山を降りてから

下山後、とにかく腹が減ったので飯を食いに行きます。妻が運転したいというので、帰りの運転を任せます。

軽い朝御飯を4時に食べた後、二人でカニパン1枚だけ…猛烈に腹が減っています。何か食いたいのですが「なんでもいい」のではなく、ガツンと食いたいです。

富士山の近くで寂れた感じのドライブインもありましたが、ここはパス。味が不安だから…旅行中は「チェーン店でない」店に入るのが好きなのですが、今は安定した味のものを食べたい気分。

しかし、その後店は無いのでした…。自衛隊の富士山麓演習場の中の道になってしまい、店なんてありません。


御殿場市外に入り、やっと店を見つけます。すでに11時半をまわっており、昼御飯になってしまいました。いろいろ店がありますが、デニーズに入ります。

車を駐車場にとめ、車から降りて妻に車の鍵を渡され…

ここで重大なことに気付きます。何気なくズボンのポケットに車の鍵を突っ込んだら、そこにあるはずの「家の鍵」が無い!


デニーズで昼御飯妻が琥珀ゼリーの冷し中華ランチ、僕が知床鶏の唐揚げみぞれ和えランチを頼みます。デニーズの知床鶏唐揚げ好き :-)

さて、どうしたものか…。昨夜山荘で寝ているときに、ポケットの中に鍵の感触があったのは覚えています。寝ていて痛かったのだけど、大切なものだからと奥のほうに入れました。

降りてきている間に落とすようなことは無かったと思うので、多分車に乗るために車の鍵を出したとき、ひっかかって家の鍵も一緒にポケットから出てしまったのでしょう。普段なら地面に落ちた音で気付きそうですが、疲れていたので気付かなかったのか…


食事後、念のため車の中の荷物を確認しますが、やはりありません。今日に限って妻も「山に登るのだから余計なものは無い方がいい」と、鍵を持ってきていませんでした。

この後温泉に行くつもりだったのですが、「早く帰ってなにか対策しないと家入れないし、温泉はやめる?」と妻。「いつも使っている駐輪場の前に鍵屋があるから、頼めば開けてくれるよ」と言うと安心したようです。鍵屋なんてものの存在はまったく忘れていたようでした。



慌てて帰ったからといって鍵が出てくるわけでもないし、温泉に行きます。富士山の近くにも温泉があったはずですが、首都圏道路地図には富士山周辺は詳しく出ていないのでわかりません。箱根方面に行ってみることにします。

山道を15分も走ると千石原に出ます。ここらへんからは温泉地で、日帰りで温泉に入れるホテルなども沢山有ります。でも、どちらかといえば温泉旅館ではなく、日帰り温泉のみの施設がいいな…

勘太郎の湯というわけで、さらに進むことしばし。1時ちょっと前に「勘太郎の湯」という日帰り温泉を発見します。入浴料一人750円。ここにします。

風呂で体を洗うと、タオルが真っ黒になりました。体中埃だらけです。バリバリに固まっていた髪の毛も、シャンプーして非常にさっぱりとします。

この温泉、お湯はぬるめで40度。屋内・露天がありますが、屋内でも扉が開けてあって風を通すため、ぬるめのお湯に入っていると涼しくて気持ちが良いです。

あとで知ったのですが、ここは豊富な湯量を誇る自家源泉を持つそうで、お湯は常に流しっぱなしにしてあるのでとても綺麗だとか。

体をのんびりと休め、出たときにはまだ妻は居ませんでした。ならばジュースでも飲もうか…と思っているときにちょうど湯から上がってきて、いいタイミング。



ミニストップのソフトクリームあとはひたすらのんびり、高速道路を使わずに帰ります。途中のミニストップで「ラ・フランスソフトクリーム」と「ハロハロ宇治金時」を食べたりもしました。

4時ごろには地元が近づいてきます。「どうしよう? いきなり鍵屋行った方がいいかな?」と相談します。もしかしたら鍵を落としたというのが気のせいで、最初から部屋に鍵かけるの忘れてるとか…鍵さしっぱなしとか…家の駐車場に鍵落としてるとか…

この期に及んで「実は鍵を無くしていない」パターンが無いかと考えます (^^; 最後の悪あがきです。

結局「鍵屋によって、料金と電話番号を聞いていこう」と決定。


鍵屋さんの近くで車をとめますが、駐車禁止なので妻には待っていてもらいます。

鍵屋さんに料金を聞くと、「どんな鍵ですか?」という当然の質問。家の鍵です…MIWAロックで…防犯錠じゃないです…そう、中央に「く」の字の凹みがある、一番ピッキングされやすい奴です。

