ディナークルーズ(後編)

ハワイのサンセット船はワイキキ海岸から離れ、沖のほうに出ています。そして、ちょうどいま日が沈もうとしているところ。

船の上に上れば展望室になっているそうです。でも、席からでも十分見えます。どうもセレブレーションオプションを申しこんでいたので、いい席を用意してくれていたみたい。演奏者のステージからも近いし、夕日も席からそのまま見えるし…


カクテルその1実は日没の直前、チケットを使い、カクテルを注文しました。飲み物は1人2杯までもらえるのですが、スパークリングワインの量が結構あったので、ここまで使っていなかったのです。

白いのは「チチ」ハワイでは人気の有るカクテルのようです。ウォッカにココナッツシロップ、パイナップル、トロピカルジュースなどを加え、氷と共にシェイクしたもの。細かな氷がシャリシャリとしていています。ココナッツの香りで非常に美味。

黄色いほうはここのオリジナル、スリースタークーラー。レシピは不明ですが、これも多分ウォッカベース。モスコミュールにココナッツシロップを入れた感じかと思います。こちらも美味。


夕日が地平線に近づいてから沈むまで、およそ5分程度。この間は演奏もお休みです。

綺麗な夕日にカクテルを傾け、みんな音も無く沈んでいく夕日を眺めています。


日が完全に沈み、その余韻から覚める頃、演奏が再開しました。演目は…なんと「憧れのハワイ航路」! しっかり日本語での演奏です。


晴れた空そよぐ風
港出船のドラの音たのし
別れテープを笑顔できれば
のぞみはてないはるかな潮路
ああ憧れのハワイ航路

波の背をバラ色に
染めて真っ赤な夕日が沈む
一人デッキでウクレレ弾けば
歌もなつかしあのアロハオエ
ああ憧れのハワイ航路


常夏の黄金月
夜のキャビンの小窓を照らす
夢も通うよあのホノルルの
椰子の並木路ホワイトホテル
ああ憧れのハワイ航路


これだよ、これ。彼女が飛行機の中で歌っていた歌は、正しくはこの歌なのだ。

年配のお客さんの中には、一緒に歌っている人もいます。このクルーズには外国人の方も乗っていますが、多くが日本人。年配の人もいる中でのこの選曲、しかも日没直後に持ってくるセンスには「やられた!」って感じです。


そこかしこで歌声が上がったことで、船の中の空気が一変しました。さきほどまでは各テーブルそれぞれで食事を楽しんでいて、レストランのような雰囲気でした。それが、席の間の見えない壁が無くなり、全体として打ち溶け合ってきた感じです。夜になって薄暗くなったこともその手助けをしたかもしれませんが。


デザートのケーキ歌の終わる頃、デザートが運ばれてきました。「シェフ特製デザート ラズベリーパフェ・ケーキと季節のフレッシュ・ベリー」

非常に美味しいケーキなんですけど、もうおなかいっぱいです。彼女は味を見ただけでほとんど手付かず。「あんなにロブスター食わなきゃよかった」と嘆いていますが、後の祭りって奴です。


ウェイターのDrew が、アルバムを持ってきました。乗船してすぐに写真撮られているんだよね。さっき、隣りの席では「$20」って言っていたけど…買うかどうかは迷うところ。買わなくても良いのですが。

…と思ったら「Present」と言われました。そういえば、これもセレブレーションのオマケだった…。でも、一人1カットのはずなのに、同じ写真2枚だよ〜。2人並んで撮ったから、本当は2カットあってもいいはずなのに…1枚撮り忘れたな!


ポリネシアンダンサー軽快なリズムにあわせて、ダンサーが入場します。ポリネシアンな感じのダンスです。もしかしたら古典フラなのかも知れませんが、よく知らないのでわかりません。

実はこの後はダンスショーが続きます。このあとにはラテンな感じのダンス。そして、そのまま 60's な感じのダンスへとつながっていくのですが、ダンスは写真を載せても良くわからないので割愛します。ムービーデータも、あるにはあるのですが。

ただ、基本的に女性ダンサーばかりの中で一人だけ男性ダンサーがおり、その力強い踊りは格好良かった、ということだけ書いておきましょう。


ケーキ入刀軽快なダンスナンバーの流れる中、Drewが軽快に何かを持ってきます。この人って、こういうときの動きひょうきんなんだよね。持ってきたのは着席時にあった、結婚祝のケーキでした。う…もう食えないぞ。

周囲のスタッフがわらわらと集まってきます。そして、日本人スタッフから説明。「写真撮りますから、二人でケーキカットしてください。」 渡されたケーキサーバーで、カットします。スタッフ一同拍手。

「はい、つづいてここも切って…ここも、大きく切ってね。」 ケーキを2切れ切り出します。大きめにね…という指示が不気味。

「はい、それじゃぁそれをお互い手でつかんで、相手に食べさす。」 !! まじっすか!


ケーキ交換?「恥ずかしがらない、恥ずかしがらない。はい、いくよー。いっせーのー…」 いや、恥ずかしがっているんじゃないですけど…。もう、なるようになれ、って感じ。むんず。ぱくり。周囲から一斉に拍手。

「それじゃ、締めくくりにキスを。写真撮るから長くやってねー。」 ぜ…絶対に遊ばれている。しかしもう、ここまで来たらなんでもしますよ。チュッ☆

ふたたび周囲のスタッフから拍手。そして、スタッフはどこかへ消えていく… 残されたのは食べきれないほどのケーキの山でした。



ダンスショーは続けられ、「踊りたい人は一緒に踊る」という状態になっています。そんな中、日本人スタッフがマイクを握りました。

「本日、記念すべき結婚式を挙げた方、結婚記念日でいらしている方、そして、婚約をなされた方がいらっしゃいます。名前を読み上げますので、呼ばれた方はステージ前まで出てきてください」

結構多くの人の名前が呼ばれます。15組くらいいたか? 「これからはチークタイムです。みなさん、お互いの手を取り合って…」 強制的に踊らされます。最初戸惑ったけど、もうどうとでもなれ、と雰囲気を楽しみます。ダンスなんて踊れないけどね。

チークタイムの後は、他に踊りたい人を募ってのダンスタイム。やがて踊りはジェンカのような単純なものへ…見知らぬもの同士が、列をなして踊っています。


そろそろ港に戻ってきたようです。まだドリンクチケットがあったので慌てて頼みます。マイタイと…なにかを頼んだのだけど、それはもう無くなった、ということでまたスリースタークーラーを持ってこられます。

ステージの方も佳境…なんと、流れ出した曲は「Y.M.C.A.」です。原曲か、西条秀樹か…と思ったら、さすがに原曲でしたが。

しかし、これなら外国人でも日本人でも踊れる人が多いでしょう。さびの部分の「Y M C A」だけでも、みんな一緒になって踊るのでした。


港に付き、クルーズは終了。料理だけでなく。エンターテイメントも一級品でした。ケーキカットに使ったサーバーはセレブレーションの記念品。もらって帰ります。

はぁ〜楽しかった。でも、疲れもした… ホテルに戻ると、シャワーをあびてバタンキューです。明日も早起きして遊びに行く予定…

(ページ作成 2002-07-10)

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