御鉢巡り

神社横から御鉢を覗く御鉢巡りとは、富士山の火口(御鉢)の周りをぐるっと一周すること。神社からスタートして時計回りにまわるのが「正しい」作法だそうですが、そんなことは後で知りました。もっとも、知らずに作法に従っていたのですが。

神社をスタートした我々は、左手に火口を見ながら進みます。日はかなり昇ってきており暖かいのですが、まだまだ風が強くて寒いです。

写真は火口を覗いたものなのですが、荒涼とした土地にしか見えませんね。事実、富士山頂にはなにもありません…


富士山の影最初の目標地点は、目の前の小高い山の上にある建物。非常に急な坂の上にたっており、登るのに苦労します。風の中進んでいくと、坂の途中で眼下に三角形の影が見えました。

…富士山の影です。さすがは日本一の山、影もスケールがでかいです。事前に富士山の「見所」情報を調べてから来ましたが、こんな話はどこにも載っていなかったので、実はこれに一番感動した気がします。


富士山測候所目指していた建物は、富士山測候所でした。去年まではレーダードームが「富士山のシンボル」的な場所でしたが、今はドームはありません。

測候所は富士山の中でも一番高い場所、剣ヶ峰にたっています。ここが日本最高地点 3776.63メートルで、三角点も有ります。

…富士山って、二等三角点だったのですね。一等かと思っていたのに。でも、考えてみればこんな高い場所に三角点を作っても、基準としては使えないかも (^^;; 基準点を元に、富士山の位置を測定するための三角点、と考えれば二等なのも納得がいきます。

ちなみに、三角点の横に説明の碑が立っています。すっかり観光地なのですね。


ちなみに、三角点とは「測量のために」用意されたポイントに過ぎず、一番高いところにあるとは限りません。剣ヶ峰の場合も、ここが最高地点だというわけではないらしいのですが、「きちんと測量されている」場所としては、文句なしに日本の最高地点です。


東大のサブミリ波電波望遠鏡測候所から下っていくと、今度は小さなドームが見えます。測候所のドームは去年解体されたわけだけど、これはなに?

答えは、東大が設置した電波望遠鏡でした。サブミリ波で観測を行っていて、遠隔操作可能なんだそうです。なんだかすごい機械。

再び小高い山を登っていきます。どうも富士山の「西」のほうに回りこんだようで、目の前に先ほども見た「影」が大きく広がっています。

山頂よりのパノラマ


特にこの後には建物はありません。神社が奉っている「霊場」…火口だとか湧き水だとかは有るようですが、ツアーで言ったわけではないため「なんとなく見た」だけで通り過ぎてしまいました。

そろそろ日も高くなってきて、雲を照らし出していてとても綺麗です。ただ、眺めの良いところは風も非常に強いので、飛ばされないように歩くだけで精一杯。本当に、風の強いところは足を取られるほどなんです。


久須志神社非常に風の強いところを抜けた先には、急に建物のならぶ場所があります。須走口登山道の頂上で、ここにも神社があります。これも浅間神社の末社で、久須志神社というのだそうです。こちらの方が見た目は立派 (^^;

神社の周りには売店も多く、非常に混雑しています。こんなところはさっさと抜けて先を急ぎます。


この先もまた、火口のすぐ横で風が非常に強いです。どうも久須志神社は風の強いところに立てられているらしい。飛ばされそうなほど強い風を抜けて先に進むと、鳥居が有りました。

なんかいわくありげな鳥居ですが、先は崖になっていて進む道がありません。崖下にはちゃんと道が見えているのですが、一生懸命強い風に逆らってきたのに、道はこの鳥居の下を迂回しているらしい。

久須志神社周辺仕方なくもとの道を戻ろうとすると、久須志神社と周辺売店を上から見ることが出来ました。風が強いので屋根を飛ばされないよう、石で押さえています。というか、「石に建物が埋まっている」感じです。なんか松本零二の漫画に出てきそうな世界 (^^;


無事正しい道に戻り、進みます。この先の道は細いところが多かったのですが、風はそれほど強くはありませんでした。途中ですれ違った女の人が「この先すぐに郵便局がありますよ」と教えてくれます。どうやら一周してきたらしい。

気付いてみると、そこは今朝御来光を拝んだ場所でした。もうゴールは目の前。ただ、山荘までは戻らず、その前の御殿場口登山道を降りる予定です。


(ページ作成 2002-08-09)

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