目次
10日 マイナンバーカード
15日 X68000 Z
24日 プリンタ不調の顛末
マイナンバーカードを作った。
少し前の政府広報によれば、もう半数近くの人が持っている、ということなので今更書くほどのことでもないだろう。
一方で、政府がさんざん力を入れて普及させようとしているのに、まだ「半数近く」、つまり持っていない人の方が多い、ということでもある。
僕は特にマイナンバーに反対ではない。
気軽にもらえるのであれば、さっさとカードを作っていたと思う。
でも、もらうための手続きが何かと面倒くさいので、その面倒を超えてまで入手するメリットが見いだせなかった。
また、マイナンバー自体に反対ではなかったのだが、カードをめぐる政府方針がぶれまくっているのには、不信感を持っている。
マイナンバー導入時には、これは個人情報であり、厳重に管理するように、と政府の人たちは言っていた。
その後、マイナンバーカードができたときも、役所などの手続きで必要な時以外は厳重管理、だった。
それがある時急に一転する。
せっかく作ったマイナンバーの制度を活用するために、民間でも会員証などとしてマイナンバーカードを活用しよう、となったのだ。
つまり、マイナンバーを積極的にお店などに見せ、これは個人を特定できるものなので、個人に紐づく会員証やポイントカードとして利用できるようにしよう、というのだ。
それまで、個人情報だから人に見せないように厳重管理、と言っていたのは何だったのか。
国会答弁でも野党が追及し、担当大臣は「見せてはならない、というのは普及期に皆が不安がっているので、それなら見せない方が良いでしょう、と案内しただけで、嘘だった」と言い切った。
技術者として書かせてもらうなら、これは本当だ。
マイナンバー制度は、個人を特定できる番号を設定する、というだけのものにすぎない。
今までだって、住所や名前で個人は特定できた。これを番号にしただけ。
ただ、住所などは変わる場合があるが、マイナンバーは基本変わらない。
だから、情報検索がしやすくなる。それだけのことだ。
情報検索できたとして、そのデータの「閲覧」にはそれなりの権限が必要になる。
これも今まで通り。
マイナンバーが分かったからその人のデータを自由に入手できる、なんてことはない。
セキュリティは確保されているのだ。
しかし、当初の説明をあっさり覆した、というのは非常に印象が悪い。
その後、再度マイナンバーカードは厳重に管理するように、と説明するようになった。
厳重に管理しながら活用してもらうために、専用カードケースなんてものをつけて配布されるようになった。
ケースと言っても薄いビニール袋なのだが、個人情報のところに塗りつぶしがあり、ケースから出さない限り個人情報が見えないようになっている。
非接触ICカードとしてはそのまま使えるし、顔写真も見えるので本人確認には使える。
ただ、このケースがあるせいで、普通のカードよりも大きくなってしまう。
財布などについているカードホルダーに入れることができず、持ち歩きにくい。
カードサイズにしたのは、持ち歩きやすくするためだ。
しかし、「重要なので家に置いとく等厳重管理」と最初に言ってしまった。
それを、再度持ち歩いてもらうためにカードケースをつけたが、それによって通常のカードサイズよりも大きくなってしまい、持ち歩きにくい。
いったい何をしたいのか。
さて、話を戻そう。カードを作ろうと思ったのは、9月の頭だった。
9月末までに作れば、2万円分のポイントをくれる、となっていたからだ。
もっとも、作ろうと思っている間に、「12月末までに延期」となった。
先に書いたように、いまだに半数以下の人しか持っていないので、キャンペーン期間を延長したのだ。
とはいえ、9月上旬には手続きをした。
この手続きはスマホで簡単にできた。
一番面倒なのは写真を撮ったことで、自撮りするわけにもいかないので妻に頼んだ。
申請データの不備があれば1週間以内にはメールで伝える、とのことだったが、特にメールは来なかった。
…そのまま、何の連絡もない。1か月近くが経とうとしていた。
