Handy98

目次

PC-98シリーズ

愛称は「Handy98」

互換性がない?

それ以外の部分


それ以外の部分

98HAに限っていえば、論理面よりも物理面で互換性を悪くしている部分も、あるにはありました。

たとえば、RS-232CポートとPRINTERポートは、小型の特殊コネクタに変えられています。

これらは変換ケーブルさえ用意すればなんの問題もなく使えましたが、持ち運べることを重視した機械で変換機が必要・・・というのは、変換機を一緒にもち歩かなくてはならないことを意味します。または、複数買って家と会社に準備しておく、などの投資が必要でした。

外部接続ポート  RS-232C、プリンタポート。写真では大きさがわかりませんが、ポートのコネクタの幅はたったの1cmです。
 これらのポートは一部の98Noteでも使われていたようですが、あまり普及はしませんでした。普及していれば、98HAの評価ももう少し高かったかも知れません。

特にRS-232C変換ケーブルは重要でした。98HAにはフロッピーディスクがありませんので、通信が出来ないと作ったデータを保存しておくことも出来ないのです。

(ドッキングステーションを買えばフロッピーディスクが使えますが、これをもち歩く、または複数購入することを考えれば、RS-232Cケーブルのほうが楽でしょう)


キーボードも重要な「互換性を悪くする」部分かも知れません。

98HAのキーボードは、小型化のために押しにくいものになっていました。大きさ自体に問題はない(一般的にいわれる使いやすいキーボードの基準、キーピッチ14mm以上はクリアしています)のですが、98HAのキーボードは「押す」というよりは「手前に引く」とでもいうべき、独特の押し方をしないと入力が出来なかったのです。

98HAキーボードのアップ  キーボードのアップ。これも写真からはわからないが、キーは14mmごとに配置されている。キー周囲には間隔が開いているため、1つのキーの「隣のキーに触れずに」押すための幅は、18mmもとられている。
(何のことやらわからぬ人も多いでしょうが、携帯機ユーザーには重要な値です。一般に、あるキーを押すときに、その両隣のキーの間の幅が14mm以上ならば使いやすいと言われます)

記憶媒体にも問題があったかも知れません。98HAは、当時規格が定まったばかりのJEIDA4.0カードスロットを備えていましたが、このカードは非常に高価でした。

98HAには内部にフロッピーディスク1枚分のメモリを内蔵していましたが、このメモリは電源が切れれば消えてしまいます。

そして、運用中のバッテリー持続時間が8時間、電源 OFFでも45時間という98HAの制限では、カードを入れずに携帯することは無謀だったのです。


JEIDA4.0は、後にPCMCIA1.0と呼ばれるようになる規格です。この当時はこれは「S-RAMカードメモリのための」規格であり、フラッシュロムなどは使えませんでした(大体、当時はフラッシュロム発明以前です)。
 後にJEIDA4.1、PCMCIA2.0になったときから、一般的な拡張スロットとしてハードディスクやモデム、当然メモリなども使用できるようになります。
 現在の規格は、JEIDA4.2、PCMCIA2.1です。

今回は98HAの問題点ばかりを取り上げる形になってしまいました。

しかし私は98HAが好きです。次回には98HAのユニークな部分をお伝えしようと思います。


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(ページ作成 1997-03-02)
(最終更新 2018-11-26)
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