キャンプの基本

キャンプに行くにはまずキャンプ地を決めて・・・というプロセスは省略しましょう (^^;

はじめての人でも気軽にいけるキャンプ場が沢山ありますので、ガイドブックを買ってくれば私が書くより多くの情報が含まれています。


そこで、今回はキャンプ地についてからの作業です。


おわび
 今回、図がほとんどありません。ちゃんと近所でテントを立てて写真をとろうと思ったのですが、週末風雨が通りすぎたために断念しました。けっして面倒くさかったわけではないと思います (^^;

テントを立てる

まずは設営場所を見定めます。設営に適した場所というのは

×崖の上や下、河原などは危険なので避ける

平坦な場所で土の柔らかいところを選ぶ

1番目の項目は、危険回避のために絶対重要です。とはいっても、キャンプ場などでは場所を選べない場合もあります。


以前行ったキャンプ場は、アウトドアブームにあわせて急造されたらしく、山の斜面を段々に削って作られていました・・・つまり、どこにテントを建てても崖上で崖下です。本当は、こういうキャンプ場は存在自体が危険だと思ったほうがよいです。

2番目の項目は居住性の問題で、それほど重要ではありません。とはいえ、たとえ1日でも住みにくい家で暮らすのはかなりストレスがたまります。


みんなでテントを立てる場合は、中央に食堂を配置して回りをテントで囲むと生活しやすいでしょう。(この場合、最初にタープを建てるのが筋ですが、タープの建て方は次回)


テントを建てる場所が決まったら、

石ころや木の根を取り除きましょう

こういう細かなものが、結構寝るときに痛かったりしますから。これも居住性の問題です。できることならば、周囲から草を大量に刈ってきてテントの下に敷くと最高の寝心地となります。


さて、ここまで出来たらテントを建てます。建て方はドームテントの場合を解説します。


テントは、通常ポール、テント、フライシートの3つからなっています。棒状のものがポール、ぺらぺらの布がフライシートです。


安いテントには、恐ろしいことにフライシートがないものがあります。これは格好は整っていますが役に立ちませんので、買うときには注意しましょう。まぁ、最近はこういう粗悪品はなくなりましたが。

まず、ポール(柱)を組み立てます。最近のものは一組みのポールがゴムでつながっていて簡単に組み立てられるものが多いのでそれを組み立てるだけです。


ポールがゴムでつながっていない場合は説明書をみながら規定本数を組み立てます。この場合、一度組み立てたらポールに油性ペンで目印をつけておく(3〜4本のポールが組みあがるので、それぞれに使う部品に番号をつける)と、次回から素早く組み立てられます。

ポールはおそらく3組(もしかしたらそれ以上)出来るはずです。このうち、長めで長さの同じ2組がテントの柱になります。


テントを広げると、対角線にポールを通す筒状の布、もしくはポールを引っかけるプラスチックのフックがついているのがわかると思います。

筒状になっている場合は、地面にテントを置いたままポールを通してください。フック式になっている場合は、対角線上に2本のポールを置き、頂点付近だけ引っかけておきます。

テントの上に対角線にポールを2本・・・こんな感じですね。テントは地面に置かれているときはしわくちゃですが。
 ポールはテントの底面積よりも長いので、はみ出した形になります。


ここまで作業が出来たら、ポールの各頂点にそれぞれ人がついて、おもむろにポールを山状にたわませます。テントがポールにつり下げられて立ち上がるはずです。

よっこらせ、と持ち上げればこんな形になるはずです。もちろん一筋縄で立つわけではなく、ポールをたわませた結果、だぶだぶだったテントのなかに全部収まるわけなので、布を引っぱる作業が必要になります。


テントの四隅にはポールの端を通す穴があいているはずですので、そこにポールを突っ込んで固定します。

テントの四隅には、こんなふうに飛び出した布に穴があいていて鉄製の環がついています。(テントにより、少しづつ異なります)
 穴にポールを差し込むことで、ポールを固定するとともに、テントの底面を広げ、生活空間を作り出します。

 なお、鉄製の環はこの後フライシートを留めたりペグを打ってテントを固定したりするためのものです



以上の作業は、ここでは簡単にするために4人でやるように説明しましたが、2人でも十分出来ますし、工夫すれば1人でも大丈夫です。

テントが立ったら、ここで出入り口の方向を定めてください。この段階では、テントは持ち上げて自由に移動できます。

風が強い日には出入り口を風下に向けます。そうしないとテントは風をうけて

空を飛びます

そうでなければ食堂とするタープの方を向けるのが良いでしょう。


最後に、フライシートを被せます。フライシートにもポールを通す部分がありますからポールを通し、そのポールが入り口に向かって縦になるように被せ、テントの頂点から出ている紐でポールを結びます。これでポールが、ちょうど入り口の上に庇のように張り出すはずです。

フライシートを被せるとテントはほぼ完成です。
 図ではフライシートのなかのポールの位置を、ちょっと濃い色で示しています。
 フライシートはテントを雨から守るためのものです。しっかり張りましょう。



ここではマニュアル通りフライシートを最後にかぶせていますが、テントがまだ寝ているあいだに紐で結ぶほうが作業はずっと楽です。

シートの四隅はテントの四隅に止められるようになっているはずです。これをすべて止め、テントの四隅にペグ(杭)を打って地面に固定します。


最後に、フライシートの側面に付いている紐をペグで地面に固定し、紐を引きます。

ここで、フライシートがテント本体から出来るだけ離れるようにしてください。(そのために紐で引くのですから)


フライシートは、雨や朝露がテント本体に当たらないようにするためのものです。ここでフライシートがちゃんと張れていないと、テントは雨漏りします。しっかり張りましょう。

ここまででテントの設営は完了ですが、雨が降りそうな場合は浸水しないように周囲に溝を掘ります。(絶対雨が降らない状況では特に掘る必要もありません。また、キャンプ場によってはたとえ雨でも掘ることが許されていない場合があります)


雨はフライシートを伝い、その端からしたたり落ちますので、溝はフライシートの端の真下に掘ります。そして、このとき掘った土はテントに被せ、浸水を防ぐ堤防とします。(テントが汚れるのを嫌って土を外側に置けば、テントをわざわざ水溜りのなかに置く結果となります)


もう2年も前の話になりますが、神戸震災のときの報道で「雨が降るとテントが浸水して居住性が悪い」という訴えがありました。

しかし、その映像を見ると、残念ながら溝はテントのはるか外側に掘られて意味をなしていない上に、掘った土はテントの外側に並べられ、フライシートからしたたり落ちた水をテント内部に導く構造になっていました。


テントを建てた人はこういう知識がなかった、というだけのことで、そのことに問題があるとは思いません。普段生活していてテントの建て方を覚える必要はないですから。


しかし、災害に備えてテントを備蓄する自治体職員の方には、ぜひともこのようなノウハウも知っておいて欲しい、せめてノウハウをまとめたテキストをテントと一緒に備蓄しておいて欲しい、と思います。


テントは簡単な造りではありますが、まちがいなく「家」です。

なんの考えもなく建ててしまえば、生活が不自由なものになります。


基本をしっかり覚え、快適なアウトドアライフを送りましょう。

(ページ作成 1997-03-30)

戻る
トップページへ

-- share --

0000

-- follow --




- Reverse Link -