回し車の改造
目次
その2 光によるカウント
一念発起し、やはり当初計画どおりの光によるカウンタを作ることにします。
LEGO LOGO で使っていた光センサーは「フォトリフレクタ」と言うそうです。反射型フォトインタラプタと呼ぶ場合もあります。
出力はアナログなので、適当な閾値で ON/OFF が切り替わるようなスイッチ回路を組む必要がありそうですが…自作回路なんて作ったことが無いのですが、きっとなんとかなると考えて秋葉原に行きます。
買ってきたものは、フォトリフレクタ・適当な抵抗・適当なトランジスタ。まじめな回路を組もうと言うのではないのだから、適当でもなんとかなるはず!(笑)
こいつがフォトリフレクタです。テレビのリモコンなどでも使われる、赤外線発光素子と赤外線受光素子を並べてくっつけただけという、ありがたい装置です(笑)
赤外線は目には見えませんが、デジカメを通して見ることが出来ます。知っておけば工作のときに何かと役に立つでしょう。
まずはフォトリフレクタの原理を知っておきましょう。とても簡単です。
- 赤外線発光素子は、電気を流すと赤外線を出します。(このとき、+−をつなぐ向きがあるので注意)
- 受光素子は、受け取った赤外線の量で抵抗が変わります。たくさん赤外線が入ってくるときは抵抗が小さいのですが、赤外線が入ってこないと抵抗が大きくなります。
- 素子同士は隣りに並んでいるので、発光素子の光が直接受光素子に入ることはありません。しかし、至近距離にものがあったときには、反射して光が入るようになります。
ここで、抵抗が問題になるようなので、テスターを当てて測ってみました。最終的には、白黒の紙を回し車につけてその色を判別しようと考えているので、同じような状況の抵抗を測ります。
発光側には乾電池2本(2.4V)をつなぎ、色のついた紙の上に持っていったときの抵抗を読みます。
僕の部品知識の無さで、ここでよくないことをやっていました (^^; 電子部品って 3V駆動とか多いので2.4Vくらい 大丈夫だろうと思っていたら、このLEDは1.6V駆動でした…
これに気付くまで2週間くらい2.4Vをかけつづけたのですが、幸いなことに壊れてはいません。
しかし、本当は抵抗(40Ωくらい?)を入れて適当な電圧に落としてやる必要があります
黒いプラスチック | マジックで黒く塗った紙 | 白い紙 | アルミホイル |
50K〜100KΩ | 40K〜70KΩ | 20K〜60KΩ | 1K〜30KΩ |
上の表はおよその値です。紙との距離も重要なのですが、手で持って動かしているのでそこらへんがいい加減です (^^;
上の表を見ると、白い紙にマジックで線を書いたくらいではうまく取れない可能性がありそうですが、アルミホイルと黒いプラスチックなら大丈夫そうです。
さて、実際の改造ですが、実は最初から試してみたいことがありました。それは
アナログ出力のフォトリフレクタを、そのままデジタルスイッチ代わりにつなげたらどうなるか?
ということです。実のところ、デジタル回路はいたるところに「閾値回路」が最初から組み込まれているので、これでもうまく動く可能性があると考えていました。
結果から先に言えば、予想通りでした。念のためにトランジスタなども買ってきましたが、回路らしい回路なんて組む必要も無かったのです。
この写真は最終的に出来上がったものですが…
電池ボックスは、赤外線発光素子に直結しているだけです。歩数計は歩数計内の電池で動きます。本当は、電源を共通にしたいところですが僕の知識ではそこまで出来ません (^^;
受光素子は、磁気センサーの代わりに歩数計につながります。このとき、+−があるので注意する必要があります。(適当につないで、動いたら大丈夫、って程度ですが)
つまるところ、回路は「赤外線を出すだけの回路」と、「本来の歩数計の磁気センサの代わりに、受光素子をくっつけたもの」の2つがある、というだけです。
これはてくてくエンジェルがたまたまうまく行っただけかもしれませんが、多分他の歩数計でも大丈夫です。
電気回路部分がなんとかなったので、回し車を改造します。軸受け部分の周囲に、このように銀紙と黒いプラスチックテープをつけました。
ちなみに、黒いプラスチックテープとは5inchフロッピーのライトプロテクトシールのことです (^^;
軸を差し込んだところです。軸をケージに固定するための板に穴をあけ、センサーを差し込めるようにしてあります。
半透明の塩ビなので、黒い部分が透けて見えています。
回し車を回すと、問題なくカウントします。
フォトリフレクタの特性上、色だけでなく距離も重要なので、センサーの設置時には何回か回転させて試験したほうが良いでしょう。
この方式にしてから、いきなり 8kmも走るようになりました。
新たな問題点
ここで新たな問題が発覚…あまりに激しく回すもので、安物の回し車だと耐え切れないらしい(笑)
飼い始めたときは生後まもなく、体重も軽かったので大丈夫だったようです。しかし、わずか1ヶ月の間に体重は2倍に増え、力も強くなっているようです。
本気で走り始めると、回し車が激しくぶれます。ケージが共振して大きな音を出します。そして、そうなると驚いて走るのをやめてしまうのです。
せっかく気持ちよく走ってもらうために磁石をはずしたのに、これは残念…
その3 新しい回し車
というわけで、早速回し車を新調することにします。電気工作は秋葉原が遠くて簡単には出来ませんでしたが、ペットショップなら近所にもあります。
ペットショップの展示品をさんざん手で回して選んだのがこれ。
「回りやすさ」だけなら他にもスムーズに回るものがありましたが、軸が鉄で磨り減りにくそうなこと、車の側面が十分に広く、思い切り走れそうなことなどが選択の決め手となりました。
そして、すぐに改造を施します。例によって5inchフロッピーのライトプロテクトシールと、アルミホイルを貼ります。
構造上軸は外れなかったので、きれいに丸く貼るのはあきらめました。
前の回し車と違い、センサーを取り付ける場所が無かったので、センサーは金網側に固定することにします。
そのため、割り箸を適当な長さに切ったものにセンサーを接着し、逆側には取り付けのためのナットを接着しました。
適当なセンサーカバーもつけ、回し車とセンサーをケージにセットします。
ナットとビスは金網の隙間よりも狭いので、透明プラ板でワッシャ−を作っています。
「新しいのを買ってきた」というだけで、あまり改造箇所はありませんので記事は簡単です。決して手抜きなわけではありません (^^;
しかし、この回し車の効果は絶大でした…
前の回し車では最大 9Km だったのが、この回し車にしてからは最低 10Km となっています。
現在のところ、最も走った日で一日 18Km。普通は 13Km程度走っているという感じです。
また、振動ですべるとセンサーの位置からずれてしまう問題もあります。
100円ショップなどで売っている、滑り止めの網状になったゴムがおすすめです。
床にゴムを敷いてから設置すれば音もせず、すべりもしません。
このとき、ハムスターがゴムを齧らないように、回し車の足の上に紙等を載せておいてあげてください…