目次
02-24 SH-03Bに思うこと
02-24 DoCoMo のメール配信遅延
先の日記に書いたとおり、SH-03B を購入しました。
タッチパネル主体の操作なのに、i-mode が想定するのが「ファミコン的」操作なので、ちぐはぐな印象を受ける、というのは先の日記に書いたとおり。
で、先日も書いた Netwalker をいじっていて感じる違和感と共に、つらつらと。
インターフェイスの変遷。
▼キーボード
昔のパソコンゲームは、あたりまえにキーボード入力だった。
W を押せば「Wear」で鎧を着て、P は「Put on」で装備をつけて、t は「throw」で物を投げて…と言う具合。
今でも、海外製のゲームなどはキーボードを駆使するものが多く、この名残を感じる。
インターフェイスとしては、洗練されていない。
でも、専用キーが多数用意されているわけで、慣れると快適。
▼ファミコン的操作
四方向キー+決定、キャンセルの2ボタン。
コマンドを画面に表示して選択、というインターフェイスが考案されてから(堀井雄二が、ファミコン版ポートピア殺人事件で編み出した手法だ)、これが当たり前の操作方法になった。
誰でも使える。でも、目で見て確認して選択、と言うのは多少の面倒さは残る。
Sony お得意のクロスメディアバーも、これを使いやすくした改良版、と思っていいだろう。
▼マウス的操作
直感的。でも直接的ではない。
入力機器と連動して動くカーソルを利用して、間接的にものを指し示す。
この「間接的」なところが非常に便利で、マウスカーソルの形状を変えることで「現在何ができるか」というモードを示せるし、今示しているところを常に表示することで、操作ミスもなくせる。
▼ファミコン的操作によるマウス操作模倣
最悪のインターフェイスだと思うが、これをやらざるを得ない局面もある。
方向キーを押した時間に連動してカーソルを動かす。「時間」が「距離」に変わるので、入力機器とカーソルは連動していない。
ここに非常に面倒くさい印象が生まれる。
▼タッチパネルによるマウス操作模倣
間接操作のはずのマウスを、直接操作のタッチパネルで行う。
カーソルがないため、「押したつもり」の位置がずれていたりする。
カーソルがないため、押してみるまで何が起こるかわからなかったりする。
(マウスカーソルがあれば、移動時にカーソル形状で意味を示せるのに!)
SL-Zaurus がこの作法だった。
Windows Mobile …つまり、W-Zero3 もこの作法だった。
…個人的にはあまり使いやすいとは思わない。
タッチパネルでマウス模倣してうまく行かないのは、カーソルによって「モード」が示せないから。
実は、マウスと言うのは文脈依存で動いていて、その文脈をカーソル形状であらわしている。
ここからカーソルを取り除けば、気持ち悪い動きになるのは仕方がない。
▼タッチパネルによる直接操作
iPhone が新たな局面を切り開いた。
というとほめすぎか。90年代に研究された「ゼスチャ」を今風にしたもの、という印象ではある。
タッチパネルだとカーソルがなくてモードがあらわせないのであれば、モードによって動作が切り替わるのではなく、与えるコマンドによって動作を切り替えればよい。
iPhone は、マルチタッチによって「何本の指で触るか」と言う形でコマンドを与えている。
そのコマンドが受け付け可能であるかどうかは、即座に、コマンドに呼応したアニメーションで返す。
アニメーションは見栄えを良くするために作りこんでいるのではないのだ。
これは、Apple が初代 Mac から受け継いできた作法でもある。
SH-03B は、iPhone を真似ているのにアニメがない、マルチタッチを活用していない。
結果、中途半端で使いにくい印象を受ける。
さて、SH-03B は、i-mode なので「ファミコン的操作」を必要とするが、iPhone の真似をしてタッチパネルによる直接操作を採用している。
結果、気持ちの悪いことが起きる。
メインメニューは、3×4に並んだアイコンで示される。
タッチすると、更に詳細なメニュー項目がアイコンで示される。
ここら辺は軽快に動作する。
下のほうの階層になると、アイコンは作りこまれていない。というか、細かな概念を絵で示すのは無理だろうから、文字を中心にするのだろう。
で、1行1項目に箇条書きされたメニューになるが、タッチしても動作しない。
ここからは、1回目のタッチで選択され、2回目のタッチで決定だ。
どうやら、文字が密集していると誤選択の可能性が出るため、一度押した箇所を確認させているらしい。
(カーソルを模倣しているわけだ)
これが、非常に面倒くさい。
2回目のタッチの変わりに、画面上に表示された「決定」ボタンや「OK」ボタンを押してもよいが、このボタンの位置がまた、ころころ変わる。これも面倒くさい。
メニュー項目が多い時は、「スクロール」か「ページ送り」のいずれかになるのだが、どちらになるかで送り方法が違う。
スクロールなら、指を縦にスライド。ページ送りなら横にスライド。
スクロール時はアニメーションするが、ぺーじ送り時はアニメーションはない。
