2022年07月13日の日記です


大学の時の話  2022-07-13 16:04:08  その他

唐突に思い出したので、大学の時の話を書きたい。


安倍元総理の射殺事件がらみで、動機の一つとして、ある宗教団体の存在が取りざたされている。

犯人の母親が、20年ほど前に入信して全財産を寄付してしまい、破産したことを犯人が恨んでいるそうだ。


その動機は今はどうでもよくて、ネットではカルト宗教についていろんな話が出ている。

カルト宗教は決して遠い存在などではなく、どこにでもいて、あなたを入信させようと誘ってくる。

大学なんかにも必ずサークルのふりをして存在している…という話。


で、自分の大学時代の話になるのだが、先輩がそういうサークルを片っ端から潰して回ったことがあった。




元々、僕の通う大学にはそういうサークルはなかった。

「存在を知らなかった」ではなく、なかったと断言できる。


今回の話の主人公…M先輩、と仮名で書くが、M先輩によれば大学職員に頭の良い人がいて、カルトや政治主張を持つサークルは、いろいろと理由をつけて作らせないようにコントロールしていたのだそうだ。


ところが、僕が3年に上がるときに、その職員の人がいなくなった。理由は知らないが普通に転職したのだろう。


仕事を引き継いだ職員の人は、サークルの設立届がでれば、書類に不備がなければ認可した。

結果として、あっという間にカルト宗教や政治主張のある団体が背後にあるサークルが乱立した。





大学内の施設として、「ラウンジ」というものがあった。

イスとテーブルが置かれた広間なのだが、いくつかの個室も付随していて、あらかじめ予約して置けば大学の関係者であれば誰でも使うことができた。



その管理は本来大学職員の仕事なのだが、学生に委託されていた。

委託されているのは「ラウンジ委員会」。その一員であるM先輩は、大学職員とも親しかった。


大学職員側が、カルトや政治団体がサークルを設立したことに困っていた。

一度認可してしまった以上、理由なく認可を取り消すこともできない。


以下、これらのサークルは「危険サークル」と呼ぶことにする。


そうした危険サークルは、設立されて間もなく、実績も持たないため、部室などの活動場所も持たない。

通常は、申請さえすれば誰でも使える「ラウンジ」で活動することになるのだが、まずは理由をつけて、ラウンジを貸し出さないようにしてほしい、というのが職員側からM先輩へ…および、ラウンジ委員会への要望だった。



危険サークルに貸し出すな、というのだから、どのサークルがどのような団体と結びつき、実際にすでにどのような活動を行っているから危険、という情報もあった。

なるほど。新年度になってから3か月くらいだったのだが、その間に10くらいの危険サークルが設立されていた。




まずは、何かと理由をつけてラウンジを貸し出さない。


と言っても、実際には部屋が空いていることは多い。危険サークルのいくつかは、貸出手続きを行わずに勝手に部屋を使用した。

ラウンジは学生の出入りが多く、その一角の部屋であれば勧誘に使いやすいのだ。


それらを発見すると、使用していた証拠を押さえたうえで、大学職員に対して書面で申し送りをした。


「ラウンジ委員会として部屋の管理をしているが、申請もないのに勝手に使った団体があり、業務に差しさわりがあった」という報告だ。書面で送るのは、正式に記録として残すため。


そう、勝手に使われて業務差し障ったのだ。その部屋は、別の団体が借りており、ラウンジ委員会にクレームが来た。


空いていた部屋でも必ず、借りていたのに、とクレームが来るのだ。

ラウンジ委員会に残っている予約帳簿には、数日前にちゃんと他の団体が予約を入れた書面が残っている。


だって、M先輩はラウンジ委員会の人だからね。書類なんてどうにでもなる。


その危険サークルには大学職員から注意が行く上に、ラウンジを勝手に使用したペナルティで、当面の間ラウンジ使用の申請ができなくなる。




しかし、ラウンジを使わないでも、空き教室はたくさんある。

人を誘い込んで勧誘するのは少し大変になるが、ラウンジを使わないでも勧誘活動はできるのだ。


ラウンジ委員会は教室までは管理していない。

空き教室を使うには大学職員に申請を出さないといけないのだが、逆に「ラウンジ委員会のペナルティ」からは逃れられる。


当然、大学職員は何か理由をつけて貸さないのだけど。


そして、やっぱり勝手に使用する団体が出てくる。

そういうのを見つけたら、やはり何かと理由をつけて「迷惑した」団体が現れ、書面でクレームが上がる。


度重なるルール違反をした危険サークルは、もう解散を命じるだけの立派な理由がある。



かくして、秋ごろには設立された危険サークルはすべて解散に至った。


多くの人は、学内にそんな危険な状況があり、暗躍したM先輩によって平和が保たれた、なんてことを知らない。


ちなみに、M先輩は僕の所属していたコンピューターサークルの先輩でもあり、僕は「迷惑した人」として名義貸ししたりした。

暗躍し始める当初から話を聞いていたので、これら一連の情報を知っている。


この時に、普通の大学にはこうした危険サークルはたくさんあるのだが、僕の通っていた大学は「守られていた」のだということも知った。




しかし、残念な後日談がある。


大学時代が平和に過ごせたとして、社会に出れば危険はもっとあるのだ。

大学時代に「危険が一切ない」状態だと、そうした危険に対する警戒心すら育たない。



コンピューターサークルの同期に、卒業後にマルチ商法にハマってしまったやつがいた。

卒業して数年後に、僕のところ電話をかけてきて「久しぶりにあわないか」なんて言うから出掛けて行ったら、見事にマルチだった。


本人を問い詰めると、僕が最初の勧誘とのことだった。


そのころはまだパソコン通信の時代だったが、コンピューターサークルの仲間が集まるBBS(ネット掲示板)があった。

そこに、誰とは特定せずに「最近友達に誘われて出かけたらマルチだったので、皆気を付けるように」という内容を書いた。


ついでなので「マルチはこんな内容で面白かった」と、勧誘会の詳細も書いて送った。

同じ勧誘会に誘いづらい状況作ったのだが、その後誰も誘われることは無かったようだ。


勧誘してきたやつとは、その後会っていないし、サークルの集まりなんかにも出て来ない。



もうひとり。同じサークルの後輩の女の子は、卒業後に今回の事件で話題になっている「ある宗教団体」に入信し、本部のある国に移住して結婚してしまった。

(その宗教団体が行っている、合同結婚式に出たのですね。見知らぬ信者同士が神の導きで結婚する儀式。)


もちろん、その後の連絡先は不明。今何をしているのかも知らない。



大学のサークル仲間という、それほど人数がいない中で、2人もそういう人がいる、というのは「大学時代に危険を学ばなかった」ことの弊害ではないかな、という気もする。


危険から守られるのは良いことなのだけど、危険を認識し、警戒する方法を知るのも大切だ。





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