学研 電子ブロックシリーズ

電子ブロック写真
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 FX-マイコンは学研の電子ブロックシリーズ後期のFXシリーズの一つとして1981年に発売されました。

学研の電子ブロックシリーズといえば、電子部品をブロックのなかに収め、ブロックを並び変えるだけで回路が組めるという傑作です。初期の「電子ブロック」、中期の「電子ブロックEXシリーズ」、後期の「電子ブロックFXシリーズ」と3種類のシリーズがあり、このうちFXシリーズはブロックの大きさが他機種よりも大きいため、互換性はありません。

また、組める回路の内容も、EXシリーズまではバリコン(容量可変コンデンサー)を内蔵することでラジオなどの「アナログ回路」を中心としていたのですが、FXシリーズではIC、LSI部品をつかった「デジタル回路」を中心になっています。

FXシリーズには、「マイコン」キットと「メロディー&ウォッチ」キットがありました。マイコンキットには4bitマイコンをブロック化したマイコンブロックが、メロディー&ウォッチにはメロディーICをブロック化したメロディーブロックと、時計ICとデジタル液晶をブロック化したクロックユニットがついてきました。

今回紹介するのはマイコンキットの方です。これは私が初めて所有したコンピューターでもあります。

FX-マイコン

FX-マイコンは、電子ブロックとしては中途半端な機械でした。マイコンブロックにはLEDや16進キーボードがついているため非常に大きく、このブロックを収めると他のブロックで自由な回路を配置する余裕はなくなります。つまり、「マイコンとして使う」か「電子ブロックとして使う」かのどちらかしか出来ず、マイコンを中心とした回路を組むことは許されないのです。

マイコンユニットは4bitのカスタムCPUを核に、メモリ、20個のキー、7つのLED、1つの7セグ数字表示LEDからなっています。

 メモリはプログラム用に80word(アドレス00〜4F:1word=4bit)、データ用に16word(50〜5F)が確保されています。レジスタはABYZの4つあり、BはAの、ZはYの裏レジスタ(同時には使えない)でした。これらはアドレス66以降にもマッピングされていて、内部ROMルーチンによってさらに別のメモリとスワップできるため、ユーザーからはレジスタが8つあるように見えます(それでも同時に使えるのはAとYだけです)。このほか、フラグとして1bitが用意されています。

 命令としては、4bitCPUなので16種類が用意されています。そのうち1つは割り込み命令で、つづく1wordの内容に応じてROM内に用意された16種類のルーチンを呼び出します。よって、ユーザーから見た場合は都合31種類の命令があるように見えます。

命令セットを見る


これは命令からの推測ですが、どうやらこのボードには外部入出力ポートが1つづつしかなく、それは16進キー入力と7セグ出力に使われていたようです。LED出力はメモリに直接マッピングされており、スピーカー出力はLEDの3bit目に直接接続されていたようです。

FX-マイコンのプログラミング

マイコンブロック写真  キーボードの20個のキーのうち、16進を除いた残りの4つは、RESET、RUN、INCR、ADR SETとかかれていました。プログラムにはこれらのキーを使用します。
 RESETキーを押すと、アドレスは00番地にセットされます。これ以降、7つのLED(2進LED)にはアドレスが表示され、7セグLEDにはそのアドレスの内容が表示されます。

00番地にセットしたいデータを16進キーから入力しINCRを押すと、データはメモリに書き込まれてアドレスが進みます。INCRはアドレスインクリメントの意味です。

つぎは01番地のデータを書き、INCR、02のデータを書きINCR...とプログラムを進め、すべてが入力されたらRUNを押せばプログラムが動きます。

ADR SETキーは、データを入力したい番地を直接していする場合に使います。16進2桁でアドレスを入力後、ADR SETを押すとアドレスがセットされます。

このことから見ると、どうもFX-マイコンは2段階までの入力バッファを持っているようです。INCRが押されたときはその1段目をアドレスで示されるメモリに書き込み、ADR SETが押されたときは2段分をアドレスレジスタに書き込みます。

RESETはアドレスのリセットだけでなく、この入力バッファのリセット機能も持っていたようです。

FX-マイコンの拡張

最初に「電子ブロックとしては中途半端だった」と書きましたが、マイコンユニットも一応電子ブロックの仲間です。回路の組み替えによりさまざまな実験ができるように考慮されていました。

とはいっても、それはたった2bitの外部入力端子です。これを読み取る命令が割り込みルーチンであることを見ると、この端子もどうやらメモリにマッピングされているようです。

マニュアルには、この端子を利用した実験が2種類載っていました。スイッチを端子につなげて、スイッチを押す毎にカウントする実験・・・などです。しかし、実際にはチャタリング(スイッチの接点が震え、1回押しただけで電気的には2〜3回押されたことになってしまうこと)が起きたりして、実験の域を出ないものでした。

(もっとも、このマイコンユニット自体なにかの役にたつとは思えないが)


追記 2002.4.30

2002年4月に、電子ブロックEXシリーズの復刻版が発売されました。

学研の方と直接話をする機会に恵まれ、伺ったところによると、FXシリーズとEXシリーズのブロックの大きさは同じそうです。

上の記事に「互換性がない」と書いたのは誤りとなりますが、最初のものとの互換性などまだ未確認ですのでそのままにしておきます

追記 2003.6.3

電子ブロックが復刻されて以来、情報が多くなりました。

本家のページもあります。学研ではなく、学研に電子ブロックを供給していた「本家本元」のページです。


STシリーズを知人からもらいました。

ST/EX/FXで、ブロックの大きさは同じようです。


FXマイコンシミュレータを作った方がいます

(内蔵ソフトに関しては ROM 吸出しではなく、同等の動作を実装しています。なのでエミュレータではなく、シミュレータだそうです)

僕もCPUエミュレート部分までは作って3年以上ほったらかしていたのですが、先を越されてしまいました。というか、自分のものより出来がいいので先を越されて喜んでおります :-)

追記 2009.7.3

電子ブロックではありませんが、マイコンユニット部分だけが「大人の科学」として復刻されました。

…記事にも書いたけど、電子ブロックであることに余り意味は感じられなかったので、これでもいいのかな (^^;

公式ページには、FX-マイコンのマニュアルも置いてあります。

復刻されたマイコンのマニュアル、ではなく「電子ブロックFXマイコンのマニュアル」というのが素晴らしい!

というか、この記事書いた当時、いくつかのプログラムを転載することも考えつつ、それをすると著作権的にまずいだろうと思ってやっていなかったんですよね。

公式にネットにアップロードされたので誰でも自由に読むことが出来ます。小さいながらも奥深い世界へようこそ!

(ページ作成 1996-10-07)
(最終更新 2003-06-03)

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