実は不備があって、それを伝えるメールがどこかでロストしたんじゃないか、とさえ思い始めた。
そこで、きっかり1か月目の日に、お問い合わせ窓口として示されていた電話番号に電話してみた。
機械音声で、案内される番号を押してメニューを選んでいく方式だった。
まぁ、それは構わない。
しかし、申請の案内の紙には「申請に関するお問い合わせはこちらの電話」と書かれていた番号なのに、案内の中に「申請に関するお問い合わせが」が存在していない。
一体どういうことなのか。
メニューを最初からもう一度聞き、一番近そうだと思う項目を選ぶ。
そうしたら、その中に「申請に関するお問い合わせ」があった。
これを選んだら、その次の案内音声が長い。
諸注意事項をいろいろと喋り、その中に「申請から案内まで、現在1か月少々お待ちいただいています」という部分があった。
…なるほど。これで解決してしまった。1か月で電話するのは、まだ早かったのだ。
あと「少々」の部分が必要だった。
しかし、そのまま聞いていたら「担当にお繋しますので、そのままお待ちください」と言われた。
お待ちくださいなので、待つ。人間に替わった。
どのようなお問い合わせですか、と聞かれたので、今の案内で解決してしまったが、1か月たつので不安になって問い合わせようと思った、と伝えた。
優しいことに、申請番号を元に状況を調べてくれた。カードは完成し、地方自治体への発送は済んでいるそうだ。
あとは、自治体が僕に案内を出す部分で滞っているのだろう。
それから3日しないうちに、案内が届いたと思う。
役所に行って、本人確認をしたうえで受け取らなくてはならない。
代理人でも受け取れるが、非常に手続きが面倒になる。本人が行くべきだろう。
予約を入れる。ここは自治体によって異なるだろうが、20分に一人の枠しかないようで、直近は埋まっていた。
2週間くらい後の平日の15時ごろに空いていたのでそこに予約を入れる。
…普通、仕事している人はいけない時間だよね。そういう時間しか空いていないのだ。
まぁ、受け取ってすぐ終わりだろう、とおもったら、実際 20分くらいかかった。
大切なものなので、口頭での諸注意が一番時間がかかる。
あらかじめ書類などをよく読んでいったので、知っていることを延々説明されただけ。
そのうえで、専用機を使って本人がパスワードを入力し、マイナンバーカードの IC に書き込んだりする作業もあった。
この専用機、パスワード入力キーボードが ABC 順だ。QWERTY にできるようにしてほしかった。
さて、ポイントをもらおう。大臣は「金で釣って作ってもらうのは下策」と言ったが、もらえるものはもらっておく。
ちなみに、大臣はその後「マイナンバーカードに保険証機能をつけて、保険証は廃止」という策を打ち出した。
マイナンバーカードを持っていない人は医者にも行けなくなる、という「脅し」によってカードを作ってもらおうということらしい。脅しは下策ではないんだ。
ポイントをもらうためには、スマホにマイナポイントアプリを入れて、そのアプリで行うらしい。
しかし、僕のスマホには、このアプリが入らなかった。
確認すると、Android 端末の場合、DoCoMo / AU / Softbank の3大キャリアから発売された端末にしかアプリが対応していないらしい。
いわゆる「SIMフリー端末」を使っている人はここで門前払いだ。
そういう場合は、コンビニなどに置いてある機械でも手続きできるという。
面倒くさいけどコンビニ行くか。
これが案外時間がかかった。
自宅で仕事してるから、コンビニ行くこともあまりないんだよね。
先週末、食材の買い出しの際にセブンイレブンにより、セブン銀行 ATM で手続きを行う。
これで、ポイントの内、「カードを作った」「保険証としての利用を申し込んだ」の2つでもらえるポイントは、もらえる。
もう一つ、「公金受取口座の登録」でもらえるポイントがあるのだが、これはこの ATM 出はできないので、「マイナポータル」という WEB ページで作業してほしい、と案内が出る。
そうですか。WEB ページなら、家に帰って PC でやろう。
