平方根(ルート)の求め方
要望が多いので、タイガー計算機のページで書いた、平方根の求め方を詳細解説することにします。
小学生でもわかる…つもりで、懇切丁寧に解説しますが、そのぶん文章は長くなっています。
少しづつ、理解しながら読み進んでください。わからなくなったら、少し前に戻って気長にどうぞ。
目次
続ページの目次
その2 比較する 小さな数の平方根 強力な「武器」 大きな数の平方根
その3 100の倍数でない平方根 桁をずらす もっと簡単な方法
その5 最後に
三角数
いきなりだけど、問題。
子供たちが遊べるような、アスレチックを作ろうと思います。
その中に、丸太を山のように積んだ「丸太のぼり」を作ろうと思います。
横から見たら、三角形になるように。
5段に丸太を積んだ山を作るには、何本の丸太を用意すればいいでしょうか。
まず、丸太を1本おいてみます。
![1個の丸太](tri1.gif)
こんな状態。
三角の山? といえるかどうかはわかりませんが、これで「1段」が完成です。
丸太2本ではどうなるでしょう。
![2個の丸太](tri2.gif)
これは、三角ではありません。もう一本、上に乗せましょう。
![3個の丸太](tri3.gif)
3本で、2段完成。
3段にするにはどうすればよいでしょう。
![6個の丸太](tri6.gif)
これでいいですね。6本必要でした。
次は4段。
![10個の丸太](tri10.gif)
全部で10本です。
そして、目的の5段。
![15個の丸太](tri15.gif)
全部で15本です。
1段は段数と同じ1本でできたのに、5段では段数の3倍の15本も必要でした。
1段目から5段まで、必要な丸太の数は、全部で
1、3、6、10、15
でした。
全部で、ではなく「前の段から増えた数」で考えると、
1、2、3、4、5
となっています。
このように三角形に積むと、段数が増えるにしたがって「段数と同じ数」の丸太が新たに必要だということがわかります。
このような数を全部あわせて、「三角数」と呼びます。
1は、1番目の三角数。
3は、2番目の三角数。
6は、3番目の三角数。
10は、4番目の三角数。
15は、5番目の三角数。
…です。この数は、いくらでも続きます。
階差
ところで、先ほど、「前の段から増えた数」として紹介した数は、1つづつ増えています。
このような、「前の数との差」を、「階差」と呼びます。
今、「1つづつ増える」と書きましたが、この「1」も階差です。
言い換えれば、「1、2、3、4、5」という数字の階差は、どれも1である、ということ。
ここで、「1、2、3、4、5」は、元になった数字からすぐに計算された階差なので「1次階差」と呼びます。
1次階差の階差、つまり「1づつ増える」、の「1」は、「2次階差」と呼びます。
三角数は複雑な数をたくさん集めたものですが、2次階差まで求めると、「1」という、単純な数に落ち着くことがわかります。
この性質を利用して、正確な数表を作ろうとしたのが、バベジの階差機関でした。
さて、ではここで問題。
すでに35段の丸太が積んであるとして、36段に増やすには、新たに何本の丸太が必要でしょう?
35段の丸太ですから、その数は「35番目の三角数」ですが、ここではこの数を計算する必要はありません。
36段に増やすために必要な本数ですから、36番目の1次階差がわかればいいのです。
1次階差は、1、2、3、4、5、…と増えていました。
だから、36番目の1次階差は、36。
35段の丸太を36段に増やすには、36本が新たに必要。これが答えです。
ここで大切なのは、「全体の数はすぐにわからなくても、階差ならすぐにわかる」ということです。