書を捨てよ 町へ出よう
リムジンはホテルのフロント前停車場に停まりました。ここからは歩いて部屋までもどります。誰が見ても「新郎新婦」の格好のままで!
恥ずかしいと思っていたのですが、周囲は案外好反応。多くの外人さんから「Congratulations!」の声がかかります。相手が誰であっても、祝福されるというのは悪い気持ちはしないものです。Thank you, thank you!
エレベーターに乗り部屋へ。時間はまだ12時前。ちょうどルームメイドが部屋を回っている時間でした。
我々をみるなり驚かれます。そりゃ、いきなり廊下の角でウェディングドレスの人に会ったら誰でも驚くでしょうけどね。彼女が英語で「着替えたいんだけど、部屋入っていい?」と聞きます。もちろんOKです。
部屋に入り、せっかくなので着替える前に何枚か記念撮影。外では出来ないような…ブーケを髪飾りのようにして見たり、僕がブーケを持って見たり。相変わらずのバカップルぶりを発揮します。
さて、いつまでも遊んでいてもしかたが無いので着替え。すべてを一つの袋に入れます。靴までふくめてすべてです。もこもこに膨らんだ袋は、死体袋だと言われたら信じそうな感じ。
午後の予定はどうしようか? 彼女は「泳ぎたい」と言いますが、夕方からはディナークルーズがあります。疲れるのは嫌だし、せっかくセットした髪をくずすのももったいない。
ショッピングでも行く? と提案しましたが、彼女はそんなものには興味無し。もちろん僕も興味無し。
海までお散歩してみよう、ということで話がまとまりました。実はこれがハワイに来てから最初の「自由行動」です。ガイドブックをもって行こうか迷いましたが、もって歩くのも邪魔なので置いて行く事にします。「書を捨てよ 町へ出よう」!(…ナニカチガウ)
1階まで降り、死体袋(笑)をベルデスクに預けます。あとはラ・マリアージに電話連絡すれば勝手に引き取ってくれるのですが、電話番号を部屋に忘れたのでそれは後ほど。
昼過ぎだし、まずはどこかでお昼ご飯。ホテルのすぐ前に「WAILANA COFFEE HOUSE」という店がありました。名前は喫茶店みたいだけど、どうやら中はファミレスみたいな感じです。
店の前に出ていたメニューを見てみます。面白い物があったらここにしましょう。
…マヒマヒサンド? 面白そうでヒ。ここに決定しマヒ。
…「〜マヒ」という語尾は、ゲームソフト「どうぶつの森+」に出て来るキャラクターの口癖。この半年、彼女と二人で遊び続けています。「面白そう」と思ったのは語感の問題で、これがなにものかはよくわからないまま店に入ります。
ここもきっとアメリカンサイズなんだろう、と、マヒマヒサンド1つとサイドディッシュのポテトサラダを注文。あと、コーヒーとカプチーノ。(この店の料金は失念)
コーヒーも、ハワイにいる間に飲んでおきたかった物の一つです。彼女が「美味しいコーヒーの基準がよくわからない」というので。
僕はコーヒー好きではありませんが、父がコーヒー好きです。そして、以前父がハワイ旅行をして「ハワイはコーヒーがうまかった」と誉めていたのです。
コーヒーとカプチーノが来ます。…これ、カプチーノ?
カプチーノって、泡は乗っているはずですが、それは泡立てだ牛乳の物では…? これは、どうみてもホイップクリームです。ホイップクリームを載せるとすればカフェモカでは…?
