平方根を求める(3)
目次
100の倍数でない平方根
ではいよいよ、「100の倍数でない」大きな数の平方根を求めてみましょう。
484の平方根を求めます。
この場合、400と84に分けて考えます。
これは足し算だから、掛け算みたいな「交換則」は使えません。別々に計算して後で足す、ということはできないのです。でも、辻褄は後で合わせます。
400は、さらにわけて、4×100。ここでは、「4」の部分だけ、平方根を求めます。
まずは、4から「1」を引きます。
4-1=3
つづいて、残った「3」から、1の次の奇数である「3」を引きます。
3-3=0
0になったので終わり。2回の計算で終わったので、「4」の平方根は「2」です。
ここまでは大丈夫かな?
念のために解説しておけば、
・最初に引いた「1」は、1番目の平方数です。
・次に引いた「3」は、先に引いている「1」とあわせて「4」になります。これは、2番目の平方数です。
・引いた結果が0になった、ということは、最初の数と同じになった、ということ。
「4」と「2番目の平方数」が同じになったのだから、4の平方根は2です。
では、続けます。
今、484のうちの、先頭の「4」の部分だけ、平方根がわかりました
つづいて、残りの「84」の部分を求めましょう。
同じようにして、84の平方根を求めてから、組み合わせる?
それはだめです。この「84」は、484から400を引いた余り。
掛け算だけならどの順番で計算しても答えは一緒だけど、引き算が混ざっているから「別々に計算してから、あわせる」ことはできません。
ここでは、さっき計算した「4」を、「実は400の計算をしていました」ということにして、辻褄を合わせます。
そして、残りの「84」は、400まで進んだ計算の「続き」をすることで求めるのです。
桁をずらす
ここで、平方根計算の1ページ目、箱を四角く並べる話を思い出してください。
いま、「4」の平方根は「2」とわかりました。箱は縦横に2個づつ、合計で4個並んでいます、という意味です。
これを、「実は、縦横に20個づつ、合計で400個並んでいました」ということにします。
ですから、ここまでにやった計算は、
484-1=483
484-1-3=480
484-1-3-5=475
…とひたすら続けて、
484-1-3-5-…=84
まで来るのに、20回かかっている、という状態です。
(たった2回の計算で、20回分計算したことにしちゃった! なんてお得!)
さぁ、21回目にあたる、続きの部分をやりましょう。
…あれ? でもちょっとまって?
21番目に引く数がわからないと、続きの計算ができません。
ここで、箱を四角く並べる問題のところで、「平方根計算の最後の最後にもう一度出てくる」と書いた話が出てきます。
増える数、つまり「1次階差」を求めるのには、2倍して1を引くのでした。
次の計算は21回目。21番目の1次階差ですから、21を2倍して42。1を引くと41。
残っている「84」は、20回目にあたる計算の答でした。
だから、84から41を引いてやれば、21回目の計算が終わることになります。
84-41=43
そして、22回目。41の次の奇数である、43を引きます。
43-43=0
答えが0になったので、ここで終了です。
22回の計算で0になった…つまり、484と22番目の平方数が一致した、ということです。
これで、484の平方根が、22であることがわかりました。