2020年07月13日の日記です


【書評】またたびさんの事件ログ  2020-07-13 17:15:18  その他

あ、ふと気が付くと、今月も半ばだというのに日記書いてない。

何か書こうと思っても、最近家の外に…雨続きなので庭にすら…出ていないので、大した話題もない。


というところで、そういえば最近面白い本読んだので書評でも書こう。




情報系女子またたびさんの事件ログ。今のところ全二巻。


Amazon Kindle unlimited で無料で読めました。

だから読んだのだけど。


(無料とはいってもサブスクリプションの代金は払っているし、作者の方にいくばくかのお金は行くはず)



大学の情報科を舞台としたミステリー小説です。

もっとも、ミステリーといっても本格的な推理などがあるわけでもなく、「ミステリー風小説」といった方が良いかも。

2冊ともそれほど長くもないし、気軽に読める内容です。



そして、たぶん読む人をすごく選ぶんでしょうね…

理系大学の出身者なら、ある程度「懐かしい」感覚に浸れるかも。


僕の場合、情報科学科の出身で、研究室では人工知能なんかも扱ってました。

友人の研究室は画像解析なんかもやってました。


この小説の舞台は、情報理工学部の研究室で、人工知能などを扱っていて、画像解析などもやってます。

僕の大学当時と今では、技術レベルは雲泥の差なのだけど、一応その後の進歩も知ってはいるので楽しく読めました。




1冊目の舞台は、学祭の直前。


泊まり込みで準備しているサークルもあるし、サークルごとの「展示スペース」の奪い合いもあったり、学内が混沌としながらも楽しそうな雰囲気がうまく描かれています。


一方で、「探偵役」の、通称「またたびさん」は、研究室に引きこもっています。

凄く頭の良い天才なのだけど、人と接するのが苦手で、歩いて1分の学食まで出ていくのも嫌がる。


彼女は、自分の作ったロボットを唯一の「友達」だと公言し、そのロボットに学食から食事を運んでもらっている状況です。



そんな「部屋から出ない安楽椅子探偵」のまたたびさんの代わりに、あちこち走り回って実際の事件を解決するのは、主人公の さくら君。

先輩である またたびさんにこき使われています。



事件の発端は、学祭を中止させようとする「破壊工作」に、さくらくんのクラスメイトが巻き込まれたこと。

彼は無罪を主張しており、犯行現場を撮影したとされる写真は、どうやら偽造されたもの。



ここで、画像解析の出番ですね。

情報科学の知識が駆使され、話が前進します。


こうした「知る人ぞ知る」知識で話が進むので、ミステリではない。ミステリ風なだけ。

だって、読者が知らないことが推理の前提になっているのだから。



さくらんくん、またたびさんにこき使われるだけでなく、事件を追う中で知り合ったいろいろな人にこき使われます。

パシリ体質。頼まれたらいやと言えない性格。


困った時には またたびさんに頼り、事件の真相に迫っていきます。




2冊目も同じような構成。

こちらは、人工知能研究していた研究室で、ロボットアームが「あり得ない」動きをしたために怪我人が出ます。


ロボットアームには安全対策が何重にもなされていて、そんな動きをするはずがない。

でも、実際に監視カメラに事件の瞬間が写っている。


人工知能が人間に反乱を起こしたのだ、とか言い出す輩も出始めて、研究室は一時的に閉鎖されてしまいます。



しかし、この件に関して またたびさんは非協力的。

「自分はこの事件について何か言う資格がないから」と…。


1冊目では、少し理解できる部分もありながら基本的に「変人」だったまたたびさんの人物像が、徐々に明らかになってくる話です。

人付き合いは苦手かもしれないけど、すごく優しい一面が明らかになってくる。




またたびさんが変人すぎて、ちょっと現実的ではない。


でも、2冊目を読み終えた時点で、すごく魅力的なキャラクターに思えてきます。

この続きをもっと読みたい。



情報系女子…とタイトルにもあり、お話の中でも「リケジョ」と呼ばれるところが度々出てくるのですが、一方で作者さんがこの言葉を嫌っているのもわかる。


うん。僕もこの言葉嫌い。

事実として理系の女性は珍しいのだけど、この言葉はその珍しさにレッテルを張り、差別しているだけに思える。


このお話の中では、またたびさんは「女性」ではありますが、女性らしさを出すようなところは特にない。

学問に性別は関係ない。彼女は天才で、ただ淡々と知識を披露し、事実を解き明かしていく。


「リケジョ」なんて言葉が出てくるシーンでは、この言葉が空虚であるように描かれています。


そして、お話の中でも、またたびさんが女であることを意識させるような箇所はない。

主人公のさくら君は男で、またたびさんは女なのだけど、恋愛に発展しそうなところは一切ありません。


この関係性が非常にいい。理系大学の研究室として、普通にありそうだから。




現在この2冊だけのようです。5年間、続巻はありません。


ネットで情報探したけど、書評書いているような人も少ないみたい。



ラブコメにもならないし、理系大学の雰囲気わからないと楽しめないかもしれないし、もしかしたら情報科学に興味がないと面白くないかもしれない。


ターゲット狭すぎたんだろうな…僕にはすごく面白かったのだけど。




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