数日たって、公金受取口座登録やらなきゃ、と思い立って WEB ページを探してみる。
すると、PC で手続するか、スマホで手続するかと選択画面が出た。
PC の場合、別途 USB 接続のカードリーダが必要らしい。
じゃぁ、スマホで、と選ぶ。
スマホのアプリをダウンロードして使ってね、と案内が出る。
マイナポータルアプリ、というそうだ。
で、例によって使えない。3大キャリアから発売された端末でないと…
じゃぁ、仕方ないから PC で、と選んでみる。
よく読んでみると、必ずしもカードリーダは必要ではないらしい。
その場合は、マイナポータルアプリを使って認証して…って、そのアプリが入らないのだからこの方法は使えない。
カードリーダーを使う場合も、Windows にアプリを入れたうえで、Chrome のプラグインも入れないといけないらしい。
え、やだ。気持ち悪い。仕事でつかっているマシンに、得体のしれないプラグインとか入れたくない。
さらに調べると、役所などに端末が置いてあり、その端末で申し込むこともできるらしい。
そうか。じゃぁその方法を使うか。
と調べてみると、僕の自治体の場合は本庁(家から車で30分以上かかる)まで行かないと端末がない上に、その端末は「2021年6月まで置かれています」と書かれている。
すでにないじゃないか。
期限を区切っているのは、公金受取口座の申し込みなので銀行窓口でもできるようにする予定だったため、のようなのだが、こちらは来年夏に開始予定だそうだ。
ひとまず、詰んだ。
なんだこれ。ポイントもらえるよ、と釣っておいて、実際には渡すつもりはないという詐欺か。
その後、さらに調べたら「マイナポータル」アプリは、本当に WEB ページの入り口に使うだけで、個人との紐づけを行わないと分かった。
紐づけがないので、毎回ログインする必要がある。
でも、「他人の端末」を使ってもマイナポータルに入れるので、それで申請を行えばいい。
家に、仕事で使うために買った iPhone がある。
普段は妻がゲームに使っているが、ここにマイナポータルを入れてアクセスしてみる。
…あれ? 申請の途中で動かなくなった。なんだ?
ネットで情報を調べると、iPhone のマイナポータルアプリは非常に不安定で、頻繁に動かなくなるそうだ。
本体リセット直後なら大丈夫なので、リセットしてからやると良いらしい。
実際、それでうまく行った。
マイナポータルアプリ、Android 版はわずかな機種でしか使えず、iPhone 版はバグだらけ、と。
カードリーダーをつなげた Windows で使うための「Windows 版」もあるのだけど、これの出来は知らない。
しかし、先に書いたように入れるのが気持ち悪い、という気持ちが強くなった。
まぁ、なんとかカードを作って、ポイント申請まで終わった。
カードを作ろうと思ってから、すでに2か月が過ぎている。
マイナンバーカードを12月末までに申し込めばポイント申請できることになっているのだけど、その申請も2月末まで。
あー、これ、ポイント申請全部終わらすのに2か月くらいかかるというのはわかっているのか。
最初に書いた通り、僕はマイナンバーに反対ではない。
80年代から「国民総背番号制」なんて言われながらも、導入しようと頑張ってきたのを知っているし、実際これによっていわゆる「お役所仕事」と言われる効率の悪さはかなり改善されるのだろう。
役所の内部都合、という側面もあるが、全体としては良いことだ。
しかし、現状の制度設計にはかなり疑問がある。
全体に、カードを取得しよう、活用しようと思う人に対する「やさしさ」が足りない。
政府方針がころころ変わったり、電話案内が分かりにくかったり、アプリが使い物にならなかったりする点も含めて。
元ゲーム屋だから、こうしたユーザーに対する、総合的な意味でのユーザーインターフェイスは気になってしまうのだ。
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別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |
