目次
08日 おたふく
20日 続・おたふく
22日 続々おたふく
25日 土用に鰻を食べる理由
29日 続々々おたふく
長男がおたふくかぜ。
5月末日、朝「ここがいたい」と額関節の辺りを指差す。
このときは、なんだろう? 顎関節症か? と思ったが、様子見。
小学校から帰り、夜になって熱を出す。
あぁ、風邪で関節痛いことってあるよね、と、朝のは予兆だったと納得。
…で、翌日金曜日は休み。
日曜日になり熱も下がり、小康状態だな…と思ったのだが。
夜になり、熱も引くみたいだから明日学校に行けるように、と風呂に入っているときに「まだ奥歯のあたり痛い」と長男が言う。
あぁ、そういえばそれから始まったのだっけ…と改めてみると、以前より腫れている感じがある。
「ちょっと正面向いて」と、改めて正面から見て…ありゃ、これはおたふくかぜだわ。
1ヶ月ほど前から、保育園でおたふくかぜが流行り始めていた。
「保育園で」流行っているだけだったので油断していたが、実は地域の子供みんなに流行っているのだった。
(まぁ、当然だね)
翌日月曜日に医者にいき、晴れて(?)おたふくかぜという正式な所見を下される。
でも、この時点で熱もほとんど引いていたし、すぐ治るだろうと思っていた。
…夜からふたたび高熱が出た。
火曜日は朝から元気も食欲もない。夕方には少し元気が出たようだが、まだ耳下腺が痛いという。
水曜日、熱は小康状態で、本人も元気。ただ、学校に行けないのでつまらないという。
家で遊んでいたが…夕方になって、昼寝。そのまま皆が寝る頃まで寝ていて、すっきりした様子。
(もちろん、この後しばらく起きていて、僕が下の二人を寝付かしている間に妻が対応した。…僕は寝かしつけながら一緒に寝てしまった。妻よすまぬ)
木曜日は朝から平熱で、医者に行ったら「明日から学校に行ってかまわない」という。
で、今日は久しぶりに学校に行き、ずいぶん楽しかったらしい。元気に先ほど帰ってきた。
下の二人も予防接種はしていないのだよな。
潜伏期間はおよそ2週間。来週末かな…
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おたふくかぜの潜伏期間は約2週間。
…というわけで、きっちり2週間後の6月14日、長女が熱を出した。
発熱の時点でそれほど耳下腺は腫れていないが、すぐにおたふくかぜと気づく。
そして、おたふくかぜは回復におよそ1週間。
発症から1週間目の今日、小児科で「明日から保育園行っていいですよ」といわれる。
自宅で仕事しているので、子供が休んでいると仕事にならない。
長男は小学生なのでまだ聞き分けが良かったのだが、長女は「保育園いけないとつまんない!」と、ストレスからか奇声を発したりしていた。
#いや、ストレスがなくても無意味な言葉絶叫するのが好きだったりするのだが。
心配なのは、一緒に発症すると想像していた次女が発症しなかったこと。
…ということは、来週の木曜日あたりか…
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このタイトルは、次女が発症したら使う予定だったのだが。
おたふくかぜの治った長女、大喜びで、1週間ぶりの保育園へ。
友達と思いっきり遊んだらしい。先生いわく、いつもよりもテンション高めだったらしい。
そして、おやつの時間を過ぎた頃に発熱。38度越えで、電話がかかってくる。
興奮しすぎたことによる発熱だったようで、子供にはよくあること。
翌朝にはケロリと元気になっていました。
でも、病み上がりの疲れが原因なら休んだほうが良いだろう。
昨日は保育園に行くのをあんなに喜んでいたが…
本人の意向を聞いてみる。
発熱して早退したのは本人にとってもショックだったようで、今日はおとなしく家に居るそうだ。
ここ1週間、3年ぶりに「ドーラと一緒に大冒険」のビデオが大活躍。
長男が3歳~5歳の頃にすごく気に入っていたので、MX版のエピソードはすべて録画してあるのだ。
長女は今5歳。3年前に長男がテレ東版を見ていた頃には、ちゃんと内容を理解できていなかった。
ドーラって、5歳前後の子に「だけ」ウケル構造なのね。
以前の日記に書いたとおり、すごく良くできています。
長女も、テレビに向かって真剣に声を出しています。
次女も長女と一緒に少し見たけど、3歳児にはまだ難しいみたいで、声は出ない。
また2年後に活躍するかな。
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子供番組を見ていたら、「夏」から連想するものを集めたクイズのようなものがあった。
その中に、「土用の丑」という言葉が出てきて、イメージ映像としてうな丼が表示された。
7歳の長男の疑問。「土用ってなに?」
さて、なかなか奥の深い質問だ。
うなぎが高価になって庶民には手が出ない、とか騒がれているけど、何で土用にうなぎを食べるのか、そもそも土用とは何なのか、理解している人はどれほどいるのだろうか。