いや、自分の家の鍵が「ピッキングされやすい」ことは知っていたし、だからこそ鍵屋さんなら開けてもらえると思ったのですが、すらすらと「ピッキングされやすい」特徴を上げた僕に対して、鍵屋さんは「ついでに防犯鍵に取り替えませんか?」といいました。

まぁ、普通は「ピッキングされやすい」と認識して鍵屋に来る人は交換するのでしょうが、うちは借家なので大家さんの許可が無いと鍵の交換なんて出来ません。それに、ちょっと特殊状況で泥棒も入りづらい家だと思うんですよね (^^;

結局、鍵開けは出張費込みで7,000円、鍵交換も一緒に行うなら12,000円だそうです。「もう少し鍵を探してみてから、見つからなかったら連絡します」と、電話番号を聞いて戻ります。


家に戻って扉を見ましたが、鍵はささっていませんでした。もちろん鍵はかかっていますし、駐車場にも落ちていません。あぁ、やはりダメか。速攻で鍵屋に電話。5分で来てくれるそうです。しばらく待ちます。

鍵屋さんは扉を見て、「あぁ、一番開けやすい奴ですね」といいます。開けやすいのであれば、噂に聞く「10秒で開ける」というピッキングテクニックが見られるか…と思ったら、何度も道具を交換しながら、1分くらいかかって開けました。…この鍵屋さん、もしかしてピッキングは下手? まぁ、あけてくれたのは事実で、非常にありがたいのですが。いずれにせよ珍しいテクニックを見させていただきました。

鍵を開けた後は、身分証明書の提示と、「自分の依頼で開けてもらった」という証明へのサインが必要です。犯罪に使われないようにするためなんでしょうね。


家に帰って荷物整理。早いうちに洗濯もしなくちゃね、と洗濯機をすぐに回し始めます。(ちなみに、うちでは基本的に僕が洗濯担当)

潰れたペットボトル驚いたのはリュックから出てきたペットボトル。飲み干したときに蓋を閉めてリュックに入れておいたのですが…山の上と下の気圧差でべこべこに潰れています。

記憶では、夜中に山頂の山荘で飲み干したのと、帰りに7合5勺で飲み干したもの、5合目の駐車場で飲み干したものがあったはず。どれを飲み干したかは覚えていないのですが、写真右から順に潰れ方がひどいので、多分右が山頂、真中が7合5勺、左が5合でしょう。(登りで飲んだ350mlペットボトルは潰れていませんでした。小さいので圧力差に強いのでしょう)


そういえば、先日のハワイ旅行でも同じような現象が起こっていました。条件は多少違いますが、富士山5合目の気圧は飛行機の中と同程度?(と書いてから調べたら、本当に同程度でした。ペットボトルでの気圧測定は結構わかりやすい? (^^; )



仕分け済みのゴミ仕分け済みのゴミの山です。自治体の決まりに従って捨てないとね。

重さを量ったところ、ガラス・陶器 2.7kg 、鉄・アルミ 1.7kg 、紙・布・ペットボトルなどの燃えるゴミ 1kg でした。

本文中には書きませんでしたが、布ゴミは圧倒的にタオルが多く、次いで軍手、靴の中敷や靴の裏のゴムもありました。裏のゴムは歩いていて切れたのでしょうが、中敷は故意に捨てないと出ないはずです。

ちなみに、免許証はゴミの仕分けで出てきて思い出し、近所の警察で届けました。「富士山で拾ったゴミの中から出てきた」と言ったら驚かれましたが。



これで富士登山の記録は終わりです。ゴミを拾ってきて家の鍵を落としてくるという、間抜けな旅でしたね (^^;

これを書いている今は帰ってきてから3日たっていますが、まだ少し足が筋肉痛です。顔が日に焼けて、皮がむけてきました。

帰ってきた直後は「1度行ったからもう行かないでいい」と思っていたのですが、旅行記をまとめている間にまた行っても良いかな、と思い始めました。「富士山に1度も行かないバカ、2度行くバカ」という古い言い回しもあるそうですが。

次に行くときは、もっと温かい格好をして行こう。もっと強いゴミ袋を持っていこう。家の鍵は車の中に置いておこう。もっと違うルートも通ってみたい。

今回は初めてなので様子見みたいなもの。次に行くときは、もっと楽しめそうです。

(ページ作成 2002-08-11)

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