2018年02月06日の日記です


データバックアップ  2018-02-06 10:52:58  業界記

データのバックアップもまた、テクサポの仕事でした。

これらは、開発会社にとっては一番大切な「資産」だからね。


プログラマのホームディレクトリは、Sun ワークステーション上に置かれて NFS 共有されていました。

このディレクトリは、週に数回、テープにバックアップされます。

これは課長が cron で動くようにセッティングしていたので、特に触った覚えはありません。


#テープのセットだけ頼まれたくらいのことはあったかも。

 Quantum のを使っていたと思うから、 DLT (Digital Linear Tape) かな…




デイリーなバックアップとは別に、プロジェクト終了後の永久保存用バックアップもとります。


プログラムは、上に書いてあるように NFS に入っているので、ソースファイルのディレクトリを聞いて保存するだけです。


グラフィックは NFS 共有していなかったので、プロジェクト終了ごとに各マシンからデータバックアップを取りました。

3Dゲームの一式とかになるとデータが膨大過ぎるので、不要なもの(元データから機械的に生成できる中間生成物など)は消してもらって、ディレクトリごと保存します。


僕がこれらの作業をする頃には、3Dゲームが当然になっていましたが、とにかくデータが大きい…

後で何かあった時に再利用するのがバックアップの狙いですから、無圧縮で保存することになるのですが、CD-R に焼くとデータだけで4~5枚になります。


データ損傷に備えて2枚づつ作ったので、結構な枚数になります。



セガには「セガ純正 CD-R」というのがあって、サターンのマスター作成なんかに使うのですが、最初はそれを使ってバックアップを作っていました。

でも、このディスク、1枚千円くらいするんだ。


ゲーム1本のバックアップを作ると、それだけで1万円とか行きます。

なんかもったいないから、秋葉原で生ディスク探してきて、と言われます。


#当時は CD-R はまだ新しいメディアで、売っている店が少なかったのです。



秋葉原に行ってみると、10枚組で3千円くらいだったかな…

とにかく安いのがあると判ったら、課長が会社の近くでメディアを売っている店を見つけてきました。


それでも、歩いて30分くらいかかる距離だったけど、時々 CD-R を買いに行かされました。

行くときは途中で買い食いしたりして、お使いもそれなりに楽しんでました。




古いゲームのバックアップの「メディア更新」も行われました。

PC98 用の 5.25inch ディスクにバックアップされた古いゲームのソース一式を、CD-R にコピーするのです。


スペースハリアーとか、アウトランとかのソース一式もあったと思います。

1つのゲームに対して、フロッピーで4~5枚、大規模なものでも10枚程度だったと思います。


だから、昔すごいと思ったあれやこれのゲームも、30本で CD 1枚とか、そんな感じ。

こちらも、データ損傷に備えて2枚づつ作ります。



先に書いたように、その頃の「最新のゲーム」なら CD 4~5枚。

この容量の差が、そのままゲームの発展の歴史です。


これらのゲームソース一式は、頑丈なジェラルミンケースに収められ、課長の席の後ろに置かれました。

そして、「火事などの大事があったとき、とにかくこのケースだけは持って逃げるように」と厳命されました。




基本的に 20 年たった話で書いていますが、2001年頃の話を…僕がセガをやめた後の話です。


ネットで知り合ってリアルにもあったことのある、フリーのプログラマーさんがいました。

その後疎遠になっていたのですが、ある時街でばったりと出会いました。


なんとなく、お互いのその後の話になったのですが、セガを辞めたというと、その方が「セガの仕事を受けた」というのです。


2002年にセガから発売になった、PC 用のスペースハリアーのタイピングゲームを作っていたのです。

というか、話をしていた段階で「すでに完成しているのだけど、セガにそれを言えない」というのです。


なぜなら、作成に際して提供されるはずのドット絵などの各種資料が提供されていないから。


サターン版の CD から解析してデータを手に入れてしまい、完成しているのだそうです。

だけど、それはリバースエンジニアリング。法的に微妙な問題をはらみます。

だから、資料提供までは、何も手を付けていないふりをしていないといけない…と。


#リバースエンジニアリング(製品を分解・解析して情報を得ること)は、違法行為ではありません。

 しかし、当時は「知的財産権の侵害であり、違法行為である」という世論が強くなっていました。



依頼主は AM2研でした。

そして、AM2研の担当の人が探しているのだけど、スペースハリアーのソース一式が見当たらないのだそうです。



…それ、AM1研にあるから。

テクサポ課長の机の後ろに、ジェラルミンのケースに入った CD の中に入れてあるから。



『スペースハリアーは古い作品で、当時は1研も2研も分かれてないですよね。

 念のため、1研の方に連絡を入れて調べてもらえないでしょうか』


と、次に AM2研の担当者にあった時に伝えてみてください、とアドバイスして別れました。


その後どうなったかは知りませんが、ゲームは無事発売されたようです。


…そして、評価低いですね。




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