X68000

目次

テレビからの発想

業務用ゲーム機のように

使いやすさの追求


使いやすさの追求

これらの画面まわりの設計は、地味ながらも使いやすさを追求したものとなっています。すでにあげた「ドット位置とアドレスの関係が変化しない」などというのもその一つです。

ほかにも、パレットが読みだし可能だったり(PC-9801等では不可能)、表示タイミングを気にしなくていいようにデュアルポートDRAMが使われていたり、テキスト画面書き込み時にマスク指定や同時複数プレーンアクセスが可能だったり、グラフィック画面の高速消去が可能だったり・・・


非常に単純な話ですが、たとえば「パレットが読みだし可能」というだけでも、ソフトウェアに対する考え方を根底からくつがえす力をもっています。

98等ではグラフィックツールはたいてい1個の閉じた環境を作っていましたが、X68kの特徴は、「ロードプログラム」「加工プログラム」「セーブプログラム」を別々に作成出来ることを示しているのです。(セーブ時にちゃんとパレットが読み出せるから、という、ただそれだけの理由に依ります)


実際、私も自分でゲームを作るときに絵を加工する必要に迫られてその部分だけのプログラムを作り、ロードとセーブは流通していたフリーウェアで済ましたことがありました。

この時作ったプログラムは画像にフィルタをかけるものだったのですが、その領域はテキストプレーンに枠を表示して選択できるようにしていたので、マウスを操作する際のグラフィックへの影響・・・などという問題とも無縁でした。


コンピューターの使いやすさ、という漠然とした感覚は、案外些細なことの積み重ねで決まってしまうのだと思います。


しかし、このような問題はコンピューターが真に「個人のもの」であるときにのみ意味をもちます。

個人で買える、という意味で「パーソナル」と名付けられた普通のコンピューターは、使いやすいかどうかは問題ではないですから。(ソフトウェアの使いやすさは重要ですが、それはすでにコンピューターの問題ではありません)


そして、X68kは真の意味で「個人のための」コンピューターだったのです。

残念ながら、おそらく最後の・・・


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(ページ作成 1997-03-30)

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