もっと作法を統一して欲しいところ。
個人的には、「触れたら選択開始。選択位置が間違っていたらそのまま指を動かして正しい選択位置を探し、指を離したら実行」でよいのではないかと思う。
これなら、触れている間はマウスカーソルを模倣できるわけで、それほど違和感はないだろう。
で、そうすると現在スライドに割り振られている「スクロール」「ページ送り」が混乱するので、2本指タッチに割り振る。
…SH-03B では2本指タッチを利用していないが、もしかしたら Apple が特許とっていて使えないのかも知れないが。
(もしくは、タッチパネルでの操作方法を DoCoMo が規定しているのかもな)
えーと、全体に何がいいたいかと言えば、インターフェイスが新しくなった時に、過去に慣れたものを模倣しようとしちゃだめだ、と言うこと。
ファミコンパッドでマウスを模倣したり、タッチパネルでマウスを模倣しようとしたりすると、使い勝手が悪くてストレスがたまるだけ。
iPhone のバーチャルキーボードだって、使い勝手の悪さは多くの人が言うところ。
SH-03B でも、キーボードを閉めたまま操作しようとすると、バーチャル四方向キーが必要になるときがある。
でも、過去の資産が使いたければ許容しないといけないのも事実。
SH-03B が iPhone と違うのは、良くも悪くも過去の資産があること。
過去の資産、というのは、Java アプリとかのことだけではない。
既に日本では携帯は社会インフラであり、携帯をもっていないと不便な局面が非常に多い。
そして、ここで言う「携帯」とは、i-mode か EZweb か Yahoo!ケータイが使える、と言う意味だ。
各社の WindowsMobile 端末とか、Android 端末とか、iPhone は含まれない。
メールすらも、携帯各社は「携帯大手3社以外からのメールは拒否する」オプションを用意していたりするからね。
技術に詳しくない人間が相手だと、「携帯」以外のメールを受け取ってもらうこともできない。
ホント、W-Zero3 使ってた数年間で、情報弱者と言うのは携帯をもたない人間を言うのだな、と実感したよ。
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いまさらな話。
ここ3年 DoCoMo から離れていたので気づいてなかったが、PCからDoCoMo 向けのメール遅延がひどいことになっている…ように見えた。
少なくとも、うちのサーバーからメールを送ると、すぐには届かない。
最初のテストでは、3時間くらいかかって届いた。
時間帯によっても状況は違うようだが、素直に届くことは期待しないほうがよいようだった。
W-Zero3 には、仕事のメールをいろいろ転送している。
特に、サーバーでエラーが起きたときのアラートは遅延しては意味がない。
サーバーのメールログを調べてみると、ドコモのメールサーバーまでは接続できるが、そこで配送失敗して、自宅のサーバーの再配送待ちキューに溜まっているらしい。
qmail は、エラーが起きると時間を置いて再配送する。
この「時間を置く」というのが、リトライ回数によって増えていく。
1回目は7分後、2回目はさらに20分後、3回目はさらに33分後…だそうだ。
1回配送失敗すると、かなり遅延が発生することになる。
まずはこれをどうにかするのかなぁ…とおもったら
killall -ALRM qmail-send
すれば、即時再配送を試みることがわかった。
毎分 cron で設定するか?
ところで、仕事柄 i-mode コンテンツの運用なんかも知ってはいるのだが、公式プロバイダでは PC からメールを送信しても遅延したりはしない。
どうなってんのかな、と思ったら、道は二つあるようだ。
1. DoCoMo 側で、IP アドレスを見て接続優先順位を設けているようだ。
うちみたいな、ダイナミック DNS で立てられた自宅サーバーなんていうのは怪しいので、接続が多い時は積極的に切断されてしまう。
2. 信頼できる会社であれば、DoCoMo に専用回線で SMTP 接続できる。
別料金も必要だし、信頼も必要なようなので、うちのような零細企業(一応自営業でやっとります)では難しい。
で、しばらく考える。
思い立って実験する。
うちの上流プロバイダである、朝日ネットから送ると遅延はないようだ。
優先された IP アドレスなのか、お金払って専用回線使っているのかは不明。
じゃぁ、DoCoMo 向けに送るときだけ、朝日ネットを経由させてもらおう。
幸い、朝日ネットはネット内からの接続であれば、SMTP を使うのに制限はない。
(SMTP 認証とか、POP before SMTP が必要だとややこしい話になる)
qmail の 設定ファイルを書くだけ。
control/smtproutes に、
docomo.ne.jp:mail.asahi-net.or.jp
の一行を書いた。
これで問題解消。
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