興津  2003/3/12 17:00  「江尻」まで 4.1Km

この日は興津までで終わりにする予定でした。しかし、興津はもうすぐそこです。そして日はまだ明るい…

次の江尻まで歩くかどうかを妻と相談します。毎回毎回終了間際はこんな話をしていますが (^^;

明るいからといって歩いて何度失敗したでしょう。しかし、今回は前回の「原」とは違い、「江尻」…現在の清水です。日が沈んでも真っ暗闇とはならないでしょう。

話をしながらなんとなく道を歩いていて、ふと気付くと橋を渡り終えようとしていました。そこで急に思い出します。「しまった、この橋の前で写真を撮るのだった!」

広重「興津」現在の「興津」



妻に待っていてもらって、橋を走って戻り写真を撮ります。

この興津川の「渡し」が広重の描いた風景です。もちろん今は同じ光景は見られないので橋の写真を…と思っていたのですが、面倒になって橋の途中から川を撮りました (^^;

興津宿まではまだ 2kmほどあります。最初の頃には「宿場」の風景を書いていた広重も、由比といい興津といい宿場から離れた風景を描くようになってきたようです。…宿場風景だけだと似たり寄ったりなので、ネタに尽きてきたか?


箱根を越えて静岡県に入ったときは、旧東海道を示す標識があちこちに有ったので「旧東海道を観光の目玉にしている」と感じました。

薩た峠の手前まではずっとそのままだったのですが、どうも薩た峠以降は標識が貧弱です。妻が言うには「清水市はマグロで十分稼いでいるから、わざわざ観光で人を呼ばなくてもいいんだよ」 そのとおりかもしれません。

興津一里塚17時30分頃、興津の一里塚に到達します。…到達、というと予定していたみたいですが、偶然発見しただけです。

道端に急に石碑があったので写真を撮っていたら、買い物帰りの主婦が「なんでこんなところで写真を撮っているんだろう?」とでもいいたげに、怪訝そうな顔をして通り過ぎていきました。やはり、清水の人たちは旧東海道にはそれほど興味が無い?

まったく関係ないですが、なぜか一里塚跡の碑の上に薬のビン(中身入り)が乗っています。撮影時には実は気付いていなかったのですが、誰がこんなところに薬を置いていったのか…


一里塚を過ぎてすぐに、興津宿に入ったことを示す標識がありました。30分前の話に遡って、江尻まで歩くかどうかを考えます。

江尻まで歩くメリットは、次回の予定が立てやすくなること。…次回の旅はちょっといろいろやりたいことがあるんで…

デメリットは、すでに日が暮れかかっていることと、僕の足が十分に痛くなってきていること (^^; 前回箱根越え 40km では全然痛くなかったのに、今回はもうかなり痛いです。前から「アスファルトは固すぎて歩くのに向かない」と考えていたのですが、その考えは正しいみたい。

しかし、歩くことにします。たった4kmだし、できるだけ先に進んでおきましょう。


うなぎや洋品店興津はうなぎが名物らしいです。興津で終わりにするならうなぎでも喰おうかと思っていたのですが、これはあきらめ。まぁ、浜名湖もうなぎが名物なのでそのうち食えるでしょう。

そんなことを考えながら歩いていると、「うなぎや」の看板を見つけました。…近寄ってみると「うなぎや洋品店」

うなぎや なのか洋品店なのかはっきりしろ。



本物の高札この後、歩いていて目を引いたのは道沿いにあった一つの「高札」。旧東海道沿いなので高札に似せた看板などは所々にあるのですが、まさか本物が保存されているところがあるとは思いませんでした。

「定 一、魚鳥ヲ採ル事 一、竹木を伐ル事 右於境内令禁止者也 明治十年七月 静岡県」と書いてあります。


しかし、それ以外には特に紹介するようなものも無く、ひたすら歩いたので18時過ぎには江尻に到着します。

案の定というかなんというか、足のうらがものすごく痛いです。固いアスファルトに何度も打ち付けられているわけで、打撲の状態。


駅前で食事が出来そうなところを探します。なにか軽いものか、あっさりしたものがいいなぁ…。めぼしい店が無いので、清水駅のすぐそばにあった、居酒屋に入ります。

居酒屋「ます田」気のいいおばちゃん二人(40代前半&50代後半かな?)でやっている居酒屋のようでしたが、ここがなかなか絶品。清水だから素材も良いのかも知れませんが、どの料理もお手ごろ価格でとても美味しい。

ここで、やっと念願の「桜えびのかき揚げ」も食べることが出来ました。注文したら「それは新しい油で揚げるから時間かかるけど待っててね」って言われます。かき揚げはわざわざ新しい油で、という心遣いが憎いです。


美味しいお酒と料理常連客と女将が話をしているのをそれとなく聞いていたら、出入りの業者が「越の寒梅」を安く分けてくれたのだけど、とても店で出せるものではなく困っているらしい…。

常連客は「俺たちが飲むから開けてよ」とか言っていましたが、女将はとても飲ませられないといっていました。開けてくれるなら僕らも飲むのに。


越の寒梅…とても高い酒です。寒梅にもランクがありますが、一番手に入りやすいものでも一升2万円くらい。普通の酒の10倍くらいの値段です。
 日本酒はいたみやすいので、栓を抜いてしまえばその日のうちに売り切る必要があります。店で出すとしたら、売り切れないリスクを入れ、利益を上乗せして一合5千円くらいでしょうか。庶民の飲める酒ではありません。


19時45分、居酒屋を出て帰途につきます。駅の売店で「追分羊羹」を売っていました。昔からの清水の名物なので、「どうせただの羊羹だろう」と思いながらも購入。自宅のある大船までの切符は、ついに券売機では買えない距離となってしまいました。

今回の旅のデータ

旅行日時2003/3/12 5:30〜22:00
歩いた時間12時間 (うち、休憩1時間20分)
歩数(万歩計)約58500歩
歩いた距離およそ40km
交通費大船〜原 1450円*2
清水〜大船 2210円*2
食費朝飯(おにぎり) 703円
缶コーヒー2本 240円
チョコウェハース 105円
昼飯 蒲原館 1575円
夕飯 居酒屋ます田 4850円
お茶 150円
そのほか費用ボールペン 158円
いるかすまし 600円
追分羊羹 850円
費用合計16551円

いるかのすましは後日食べてみました。酒のつまみにはなかなかですが、人によって好き嫌いはありそう。

追分羊羹をただの羊羹(寒天で固めたやつ)だと思っていたのは間違いで、非常に美味しい蒸し羊羹でした。抑え目の甘さが非常に美味しい。

こんなに美味しいと思わなかったから、兄の家に遊びに行ったときに手土産にしたんだよね…ほとんど姪に食べられちゃいました (^^; また見かけたら買っておこう。

(ページ作成 2003-04-08)

前記事:由比     戻る     次記事:6日目:江尻
トップページへ

-- share --

0000

-- follow --




- Reverse Link -