飲んで見ます。クリームは甘いです。まぁ、美味しいんだけどね。
更に飲みます。キャラメルの香りがします。キャラメルカプチーノなのか。まぁ、そういうコーヒーもありますよね。
味を確かめます。チョコレートを入れてあるみたい? やっぱカフェモカなんですかね。
結局これは「キャラメルカフェモカ」と断定。別に悪くないですよ。しかし、カプチーノではないです。カプチーノを頼んでキャラメルカフェモカが出てくるとは、不思議なり。
コーヒーの方は非常にうまいです。ひと口飲んで驚きました。
味はいわゆる「アメリカン」で、薄めです。しかし、ちっとも薄さを感じさせません。その理由は、香りにありました。味は薄めで飲みやすく、飲むと鼻の奥でコーヒーの香気を感じます。これは美味しい。
コーヒーの味を評論している間に「マヒマヒサンド」がやってきました。予想通りにでかい。ポテトが山ほどついています。
マヒマヒが魚だということはわかっていたのですが、くせのない白身魚でした。それをフライにしてあります。「どこがサンドなんだ?」と思ったら、マヒマヒの下にバンズが隠れていました。つけ添えの野菜やフルーツなどを適当に挟んで、自分でサンドイッチにすれば良いようです。
味は…うまいです。でも、マクドナルドのフィレオフィッシュとそんなに変わらない味です。ある意味当然ですね。店においてあるケチャップがハインツだったのはありがたいです。ハインツのケチャップは新鮮なトマトの味がするので僕は好きです。
つけ添えに、なにやら細長いものが…縦1/4に割ったキュウリのピクルスでした。うまい。ピクルス嫌いな人も多いですが、僕は好きなので巨大なピクルスでも問題なし。嫌いな人は残せばいいので、自分ではさむというスタイルも悪くないですね
サイドディッシュで頼んだポテトサラダは、普通の味でした。ただ、これもでかいよ。ポテトサラダだけで腹一杯になりそうなくらい。きっと頼まないでも大丈夫だとわかっていたのだけど、なにか注文しないと店に悪いと思ったので…。
この店のウェートレス、ほとんどおばちゃんだったのですが、行動が予測不能でおかしいです。
ケチャップの瓶などを持って来た時も唐突でしたが、下げる時も唐突。いきなり通りがかりに掴んで行って、別のテーブルに置いて去る。あっちのテーブルでケチャップが必要なメニューを注文したんでしょうね。日本でこんなウェートレスがいたら客から苦情が出そうですが、その無駄のない動きは有る意味非常に美しいです。
英語で世間話しているのを聞いていたら、すごい恥ずかしい内容しゃべってるし…。
「こないだ、あっちの海岸でセックスしてるの見ちゃったわよ」「ただ抱きあってただけじゃないの?」「いぃや、あれは絶対セックスしてたわ!」 …そんな会話、客席ちかくで大声で話さないでよ (^^;
店を出てからチップの払い忘れに気付きましたが、いまさら遅いので忘れる事にします。はじめてまともに外食したので、チップのことなんてすっかり忘れてた。
「多分あっちが海」と彼女が言う方向にぶらぶらと歩いて行きます。僕は方向音痴なので彼女の勘に頼る方が得策。
ホテルの周辺は日本人も多く、日本語があふれていたのですが、ちょっと歩くと急にアメリカっぽい風景になりました。
…これなんだろ? 道端に自転車の形のモニュメントがあります。自転車道を表している? アート? 思わず写真を撮ります。こんなものも、実にアメリカっぽい。
しばらくあるくとABCストア発見。入ります。「ホテル街からちょっと離れた所なら、生活雑貨があるかもしれない」というのが彼女の読みです。
実は彼女の趣味はトイレットペーパーの包装紙コレクション。1個売りの周りについている「皮」ですね。収集家としては漫画家の やくみつる氏があまりにも有名ですが、彼女のコレクションもすでに500枚に近づこうとしています。自称、日本で2番目の便所紙収集家。
彼女の読みはあたり、見事トイレットペーパー発見。$1.50 は日本での値段を考えるとちょっと高いですが、趣味なので金に糸目はつけずに買っておきます。
さて、ABCからちょっと歩くとヨットが多数停泊するマリーナ。目的地の海に出る事が出来ました。