平方根を求める(2)
目次
比較する
さて、ここまでは大丈夫?
このページでは、前のページとは話の方向が少し変わるよ。
一気に読むのがつらければ、このページをブックマークしておいて後で読むといいよ。
ここまでと違う話だから、気分を変えたほうが頭に入りやすいかも。
前のページでは、平方数を作って、調べたい数と「比較する」ことで平方根を求めました。
…ところで、比較するってどういうこと? 数学的な意味は?
再確認するためにも、「比較」の初歩的な問題をひとつ。
りんごが7つ、バナナが5つありました。
どちらが、どれだけ多いでしょう。
答えは、りんごが2つ多い。
りんごの7から、バナナの5を引いた結果が、2だから。
では、次の問題ならどうする?
りんごが5つ、バナナが7つありました。
どちらが、どれだけ多いでしょう。
最初に「バナナが多い」と考えて、7-2を計算するのは…まぁ、小学校の算数ならそれでいいでしょう。
でも、今は「比較って何だろう」ということを考えているのだから、計算式を立てる前に「バナナが多い」などと「比較」するのはやめておきます。
とりあえず、文章の中に出てきた数字を、そのままの順番で使ってみましょう。
5-7=-2
りんごがー2個多い。つまり、りんごのほうが2個少ない。
これは、バナナが2個多い、という意味です。
つまり、2つの数字を「引き算」して、答えが正なら先に出てきた数が、答えが負なら後に出てきた数が、多かったということになります。
ちなみに、答えが「0」なら数は同じだった、ということ。
これが、数学的な意味での「比較」です。
小さな数の平方根
話を平方根に戻しましょう。
平方数をつぎつぎと作るのは「足し算」でできることがわかりました。
そして、比較は「引き算」でできることがわかりました。
これを組み合わせて、9の平方根を求めてみましょう。
まず、最初の平方数、1。
比較してみます。9-1=8。0じゃない。つまり「同じ」ではないので、答えじゃない。
つぎに、1+3=4。これが「次の平方数」です。
比較してみます。9-4=5。0ではないので、答えじゃない。
さらに、4+5=9。
比較してみます。9-9=0。 …元の数と平方数が同じになった。これが答えです。
ここまでに、3回の計算をしました。ということは、9と、3番目の平方数…つまり、3×3が同じだった、ということです。
というわけで、9の平方根は3。
これで、足し算して、引き算して、足し算して、引き算して…の繰り返しだけで、平方根が求められることがわかります。
ところで、最後の部分の計算だけを、もう一度別の方法で書いてみます。
9-(1+3+5)=0
1+3+5 というのは、平方数を作る計算。3つの足し算で作っている平方数だから、3の平方です。
この式は、9と、3番目の平方数を比べてみたら、同じだった、という意味になります。
もっと式を簡単にしてみましょう。括弧をなくしてみます。
括弧の前が引き算なのだから、括弧の中の足し算を全部引き算に変えると、括弧をとることができます。
9-1-3-5=0
…足し算がなくなりました!
先ほど、平方根を求めるのは、足し算と引き算を交互に繰り返す作業でできる、ということを書きました。
でも、本当は足し算はいらない。引き算だけでできます。
ちなみに、多くの場合結果が「0」にはなりません。
マイナスになった「直前」が、「本当の平方根を超えない、最大の整数」になっています。