+背景色だけです。


・16x16ドットの範囲内では、3色だけ。

 12色の中なら好きに使ってよい、と言うのではありません。16ドットで区切られたマス目の中は、背景色に加えて3色です。


・3色セットは、4つまで

 上に書いた3色セットも、無制限に使えるわけではありません。そのセットを4つまでで画面を構成します。

 3色セットが4つだから、画面上に12色まで。実際には12色の中に同じ色を入れないといけなかったりして、12色フルに使うことはできないでしょう。


・キャラクターは 8x8 ドットを256種類。

 キャラクターは 8x8 ドットで構成され、256種類です。これを並べて画面を作ります。

 画面のサイズは 256x240 ドットで、960キャラクター分あります。

 画面の好きな位置に、好きなものを描くにはキャラクターが足りない、と言うことになります。


・スプライトは BG とは別で、同じ色数、同じキャラクタ数。

 BG とは別に、スプライト用に 256キャラクタ、3色4セットの色が使えます。


・スプライトはドット単位で好きな位置に置ける。

 8x8 のサイズしかありませんが、好きな位置に置けます。

 置いた場所の1キャラクター(8x8ドット)以内は、BG 画面の3色制限を受けません。

 さらに、スプライトの透明部分は BG 画面や下のスプライトがそのまま透けて見えます。


・スプライトは横に8枚、全画面で64枚まで。

 便利なスプライトですが、横に8枚までしか並べられません。

 さらに、全画面で 64枚しか使えません。

 「絵を描く」目的でいえば、256種類のキャラクタが定義できますが、全部使えません。


・スプライトは、上下・左右に反転可能。

 お絵かきではなく、ゲーム風画面を書きたい人へ。スプライトは反転可能です。

 左向きのキャラを用意しておけば、右向きのキャラは不要です。


・走査線を検出できる機能があった。

 ラスタースクロール機能ではなく、「走査線検出」であることに意味があります。

 画面上の任意の走査線を検知し、その上と下で画面構成を変えることが出来ます。

 うまく使えば、画面の一部は固定したままスクロールを行ったり、同時発色数を増やしたり…いろんな使い方ができました。

 ただし、走査線1本の時間は非常に短いですから、その間に変更できる程度の内容でなくてはなりません。

 技術に詳しくない方は、「想像で」こんなことが出来るはず、と無茶な絵を描かないようにしましょう。




ファミコンの画面以外の機能などに興味を持たれた場合、過去に書いたファミリーベーシックの記事をご覧ください。

(このサイトで最初に書かれたものなので、いろいろと突っ込み不足ですが)


画面の中で、比較的自由に 15色が使える MSX に比べると、ファミコンで「絵を描く」ことの制限は非常に厳しいです。


遊びだし、ケチをつけるつもりもないのだけど、ファミ魂カメラは「使用できる色」をファミコンの 52色に制限する程度で、他の制限まで満たそうとするものではありません。

(むしろ、写真の加工はおまけで、「ファミコン風のフレーム」がメインのサービスでしょうね)


SuperPixelTimeは、画像をファミコン風に変換してくれるサービスだけど、これも同様。

ふぁみこんぶは、パレットを1つしか使わないことにして、制限を守った画像を作り出す。

パレット1つだから、4色しか使わない。「ファミコンの制限を守っている」のは確かだけど、ファミコンの性能は引き出せない。


本気でファミコンで「そのまま表示できる」ような画像を作ろうと思ったら、職人芸の世界です。プログラムで自動処理なんて、多分無理。

(絶対無理、とは言わないけど。もし作れたら、賞賛して紹介しますので教えてください。)


ファミコン風に絵を描こう、と思ったら、ファミコンの制限で「お絵かき」するのではなくて、キャラクターを並べてドラクエやスーパーマリオ風の絵を描くほうが良いだろうと思います。



参考文献
ファミリーベーシック付属マニュアル任天堂1984任天堂
任天堂のファミリーコンピューター・ファミリーベーシックがわかる本Dr.Bee1984ハドソン
ラジオライフ別冊 バックアップ活用テクニック PART4丹治佐一 多摩三郎 他1986三才ブックス
ニンテンドーオンラインマガジン no.27任天堂2000任天堂
Enri's Home PAGE ファミコンのコーナーEnri
その他、WEB上の各種ページ


また、公開後に間違いの指摘やアドバイスをくれた方々がいます。
特に重要な情報を下さった方に感謝の意を込め、WEBページ および Twitter ID を紹介しておきます。

Colorful Pieces of Game(岩崎啓眞さん)
自分自身のためのものづくり(爆竹銃さん)


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(ページ作成 2013-07-28)
(最終更新 2015-10-05)

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