用事があって街に出ようとしていたところ、テレビで興味深い話をやっていたので見てしまった。
「片付けられない症候群」の話だった。まぁ、最近良く聞く話だが何で片付けられないのかなーと思っていた。
しかし、話が続くにつれて、これは「記憶障害」の一種だと聞いて合点が行った。
記憶障害についてはずっと昔に NHKスペシャルで見たことがある。
それは、アメリカで重度の記憶障害をもちながら社長秘書をこなしている女性の話だった。
彼女は、持続的に記憶することが出来ない。話をしている最中ですら、何を話していたのか忘れてしまうほどだ。
しかし、それを自分の「個性」だと認め、さまざまな対処法を取るようになってからは生活で困ることはさほど無くなり、記憶力が重要な社長秘書までこなせるようになった、と言う話。
そんなことを思いながらテレビを見つづけると、「片付けられない」のも、直前にやろうとしていたことを忘れてしまうために片付けようとはするのだが最後まで出来ない、ということらしい。
これはADHDというもので、一昔前に学級崩壊が話題となったときには「のび太・ジャイアン症候群」という名前で呼ばれていた症状らしい。
Nスペの記憶障害とは微妙に違うもののようだが、どういう理由でそうなるのかも理解できて納得。
この症状では全体を見通して手順を考えることも難しく、なにかをやろうとしてもかならず「穴」が出来てしまうらしい。それが余計に「片付けられない」状態を悪化させているのだ。
片付けられないと言うのは単にものぐさなだけかと思っていたが、一番悩んでいるのは本人だと言う点でも、周囲の理解が必要な症状だろう。
見始めたときに心によぎった疑問が再燃する。
「なんで旦那は片付けないのだろう? 問題があるのは、奥さんよりもむしろ旦那なのではないか?」
…まぁいいや。見終わったのでテレビを消して街へ。記憶障害の人って大変だろうなぁ。僕はそうではなくて良かった。
街までは自転車で10分ほど。道半ばで思い出す。
「しまった、実家の住所わからない!」
父の日のプレゼントを贈るのが目的だったのだ。しかし、実家は僕が家を出てから引っ越しているので、実は住所を記憶していない。
仕方が無く、家まで住所録を取りに帰る。
ふたたび街へ。先ほどと同じところまで来たとき、「ここでまた忘れ物があったりしたら洒落にならん」と思い、用事を頭の中でチェックする。
問題ないはずなのだが、洒落にならんと思っているあまりか、なにか忘れている気がしてならない。まぁ、きっと気のせいだ。
デパートでうまそうな酒を見つけたので、明日到着になるように送ってもらう。
用事が済んだので、商店街で買い物をして帰る。
帰宅して、テレビを見ていたら髭剃りのCMをやっていた。
そこで思い出す。
「しまった、今日の本当の用事は、髭剃りの替え刃を取りに行くことだった!」
取り寄せていた替え刃が来た、と言う連絡が昨日あったのだ。それを受け取りに行くついでに、父の日のプレゼントも贈るつもりだったのだ。
その一番の目的を、まったく忘れていた。
…記憶障害の人って大変だろうなぁ。僕はきっとそうではないと思うのだけど…
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