執筆環境 XANADU

目次

自分を表現するために…

考えるということはシーケンシャルではない

Xanaduとはどのようなシステムか?

情報の公開・閲覧情報の保存著作権の管理強力なリンク強力な執筆環境

WEBサービスとの比較

iframe引用サービスtrackbackWikiそのほか

理想郷はどこに…

openXanadu


WWWの普及以来、さまざまなところで著作権の問題が発生しています。電子データはコピーが簡単なため、これはあらかじめ予想されていた事態ではありますが…

Xanaduでは、最初からシステムに著作権管理の概念が導入されています。

まず、情報が引き出せるのはサーバーからブラウザまでで、ブラウザから別の場所にデータを移すことは出来ません。


データのコピーは出来ませんが、「一見コピーしたかのような」動作は可能です。

Xanaduでは、文章の中に他の文章の一部を表示する、「引用」という機能があります。これはリンクのようなものですが、ジャンプしないでもその場で表示されるところが異なります。

 WWWではこのようなことは出来ないが…文章ではなく、画像であれば可能です。

 このページの上のほうで表示したテッドの写真をもう一度右に表示します。
 この写真は、Xanadu Austraria にある彼のホームページに置いてあります。私は彼の写真をコピーせずに「引用」しました :-)

 写真の右下にあるタグをクリックすると、彼の写真の著作権を管理しているページにジャンプします。(そこに、写真のコピーは認めないが、引用は認めると書いてある)


ただコピーできないだけ、というのは著作権管理とはいえません。

Xanaduではもちろん、著作物を読んだ人に対して、著作者が「課金」出来るシステムが備わっています。

その際に、この「引用」の本当の意味が出てきます。著作者に対して支払われた著作権料のうちいくらかは、自動的に「引用」した文章の著作者にも支払われることになるのです。

もしも人の文章をまるっきりコピーした盗作を作れば、その著作権料は、盗作の作者ではなく、本当の著作者に支払われることになります。これは非常に理にかなった著作権管理です。

引用はリンクの一形態です。WWWではリンクは「他のページにジャンプする」というような形でしか示されませんが、Xanaduにはいろいろなリンクがあります。

WWWでは、リンクは基本的にページ単位です。ページ内に「アンカー」を指定しておくとページの途中にジャンプすることは出来ますが、せいぜいそこまでです。(このページで言えば、一番上に用意された目次で飛べる場所以外には飛べません)


Xanaduのリンクとは単にジャンプを意味するのではなく、「引用」です。引用とは、文章中に他の文章を埋めこむことですが、コピーとは違うものです。ただ、WWWには引用機能がないので、ジャンプとは違う、と言っても理解しづらいかもしれません。

先に、テッドの画像を「引用」しました。この文章は僕のサーバーに置かれていますが、テッドの画像はテッドのサーバーにあり、僕は全く管理していません。

このように、全く関連の無いものであっても、組み合わせて一つの文章のようにすることができる、というのが引用です。

WWW では、画像を文章内に埋め込むことができるため、画像だけなら引用が可能になっています。


そして、Xanadu は画像だけでなく、文章も1文字単位の任意の位置から、任意の長さで埋め込めるのです。

ユーザーは普段は「引用」を気にする必要はありませんが、引用部分の詳細が気になった時には、元の文章にジャンプして前後の部分を読むことだってできます。


引用は、単にブラウザの機能の問題ではなく、「一度出版された情報は永久に変更されない」というポリシーがあるから可能になる芸当です。

すでに紹介した版の管理も、特殊なリンクの形態と考えられます。ほとんどが以前の版の引用で、書き換える部分だけが存在しているのですから…


さらに、WWWでは、リンクは一方的に張るような片方向のものでした。しかし、Xanaduのリンクは双方向です。リンクを張ると、その先のページを読んでいる人にも「リンクが張られている」ということがわかるということです。

ある文章があって、そこに賛同や反論のリンクを張ることが可能…と考えると、これは結構恐ろしいことです。しかし、非常に有用でもあります。

版の管理が特殊なリンクであるということは、ある文章を読んでいる人は、双方向リンクによってその文章の「新版」や「旧版」も自由に取り出すことが出来るということにもなります。

強力な執筆環境

このように強力なリンクがあるのは良いのですが、これだけややこしいものを、WWWのように一生懸命タグを書いて制御しなくてはならないのでしょうか…?

もちろんそんなことはありません。Xanaduはもともと「閲覧のためのシステム」ではなく、「執筆環境」を目指して作られているのです。WWWとの最大の違いはこの点となります。

Xanaduでは執筆環境と閲覧環境の間に垣根はなく、出来上がりのイメージのまま執筆が可能です。


これは、著作権管理でコピーが出来ない、という問題に対する答えでもあります。

Xanaduで何か文章を書いていて、他の人の文章から一部を引用したくなったとします。

このとき、コピーしたい文章を「コピー」する操作をしたとすると、Xanaduは自動的にそれを「引用」として処理します。

執筆中の文章の中に、コピーした文章は確かに表示されます。しかしそれはコピーではないので、著作権には違反しません。コピーできないからといって使い勝手が落ちることもありません。


WEBサービスとの比較

(ここから、2014.6.28 追記)

このページを書いた頃(2001年)には WWW との比較で十分でしたが、現在では WWW もずいぶん様変わりしました。

上に書いた記述だけでは、誤解を招くようになってきたため、いくつか追記しておきます。


iframe

文章を埋め込む、というのは、iframe のようなものとは異なります。

WWW のブラウザでは、現在は iframe という「文章を埋め込む」方法が使えます。これは、ブラウザ内に別のブラウザを埋め込んで、よそにあるページを「丸ごと」表示するような技術です。


そのページの中に注目してほしいセンテンスがあったとして、Xanadu であればそのセンテンスだけを引用することで「注目」させることができます。

しかし、iframe ではそのようなことはできません。


引用サービス

BLOG の形式などで、気になった文面を「引用」して、クリップしておけるようなサービスが存在します。

ここでの「引用」は、単にコピーしているだけです。先に書いていますが、Xanadu では著作権管理のため、コピーの方法はありません。

Xanadu での引用は必ずリンクとなり、読者が元の文面に簡単にアクセスできるようになっています。


このため、恣意的に引用者の都合のよい部分だけを引用して、元文章の主張を捻じ曲げて伝えようとしても、たちどころにばれてしまいます。

コピーでは、引用元を示さないことも可能で主張を捻じ曲げる悪意が入り込む余地がありますし、そもそも引用だなどと示さずに盗用することも可能です。


先に書いた、BLOG での引用サービスなどの場合、元文章への URL 記載が必須の場合もあります。

しかし、それですら長いページのどこを引用したか示すことは通常できないため、読者がすぐに該当部分を知ることはできません。

もしできたとしても、引用先ページの喪失・編集によって位置がおかしくなるなど、各種問題を残しています。


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(ページ作成 2001-11-18)
(最終更新 2014-06-28)
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