TX-0 世界初のホビーマシン

目次

トランジスタ・コンピュータ

TX-0の開発

TX-0 の命令セット

たった4つの命令自由に命令を作り出せる命令

完成後のTX-0

TMRCハック!

拡張


拡張

1959年8月、TX-0 の改造計画が持ち上がります。


アイディアがまとまり、実際の改造が始まるのは1年後の、1960年9月。段階的に何度か改造され、改造が終わったのは1962年でした。


この改造で、4k word しか残されていなかったメモリを、倍の 8k word に増設。

64k(16bit)あったアドレス空間は、この増設が「最大メモリ」の8k(13bit)に縮小されました。


また、新たなレジスタである「インデックスレジスタ」が追加されました。

メモリアドレスを指定する通常命令では、このインデックスレジスタの使用を選択できます。

使用した場合、指定アドレスにインデックスレジスタの値を加算したアドレスにアクセスが行われます。


アドレス空間を縮小したことで余った 3bit を使い、命令フィールドが 5bit になります。

これによって命令は大幅に増やされ、もう「たった4命令しかないコンピューター」ではなくなります。


この拡張は、主に命令セットの変更です。そのため、命令セットのページで詳細に扱う予定です。


プログラムしやすくなり、能力も大幅にアップした TX-0 は 、世界で最初の時分割システム(Time Shareing System : TSS)の実装実験などもされています。


これは、1台のコンピューターで同時に複数のプログラムを走らせよう、という試みです。

いまではパソコンでも当たり前に複数のプログラムが動きますが、非常に画期的なことでした。


この後、TX-0 は MIT で 1975年まで使用され続けます。


この間に、多くの学生にコンピューターに触れることの楽しさを伝え…プログラム改良を趣味とする、「ハッカー」を生み出し続けました。




TX-0 は、ユーザーがコンピューターと直接対話する、という新しい使い方を切り拓きました。


UNIVAC や IBM のマシンは、計算をして結果を返すだけの「バッチ処理」が主な用途でしたが、TX-0 によってキーボードを使ったり、画面を見たりしながら操作することが可能になったのです。

TX-0 は、「ティー・エックス・ゼロ」が正式名称なのでしょう。しかし、TX-0 を使った者たちは、親しみを込めて Tixo 「ティクソー」と呼びました。(0 をオーと読んでいる)


「コンピューターに親しみを感じる」と言うこと自体が、学生にマシンを開放するという「実験」が大成功だったことを意味します。


TX-0 の開発者、ケン・オルセンは、学生たちがこのマシンに熱中する様をみて、新たな時代の幕開けを確信します。

そして、また新しいコンピューターを作成するのですが…


その話はまたいずれ。



参考文献
ハッカーズスティーブン・レビー1987工学社
A FUNCTIONAL DESCRIPTION OF THE TX-0 COMPUTERJT.Gilmore,Jr. & H.P.Peterson1958MIT
Proposed Revision of the TX-0 Operate CommandJ.B. Dennis1959MIT
A MORE POWERFUL ORDER CODE FOR THE TX-01960MIT
TX-0 COMPUTER HISTORYJohn A.McKenzie1974MIT
Computer history archiveMIT'50sComputer History Museum
TX-0 COMPUTER (AI FILM #105)MIT'60sMIT CSAIL
その他、WEB上の各種ページ


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(ページ作成 2013-06-22)
(最終更新 2013-07-21)

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