14時少し前、高札場、一里塚跡を発見します。
どうやら、ここは白須賀宿の外れに当たるようです。白須賀に入ればなにか食事ができるところがあるのではないか…と期待していたのですが、普通の民家が続くのみで何もありません。
やがて、白須賀宿の案内板を見つけます。この先に急坂があり、そこを上ればいよいよ宿に入るようですが…
坂の手前に神社を発見します。空腹で元気が無いし、足も疲れたので少し休憩。今の気力じゃ急坂なんて登れません。
境内の奥の階段では、子供たちが遊んでいます。とりあえず神社の入り口の芝生にへたり込み、手持ちのキャンディーをなめます。こんなものでも、何も食べないよりはずっとマシ。
休みながらふと前を見ると、この神社の鳥居が不思議なつくりをしていることに気付きました。土台の石と、上部の木の鳥居を巧妙な技法で継いであります。
土台が腐りやすいので石造りの鳥居を考え、しかし資金がなくて上部は木にしたのかもしれません。普通はそういう時は、石の土台の上に普通に木の鳥居を建てると思うのですが。
東海道のガイドブックには特に載っていないような小さな寺ですが、道草したためにでおもしろいものを見られました。
15分ほど休憩した後、再出発します。
白須賀の入り口の急坂は「潮見坂」と呼ばれる名所です。急坂で山の中だというのに、坂の下には海が見えます。
広重が描いたのもこの風景。我々も、坂を上る最中に振り返って写真を撮りました。
…一番景色が良さそうなところは、家の新築工事中で景色が見られませんでしたが。
坂を登り切ると「おんやど白須賀」が旅人を向かえてくれます。
さっき休憩したばかりですが、妻がトイレに行きたいというので入ります。
「おんやど白須賀」は、観光客向けの地域紹介所と、地域住民向けの公民館を兼ねたような施設のようです。平日なので観光客は特におらず、館内では小学生二人が、トレーディングカードゲームで遊んでいました。
近所のボーイスカウトが、活動報告の展示会を行っています。僕も昔ボーイスカウトに所属していたので、こういうのはほほえましい。
なかなかトイレから帰らない妻を待ち、腰掛けて足を休めながら展示をぼーっと眺めています。
しばらくたって妻が戻って来ると、服装が変わっていました。汗に濡れたシャツが気持ち悪いので、着替えたとのこと。
いいなぁ、と思いますが、僕は妻ほど汗かきではないので、背中にいれていて吸汗用のタオルをゆすいで体を拭きます。これで随分さっぱりしました。
この施設、冷たい麦茶を無料で飲めます。無料とは言ってもボランティアで運営しているため、カンパを募っていますが。
行儀が悪いのですが、空になったペットボトルに麦茶を詰めさせてもらい、代金として100円をカンパしました。ペットボトル茶を買うと150円ですから、ちょっとありがたいです。
なんだかんだで30分近くも休憩をとってしまいました。出発したのは、もう15時近く。
ここらへんには外国の方が住んでいるか、もしくは歴史に興味のある外国の方がよく通るのかも知れません。
市が設置している「防災避難地」などの表示が、日本語・英語・中国語・フランス語・ポルトガル語の5か国語標記です。
避難地だけでなく、小学校の「立ち入り禁止」の掲示もそう。山間の田舎町なのに、ずいぶん国際的。
田舎だからこそ、昔の雰囲気は結構残っているようです。しかし、特筆すべきものもなく、あっと言う間に白須賀は通り過ぎます。
既に時間は15時半。いまだに昼ごはんを食べていないのですが…