その3
目次
もっと簡単な方法
さて、ちゃんと理解できたでしょうか?
今行った計算は、百の位で「余り」が出ませんでしたし、小数点以下も現れませんでした。
…練習用の簡単な問題で、実用的な計算問題ではない、ということです。
しかし、ここまでで、計算方法自体は理解できたかと思います。
実用的な計算に移る前に、ここでは計算を「簡単に」するための追加情報を伝えておきましょう。
先ほど、計算する「桁」を変えるときに、次のような処理を行っていました。
・百の位の平方根をもとめて、答えが「2」だとわかった。
・これを桁をずらす…つまり10倍し、ここまで出ている答えが「20」だと読み替え、次を「21」の計算とした。
・21番目に引く値を求めるため、21を2倍して1引いて、41を求めた。
短くまとめると、こうなります。
・すでに求められた平方根を10倍して1を足し、その2倍から1を引く。
足したり引いたり、ちょっとややこしいです。
これをもっと簡単に計算する方法があります。
先ほど、百の位の計算が終わったとき、引いた値は「3」でした。
この「3」ですが、縦横1個並んでいる箱を、縦横2個に増やすには、
・横に1個
・縦に1個
・斜めに1個
必要だという意味です。
図に描くと、こんな感じ。
同じように、縦横2個から3個に増やす例も挙げましょう。
この場合には5個が必要ですが、そのうちわけは、
・横に2個
・縦に2個
・斜めに1個
です。
こちらも図にすると、
斜めの1個は常に変わらない、というのが重要なポイント。
さて、普通なら「3」を引いたら、次は引き終わった答えから「5」を引くのですが、ここで桁ずらしの処理になりました。
この「5」を元に、次の計算で引く数を考えて見ましょう。
「斜めに1個」は常に変わらないので、いったん忘れます。つまり、5から1を引いて、4を考えます。
これが、「桁がずれる」のですから、10倍します。40になります。
最後に、「斜めの1個」を足してください。答えは41です。
なんか…やっぱりまだ、ややこしいですね。
すでに求められた平方根を使う方法と比べても、「2倍する」がなくなった程度で、引いたり足したりは相変わらず。
ところで、「3の次の奇数は5」というのは、言い換えれば「3に2を足したら5」ということです。
そうすると、5から1を引いている部分の計算は、3+2-1 を計算していることになります。
2を足して1を引いているのですから、最初から「1を足す」でも同じです。
これをまとめると、かなりスッキリします。
・最後に引いた数に1を足してから10倍し、さらに1を足す。
具体的な計算をして見ましょう。
先ほどの「484」の計算例では、2回目に「3」を引いた後、桁ずらしが発生しました。
つまり、「ここまでに求めた結果」は2で、「最後に引いた数」は3です。
この場合、以下の二つの方法があることになります。
・求めた結果2を10倍して20、これに1を足して21、さらに2倍して42、1を引いて41
・最後に引いた3に1を足して4、10倍して40、1を足して41
答えは41で同じ。
僕としては下の方法のほうが簡単に思えるのですが、いかがでしょうか?