長男はポケモン好きなので、ポケモンのバトルで「相性」があることは知っている。
そして、そもそもこのポケモンの相性が、五行思想をベースに設計されていることは教えたことがある。
小学校2年生で、五行って木火土金水のことでしょ? って知っているのはそれほど居ないと思う。
もっとも、長男も言葉として知っているだけで、あまりちゃんとわかっているとは言いがたいが。
西洋には四元素論があった。
火水土風の4つが世界を形作っている、という思想だ。
RPGなどのファンタジーでも、4つの精霊が出てくることは多い。
4つの元素ですべてが作られているから、適切に混ぜ合わせれば、別の物質を作り出せる、と考えた。
金を作り出そうという錬金術もここから生まれたものだ。
錬金術の発達により、この思想は間違っていたことが明らかになるが、それはそのまま現代化学の基礎となった。
東洋には五元素論がある。これが五行思想だ。
四元素論は「すべての物質は四元素から作られている」と考えたが、五行思想はそれとは少し違う。
五行思想では、世の中のすべてのものは、五行で「分類できる」と考える。
あくまでも分類であり、混ぜたら別のものに変わったりはしない。
五行とは、先に書いたが木火土金水の5つだ。
中国では、人々が生活するところは「土」だった。
東に行けば海に近づき、豊かな自然が広がった。これは「木」だ。
逆に西に行けば砂漠だ。黄色い砂は「金」だ。
南は暑い。単純に「火」。そして、逆である北は「水」。
一説によれば、この方角観が五行思想のベースになった、といわれている。
五行は、それぞれ「強い」「弱い」「産み出す」などの関係がある。
水は火に強い、土は水に強い(水を吸収してしまうから)、木は土に強い(根を張るから)など、それなりの理由があるが、ジャンケンよりややこしい関係になっている。
そして、この相性はポケモンの相性のベース概念となっている。
以上の部分までは、以前に長男に教えていた部分。
今回教えたのはここから。
五行は季節にも当てはまる。
草が芽吹き、木が茂る春は「木」。
暑い夏は「火」。
稲穂が黄金色になる秋は「金」。
寒い冬は「水」。
さて、あまった「土」はどうするか?
これは、それぞれの季節の変わり目に入れられた。
だから、年に4回ある。
土を
この時期は体調を崩しやすいとされ、特に夏は栄養のあるものを食べる。
今では、夏以外はあまり「土用」を意識しない。
まぁ、小学生に教えるならこれで十分。
さて、なぜ「土用は体調を崩しやすい」のか。
先に、五行には「産み出す」関係もあると書いた。この順番は、木火土金水、の順になっている。
このとおりに進んでいれば、自然に生み出されるものなので、なにも問題は起こらない。
ところが、季節の変わり目に「土用」を入れると、話がおかしくなる。
夏から秋は「火土金」と進むので、順当だ。それ以外の季節は順当でなくなる。
特に深刻なのが春の「木」から「土」に進むときだ。木は土に強い。
新しく来る「土」の季節を、前の季節である「木」が阻もうとする。
四季の移り変わりは、自然の一部である人間にも当然やってくる。
体が「木」から「土」にうまく変われないせいで、体調を崩す、と考えられた。
この場合、「土」が木に対して弱いことが問題になっている。
そこで、体に「土」の力を蓄えることが重要、と考えられた。
五行はまた、主要な家畜も分類している。
土は大きく、動かず、力強いものである「牛」が当てられている。
つまり、土用には牛を食べることで、体調を整え健康に過ごすことができる。
ところで、十二支にもまた、五行が当てられている。「丑」は土である。
土の力を強めたいのだから、土用の中でも「丑」の日に儀式を行うと良い。
まぁ、実際のところ肉が貴重だった時代に牛なんて食べれば、精力が増しただろう。
暑くなり始めてて疲れを感じた頃に牛を食べれば、その後の暑い夏も乗り切れたと思う。
中国から日本に五行と陰陽が伝えられたのは平安時代。
平安時代と言えば、どちらかと言うと「陰陽道」の方がメジャーなイメージがある。
でも、五行も一緒に使われていた。
五行と陰陽を組み合わせると、組み合わせが「10」となり、十進法や「十干」と相性が良いためだ。
#先に「十二支」を書いているが、十干と十二支を組み合わせて「干支」(えと)と呼ぶ。
ところで、日本では、平安以前の飛鳥時代に仏教が伝来し、肉食禁止令が出されている。
もっとも、禁止されてもみんなこっそり肉を食べたりしていたようだ。
ただ、表向きは肉食禁止なので、「うし」と言ってはいけない。「うのつくもの」を食べるのだ。
さて、平安時代には貴族のものだった陰陽道は、江戸時代には庶民にまで広まっていた。
つまりは、夏前に「牛」をたべると良い、と多くの人が考えていた、ということだ。
江戸時代には戸籍制度はないが、「檀家制度」として事実上の戸籍が作られていた。
