次世代ゲーム機戦争

目次

プレイステーション

解説:1991年の状況

サターン

ソニーの弱み

ナムコの立場

ソニーの広告戦略

クソゲーのしくみ


クソゲーのしくみ

その後、プレステは、とにかくゲームタイトルの数をそろえたいソニーの意向もあり、どんなゲームでも発売する傾向にありました。


ソニーとしては、音楽業界で「とにかく多くのアーティストを送り出し、逸材を発見する」という手法を取っています。ゲームでもこの手法を使い、どんなゲームでも発売する方向で動いたのです。

このような方法を取らないと世に出なかっただろうゲームもあります。パラッパラパーなんかはその一つで、あれがなければ後の「音楽ゲーム」ジャンルは生まれなかったでしょう。


その一方で、非常に出来の悪いゲームが乱発されました。

それまでゲームなんて作ったこともない人たちが作ったソフトには、面白いとか面白くないとか以前に、ゲームの基本を守れていないものもありました。


ソニーのゲーム広告を多数掲載していたファミ通ですら、プレステが好調の時に「クソゲーのしくみデラックス」(1996年6月28日号)という特集を組み、つまらないゲームが市場に氾濫していることに警告を鳴らしました。

(さすがに、大口スポンサーであるソニーを名指しで批判はしませんでしたが、何を言いたいのかは明確でした)


セガファンは当時、サターンの方が面白いゲームが多い、と主張していました。

それは事実かもしれませんが、負け犬の遠吠えでした。




サターンの話から脱線していますが、「業界の噂」ついでに…

「クソゲーのしくみデラックス」では、「クソゲーのアレ(仮性)」という漫画がついていました。


「取材をもとに、クソゲーが生まれるまでをマンガにしてみた。」「基本的には取材をもとにした本当の話」と解説されています。様々な、信じられないエピソードが展開されますが、すべて実話のようです。


空の色は紫がいいんだな~この中に「空の色は紫がいいんだな~」というセリフがあります。締切も迫り、ある程度ゲームも出来たので最後の調整に入るべく社長にゲームを見せたところ、社長が出す指示です。


ファミ通編集部からの解説としては『どうかしているとしか思えないが、ホントに土壇場でこういうことを言う人がいるそうです。いやはや。』。


同記事を読んだ人の心に深く刻まれているようで、ネットではしばらくの間、この言葉が「開発者の努力もむなしく、クソゲーが発売された」という文脈で使われました。


画像をクリックすると、漫画のその後数コマがみられます。
漫画はページ上 3/4 のスペースで展開し、下部 1/4 には「赤で書かれたセリフ」の解説がありました。



ところで、「こういうことを言う人」が誰だったのか知っています (^^;

まぁ、その意味ではファミ通の主張通り「本当の話」。


僕は直接聞いていないのですが、知っている人の発言でした。

そして、その発言の場に居合わせた人から後で(ファミ通で話題になってから)真相を聞きました。


元の言葉はすごくまともで、的確な問題点の指摘なんですよ。それが伝聞でいつの間にか「トンチンカンな発言」にされてしまった様子。

誰が、どんなゲームに対して言ったのかは、さすがに明かせません。でも、その匿名さんの名誉のためにも真相を書いておきたいと思います。


まず、当時はまだ2Dゲームが全盛。

綺麗なドット絵を描ける人は貴重な人材でした。ゲーム機の高機能化にしたがってキャラクターのアニメーションパターンも増え、絵のサイズも大きくなり、ドット絵職人の数が足りなかったのです。


そんな時に、3Dを扱えるゲーム機が出てきました。

これなら、ドット絵を描かなくてもゲームが作れます。プログラマーの技術力は必要ですが、ドット絵は人海戦術だったのに対し、プログラマーは「優秀なのが数人いればいい」のです。


でも、大事なことを忘れています。3Dゲームだって、テクスチャを描く必要はあるのです。

しかも、変形して表示されることが前提のテクスチャでは、従来以上の職人芸が必要でした。


「ドット絵が描けないから」という安易な理由で作り出された3Dゲームは、テクスチャがひどいものでした。

それを見せられたある会社の偉い人が言ったのが次のような内容。


「テクスチャの品質が低すぎる。

 たとえば、空だからと言って、水色でグラデーション作って白い雲を浮かべる、という紋切り型の考えではダメだ。

 空の色は時間によって異なる。赤かったり、紫色の時もあるし、雲の色も共に変わる。

 ユーザーは、そうした表現にこそリアリティを感じるものだ。もう少し絵の勉強をしないといけない。」


これ、言われた方は痛いところを突かれたので、ちゃんと描きなおしたそうです。…空だけ。

空以外のテクスチャにもダメ出しされていたのだけど、全部を描きなおすには時間も能力も足りなかった。


でも、ゲームは良いものに仕上がりましたし、ヒットしました。名前を挙げたら、聞いたことくらいはある人が多いゲーム。

世間的にもクソゲーだとはあまり言われていないと思います。


それが、なんでクソゲーを作り出す言葉にされたのかは、全く不明。

チームの中に真意を理解できない人がいて、誰かに「馬鹿な上司の言葉」として語ったのが、業界を回りまわって…というところですかね。




とりあえず、これで当初予定していた内容を書き切りました。

最初は、2013/10/29 の「メガドラ発売25周年」から記事を公開しはじめ、11/22の「サターン発売日」に今回の内容を公表して終わり、の予定でした。

でも、仕事とか忙しくなって、原稿のラフはあったけど途中で更新できなくなってしまった。

今年(2014)の「サターン発売20周年」には間に合わせたい、と更新再開して、なんとかなった形です。


じゃぁこれで終わりかというと、公開後にいただいた反響の中から、もう一つ取り上げたいものがあります。次回はそれを書く予定。

(なんとか、サターン発売20周年までにまとめたいが…)


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(ページ作成 2014-10-25)
(最終更新 2015-10-15)
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