いつか書きたい…と、まだお仕事で ST-V のプログラム書いていたころから思っていたセガ・サターンの話、思い切って書きました。
当時 ST-V のプログラムを作っている会社にいて、僕は ST-V のプログラム担当でした。ST-V ってのもそのうち説明するけど、セガサターン互換の業務用基板ね。
その当時にこの WEBサイトを作りはじめて、X68k の画面構成を説明する際に、重ね合わせ性能ではセガサターンもかなわない、と書いたりしています。
その時からセガサターンを説明したい、でも企業秘密だからダメだな…とか思っていました。
今年の夏だったかな。ツイッターで、「古いゲームの保存」と言う話が盛り上がっていたんだ。
まぁ、定期的に出るような話で、古いゲームを「文化財」として残すにはどうすべきか、と言う話。
業務用基板を残そうとしている人たちの仕事の価値は認めたうえで、僕はエミュレータでも良いと思っている。
というか、原本としての基板が残っていても、貴重すぎて誰も遊べないからエミュレータ「も」活用すべき。
まぁ、その話はいいんだ。こんなのは先に書いたように定期的に出る話。
この時の話は、ゲームは「作品」であって、それを作った人たちが何を考えたのか、その時代がどういう時代だったのか、という文脈と切り離してしまって「文化財」と言えるのか? という問題提起があった。
これは、ちょっと新鮮な意見。ものだけ残っていても、そのものの価値がわからなくなってしまうでしょ? というわけだ。
これを受けて、ゲームを作っている人たちには、作成中からできるだけ多くの記録を残してほしい、と言っている人もいた。
ゲーム作成現場にいた人間として、これは賛同できない。あまりにも多くの取捨選択があり、それだけで精いっぱいなのが現場だ。そのうえ、その記録の保存作業、なんて言われたら仕事がすすまない。
でも、コンピューター関係の歴史が好きな研究家としての僕は、上の意見にすごい賛同したいんだ。
作成中は無理でも、いろんな現場にかかわった人が、少しづつでも記録を残したら…
この記録は、「資料」としての記録でいい。間違いがあったって、他の資料と突き合せればわかるから、記憶違いがあっても構わない。
とにかく記録を残しておけば、あとで研究する人の役に立てるかもしれない。
…と思い至って、「記録として」サターンの話を残そうと思いました。
僕は先に書いたように ST-V のプログラムを作っていたし、僕がゲーム業界に居た時期は、サターン発売直前からドリームキャスト発売直後まで。
だから、この話を残したいというより、この話しか書けない。
ただ、この話は当時働いていた会社をすでに辞めたとはいえ、一応企業秘密。…いろいろ調べたけど、会社が「雇用中」は守秘義務があるけど、辞めた後は大丈夫なのね。
#法改正があって退職後も守秘義務は続くようになったが、僕が辞めたのは改正前。
でも、以前いた会社に迷惑がかかるといけないし…と思ったけど、その会社自体はすでに無くなっているのでした。再編の激しいゲーム業界だからね。(吸収合併された存続会社はあるけど)
だいたい、調べてみたら結構当時の関係者がいろんなところで打ち明け話をしているよ。
サターン自体フリーでエミュレータ作られちゃうくらいで、技術は秘密じゃなくなっている。
じゃぁ、そろそろいいよね…時効だよね…
そんなわけで、残したい内容はたくさんあります。
技術的な話は調べればわかることだし、当時の「業界の噂」みたいなものは、嘘かもしれない。
そんなものもひっくるめて書き残しておきます。当時の雰囲気を残す資料、と考えているから。
その一方で、聞きたい人もいるかもしれないけど、あまり核心を突きすぎて今でも秘密にしといた方がよさそう、というものは書かないつもりですし、基本的になにかを特定できてしまう固有名詞は出さない予定。
と、いろいろ厳しい制約の中で語るので、期待外れかもしれませんよ、と先に予防線を張っておきます。
今後、週1ペースで公開して、1か月くらい続く予定。
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