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サターンとは関係ない話なのですが、ST-V のゲームは世界中で販売できることを前提に、非常にややこしいコイン設定に対応する必要がありました。だいたいのことは、システムの ROM がやってくれるんですけどね。


まずよくある設定、コインを1個入れると「CREDIT 1」となります。

300 円で1ゲーム、などの場合、1個入れると「CREDIT 0 1/3」のように、分数のクレジットも存在します。

その一方で、100円2ゲームのような場合は、1個入れただけで「CREDITS 2」となります。(複数形に変わったことにも注意)


…基本はこれだけなんです。話としては簡単。

コイン1個の価値が、何クレジットになるのか設定できる。


複数のコイン投入口がある場合、それぞれの投入口ごとにコインとクレジットの関係を定義することもできたと思いました。

テレビゲームの例ではありませんが、UFO キャッチャーとか、100円投入口と 500円投入口がありますよね。


これに対応して、分数クレジットは、たしか分母が 20 まであったように思います。

10円玉10枚で100円と同じ、という設定ができる。…駄菓子屋には必要なのかもしれませんね。


ちなみに、分数ではなく、整数部分の表記の「上限」は国によって異なります。

詳細は知らないのですが、国ごとの業界の慣習とか、法律によるものらしいです。

国内では最大9クレジット、アメリカでは最大24クレジットだったように思います。


なんかややこしくなってきましたが、まだあります。

「何クレジットでゲームスタート」という設定ができるのです。

2クレジット入らないとゲーム開始にならない、とかね。


…さっき分数クレジットあったから、2コインでゲームスタートなら、1コインを 1/2 クレジットとかにすればいいじゃん!


と思うのですが、そうではないのです。2クレジットスタートは、「スタートは2クレジットだけど、コンティニューは1クレジット」という設定にするためのもの。

この設定は、1クレジットスタートか、2クレジットスタートかの2種類しかありませんでした。


まったく、頭が混乱してきます。でも、これでまだ終わりじゃないんです。


最初に「100円で2クレジット」というような例を挙げましたが、上に挙げた機能だけでは実現できません。


このような設定は、ボーナスアダーによって行います。

ボーナスアダー5、といえば、5コイン入った際に、自動で1コインの追加が行われる設定になります。


UFO キャッチャーでよくある、「300円1ゲーム、500円で2ゲーム」と言う設定の場合、3コイン1クレジット、5ボーナスアダーとなります。


設定としては以上ですが、まだあります。


ST-V では、複数のコイン投入口が存在する場合に対応していました。


UFO キャッチャーの例では「300円1ゲーム、500円で2ゲーム」と書きましたが、100円投入口と500円投入口が付いていたりします。これが「複数のコイン投入口」です。

この場合は「コイン」と「クレジット」の関係がまたややこしくなります。ただ、お客さんから見て「500円1枚は100円5枚と同じ」でないとおかしいため、そのようなクレジット設定ができるようにしてあるのです。


さらに、いくつかの「席」があって、コインを投入した席ごとに別の「クレジット」をカウントする、と言うことも出来ました。

対戦筐体とか、古くは「ガントレット」や…ここはセガの「クインテット」が適切か…の筐体なんかがそうですよね。ST-V の場合、最大4つまでコイン投入口を設定できました。


この場合、各コイン投入口の設定は同じである必要がありますが、内部的な「クレジット」のカウントは別々に分ける必要があります。


この設定に対応する場合、当然ですがプレイヤーごとのクレジット表記が求められました。

詳細は、ST-Vサービスマニュアル(英語)を読むと書いてあります。




以上はシステム的な対応の話ですが、クレジット表記はお金に関することで非常に重要なため、ゲーム中での表記方法にもルールが定められていました。

ST-V のゲームを発売するときにセガで審査されるルールね。守らないとプログラムできない、と言う意味ではないのですが、守らないと発売させてもらえません。


・ブラウン管は周囲が見えにくいことがあるため、周辺2キャラ(16ドット)以内には表示を行わないこと。

・クレジット表記は、上部か下部に表記し、かならず CREDIT という単語の横に書くこと。

・CREDIT は、2以上の時は S をつけて複数形にするか、最初から CREDIT(S) と表記すること。

・先ほど書いた設定の数字を、過不足なく組み合わせて表示すること。

・席ごとのクレジット表記は、同じ列に横に並べ、席に対応した横位置で表示すること。


まぁ、納得できるルールです。しかし…


ST-V で作られたゲームが、3人同時に遊べるようにしたんだそうです。

ST-V の画面横幅は 320ドットですから、左右の 16ドットに表示しないようにすると316ドット。

これは 36キャラクター(文字)に相当します。


「同じ列に」と求められていますので、3人分を横に並べるとすると、一人分は 12文字。

間を区切るためにスペースも必要ですから、11文字と考えたほうがよさそうです。


ところで、ST-V の最大文字数のクレジット表記を書くとこうなります。


CREDITS 24 19/20


空白含めて 16 文字。これを 11文字のスペースに書かなくてはなりません。絶対無理。


…どうやって解決したのかは忘れました。


結局真ん中の人だけ列を1段下げた、って言ってたかな?

ルールは「わかりやすく表示」を細かく定めたもので、絶対それ以外はダメ、と言うものではなかったから。


各国の状況を考えてこういう設定になった、と聞いていたけど、ST-V 以外でこんなに複雑なの見たことないんですよね…

(業務用基板をそれほど知らないので、あるのかもしれないけど)


2015.11.8 ST-V のクレジット表記の話で「複数形」の話題に触れるのを忘れていたので、追記しました。


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(ページ作成 2014-10-10)
(最終更新 2018-01-23)

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