2004年01月24日の日記です


給与計算  2004-01-24 17:17:57  コンピュータ

自分の給料を変えることにした。


…お恥ずかしながら、以前に比べて収入が落ちているためだ (^^;;

まぁ、以前の収入が調子が良かっただけで、食うに困るような状況にはならない。



ところで、給料を変えるというのは気が重い作業だったりする。

僕は自分の会社の役員(社長)ということになっているが、役員は「報酬」であって「給料」ではないのだ。


どういうことかというと、給料というのは働いた結果で、報酬というのはあらかじめ決められたもの。

(もちろん言葉の意味は場合によって代わるのだが、ここではそういう意味だと考えてほしい)


給料は「会社が儲かったから多めに出す」(ボーナス等)ということも許されるが、報酬でそういうことをしてはならない。

1度変えたら、少なくとも半年はそのままにしておくつもりでいないといけないのだ。


そこで、まずは収支を綿密に計算する。

今後の予測も含め、どれくらい減らせば会社が赤字にならず、黒字過ぎないのか…


#別に赤字になろうが黒字になろうがかまわないのだけど、僕は将来家を買いたいので、経営している会社が赤字だとお金が借りられない可能性がある。

 黒字だと、税金をたっぷり持っていかれる。このときの税額は、個人の給料にかかる税金よりずっと高いのだ。



給料をいくらくらいにするか決めたら、次はこの給料にかかる健康保険料・厚生年金保険料(あわせて社会保険料と呼ばれる)、児童手当拠出金を求める必要がある。

これは、自分の給料が社会保険庁が決めた「標準報酬月額」の表に基づいて自分の給料から「標準報酬」を出し、その標準報酬を元に求めることができる。


言葉にするとややこしいけど、計算結果などをすべて書いた表が配布されているので簡単だ。



次に、社会保険料の半額を、給料から引く。

社会保険は、会社が半額持つことになっているからだ。自分の会社なので結局全部自分が払うことになるが、ここをきっちり計算しないと次の計算がおかしくなる。

ちなみに、「児童手当拠出金」は、全額会社負担なので、給料から引く必要は無い。



これで、「社会保険料控除後の給与」が求まった。この金額が、税金計算の元になる。

税金は給料にかかるものだが、給料の全額にかかるわけではなく、「必要経費」である社会保険の分は控除されるのだ。


つづいて、社会保険料と同じく、税額を計算する表を引く。


この表は、実は正確ではない。社会保険は「標準報酬」と呼ばれる代表点を元に金額が計算され、その代表点に近い給料は、すべて代表点にあるものとされる。

しかし、税金は、課税給与(控除額をすべて引いた後の給料)を元に計算するのが原則だ。

ただ、それはあまりにも面倒なので、表ではおおざっぱな値しか書かれていない。多少の誤差が出るが、この誤差は年に一度の「年末調整」で清算されることになっている。


まぁ、それは余談だ。ともかく、表を引いて税金を求める。

「社会保険料控除後の給与」から、さらに税金を引けば自分の手取り給料が求められる。


同時に、会社が支払う額も確定する。

社会保険料の半額と、児童手当拠出金を足したものを、会社は払わなくてはならない。


実際には、給料から差し引いた社会保険料と足し、社会保険料の全額と児童手当拠出金を毎月社会保険事務所に支払う。

税金については、しばらく会社で預かっておき、年に2回まとめて税務署に支払う。

(これは中小企業の特例で、大会社は毎月支払うことになっている)




ところで、税金は毎月の給料を元に計算しなくてはならない。

うちの会社の場合は、給料を固定給にしているので計算は給料を変えるときだけだが。


これに対し、社会保険料は「給料が変わった時」に変更される。

給料が変わった時というのはどういうことかというと、「以前の給料から2等級以上離れた給料が、3ヶ月続いた場合」だ。

(通常は残業だのなんだので毎月給料が変動するが、そのたびに保険料を計算するのはややこしいので、こういうことになっている)


つまり、僕の給料を今変えても、社会保険料が変るのは3ヵ月後だ。

その3ヶ月間の間は、社会保険料は変らないのに給料が変わるため、「社会保険料控除後の給与」も変る。

ということは、税金の計算も全部違ってくる。



そこで、給料変更時には、3ヶ月間の暫定措置となる給料も計算しなくてはならない。

3ヵ月後たって、やっと先に書いた計算で求められたものに変るのだ。




さて、ここまでの話で「ややこしい」と思った人も多いだろう。

でも、本当にややこしいのはここからの話だ。


実は、うちの会社からは妻にも給料を払っている。

妻にずいぶんと仕事を手伝ってもらっているからなのだが、仕事の割合としては僕のほうが多いため、妻の給料は僕の半額程度だ。


僕の給料を減らすだけでは、妻の給料と近づいてしまっておかしくなるので、妻の給料も減らす必要がある。



給料を減らす理由は、単純に「会社の収入がX円減ったので、支出もX円減らしたい」ためだ。

このXを、二人に振り分けて、かつ二人の給料がほぼ1:2となるようにしたい。



ところで、日本には累進課税と言う制度がある。

これは「儲かっている人からは多めに税金を取り、貧乏人からはあまり取らない」という、ありがたい制度だ。

(会社がうまく行っていないときには、本当にこれで救われていた…)


社会保険の額は給料にほぼ比例するのだが、税金はそうではないのだ。



さて、ここで問題。

社会保険や税金などの「国に取られる」お金を最小にするように、二人の給料を合計でX円減らして、かつ減らした後の給料がほぼ1:2になるようにするにはどうすればよいでしょうか?




非常に面倒くさい計算だ。

「儲かっている人からは税金を多く取る」という原則があるので、1:2というのを無視して二人の給料を近づけてみたりもしたのだが、実は片方を減らして「貧乏人からは取らない」を活用したほうが安くなったりもした。

でも、片方を貧乏にしすぎると、やっぱり「儲かっている人から…」という効果が働いて、国に払う金が高くなる。


ひたすら計算を繰り返し、理想的な給与額を決定したのだが、実はほとんど手計算で行っていた。

だって、計算に使用する「表」が多すぎて、どうプログラム化したものかわからなかったのだもの (^^;;





上の話は数日前の話なのだが、この後気になって計算のアルゴリズムを探していた。

社会保険料の計算表も、税金の計算表も、便宜のために作られているだけで、本当は計算式から求められているはずなのだ。


そして今日、探し出した資料を基にプログラムを作り、上のややこしい計算を処理するプログラムを完成した。



…だからどうしたって、別に意味は無いのだけどね (^^;;;

趣味で作って、なかなか面白かったから話に出してみただけで。


もう今回の計算は終わったので、次回給料を変えるときにでも使うことにしよう。




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