すべての家は、どこかの寺の檀家となっていて、寺では家ごとの家族構成を把握していた。
檀家になっているということは、すべての人が「仏教徒」だということにもなる。もちろん、肉食は禁止だ。
そしてもちろん、庶民はいろいろと言い訳をして肉を食べるし、坊主だって落語のねたにされる程度には食べる。
やはり、うしを食べるときは「うのつくもの」と呼ぶ。
土用の丑には「うのつくもの」を食べると良い、という習慣は、庶民にまで広がっていた。
ただ、うしは禁止されているだけでなく、高かった。庶民にはなかなか手が届かない。
いつしか、「う」が付けば何でも良いことになった。うめぼし でも、うり でも うの花でも。
しかし当然、こうしたもので精力が付くはずもない。単に「う」が付けばよい、というのでは、ただの まじない だ。
…と、ここまでの話が元になって、あとはよく聞いたことのあるストーリーとなる。
本来冬が旬であるうなぎを、なんとか夏でも食べてもらいたいと思ったうなぎ屋の主人が、平賀源内に相談する。
一計を案じた源内は、土用の丑の日に、うなぎ屋の前に「本日土用丑の日」と大書する。
この部分だけを紹介して「だから、土用丑の日に うなぎ を食べるようになった」という話が多いのだけど、これだけだと全く意味不明だ。
この話の裏には、上に書いたような長い前知識が必要なのだ。
というか、江戸の庶民は聞きかじりレベルではあっても、みんな五行説を理解していたのだ。
それでないと「本日丑の日」だけで「う」の付くものを食べようとは考えない。
この点においては、意味不明の(源内が~って)説明で納得してしまう現代人よりもはるかに知識レベルが高い。
ちなみに、うなぎ と うめぼし は「食い合わせが悪い」食べ物とされている。
この理由も「う のつく食べ物」としてバッティングするためじゃないかと思っている。
「食い合わせ」という概念は、貝原益軒が1712年に「養生訓」の中で提唱したものだ。ただし、ここでは「銀杏に鰻」となっている。
源内は 1728年~1780年の人なので、養生訓よりも後の時代であるが、おそらく「銀杏」が「うめぼし」に変わったのは、「う のつくたべもの」として うなぎ がメジャーになったためではないかと思う。
それ以前は、うめぼし が普通に食べられていたのだから。
今では鰻は夏に食べるものになってしまったけど、しらす不漁で値段が高い。
業界としては、通年商品にして需要を分散したいようで、「土用は年に4回ある」と、春の土用に一生懸命宣伝をしていた。
一方、牛肉業界は「丑の日に牛を」と売り込んでいる。
一般的には、鰻業界の宣伝のほうは「まともな主張」で、牛肉業界の宣伝のほうは「ただの駄洒落」に思われている。
でも、歴史的意義を考えると、むしろ後者のほうがまともだったりする。
まぁ、「まともであること」と、年に一度くらいは鰻食いたいという気持ちは別物。
自分は鰻好きなのでできれば食いたいが、余り高価なら無理して食べないでもいい。
その程度の情熱しか持ち合わせていない。
2013.8.1 後日追記
この日記を書いたときは、まだ鰻は「高いだけ」でした。
今では絶滅が危惧されています。
「食文化を残す」ことは大切だと思いますが、ならばちゃんとうなぎ屋に行きましょう。
スーパーや牛丼屋で手軽に済ますのであれば、絶滅に瀕している生き物を食べるべきではない、と思います。
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長男、長女に続いて、順当に(?)次女もおたふくかぜ発症。
長男は4週間前の木曜日、長女は2週間前の木曜日に発症した。
次女は昨日木曜日。きれいに2週間あいている。
おたふくかぜの潜伏期間は2週間と言われる。
あまりにも予想通りに発熱したので笑ってしまったほど。
小児科に行き、「おたふくかぜです」と告げる。
一応、学校保健安全法に定められた感染症なので、待合室とは隔離された部屋に通される。
しばらくしたら看護婦さんが来て、「一度来院して診察受けられました?」と聞かれる。
いいえ、と答えると「別のお医者さんで診断受けましたか?」と聞かれる。
どうやら、迷いなく「おたふくかぜ」と断言したことに対して、そう思った理由を知りたい様子。
兄弟が2人居るが、きれいに2週間おきに発症した、と答えたら納得してもらえた。
しかし、いくのが少し早すぎた。
まだ十分に耳下腺が腫れていなかったので、診断しかねたようだ。
一応、「まぁ、状況から見ておたふくでしょうね」と言うことになった。
今朝、明らかに耳下腺がはれ、次女も痛がっている。
これで晴れて(?)おたふくと断定。
これでまた、治癒に1週間かかるのだろうな。
次女は一人で遊んでくれないので、本当に仕事にならない状況に…
#長男・長女は、「仕事にならない」と言っても、効率が落ちるだけだった。
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