X68000 Z の詳細がやっと発表になったのだが…
ここまで日記に一度も書いていなかったので経緯を。
ミニファミコンとか、ミニメガドラとか、昨今昔のゲーム機の公式エミュレータハードが人気がある。
これらの機械、ハードウェアは全部「瑞起」という会社が手掛けているらしい。
その瑞起が、ミニX68000 を作っている、という情報を小出しにしてきた。
そして、9月15日から行われていたゲームショウにモックを展示した。
この時点で分かっていたのは、見た目が X68000 なミニハードだけでなく、実物大でちゃんと動作するキーボードとマウスも再現、キーボードは LED がいっぱいある例の変態的なものがちゃんと動いていて、マウスは現代的にホイールマウスになっているのに、トラックボールにもできるという仕様。
ちなみに、キーボードもマウスも USB 接続。
そして、ゲームショウの会場で、10月8日に詳細を発表し、販売の予約受付も同日から行う、と発表した。
これが X68000 Z という名前だった。
おぉそうか、是非買ってやろう、と思っていたら、10月8日当日になって延期する、という発表があった。
そして、要望の高さに驚いているので、まずは「ハッカーエディション」という、β版扱いのようなものから始める、と。
つまりは、この時点で「皆の要望に応えられるほど高度なエミュレーションは実現できていなかった」ということらしい。
詳細は不明だが、X68k の一部のゲームなどが入っている「ゲーム機」扱いでしか考えていなかったのかもしれない。
でも、ネットでは X68k ユーザー / 当時あこがれていたユーザーが、当時の環境の再現を望んでいたのだ。
当時使っていた人間として、ハッカーエディションを買って人柱をやるのもいいかもな、と思っていた。
今日になってハッカーエディションの詳細が発表された。
X68k として、ではなく、「ARM ベースの Linux 組み込み機として」の開発者の募集だった。
現時点でのエミュレータはβ扱いで、瑞起の想定したアプリは動いているが、「開発などには使えない」と明言されている。
なるほど… X68k には今でも思い入れがあるし、Linux もわからんではない。
でも、組み込み開発の経験求む、と言われると少し違うし、そこまでガチで参加できる時間的な余裕もない。
今後、ブラッシュアップされたら、アーリーアダプタ向けの製品を発表して、その反響次第でやっと一般市販版を作る…かも、とのことだ。
逆に言えば、一般市販版は世に出ない可能性もある。
ひとまず、様子見。
こんな日記を書くくらいには、期待している。
でも…
その昔、1chip MSX というものが発売になったことがある。
当初は MSX1 の機能として発売された。
しかし、FPGA で実現しているので、将来は MSX2 相当にバージョンアップできるようにする、という話だった。
じゃぁ、MSX2 相当になってから買おう、と様子見にした。
その間に、MSX1 相当の機械としても、いろいろ微妙だという噂を聞き始めた。
後に MSX2 になったのだが、なんか買う情熱が無くなってしまい、そのまま。
今回も同じ道をたどりそうな予感が、少しある。
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恥ずかしながら設定の失敗記。
普段、それほどプリンタを使うことは無い。
ネットワークで仕事をしていると、紙の書類が必要になることはあまりないためだ。
しかし、先日久しぶりにプリントアウトしようとしたら、なぜかできなかった。
プリンタがオフラインだ、と言われる。
現在、新しいプリンタと、黒インクしかまともに出ないが、買い置きのインクが無くなるまで使っている古いプリンタがある。
新しいプリンタにうまく繋がらないので古いプリンタを使おうとするが、これもうまく行かない。
おかしいなぁ。先日 Windows のアップデートもしたし、その影響でおかしくなったかな。
ドライバを再インストールしてみようとする。
2台ともブラザーのプリンタなので、ブラザーのページでドライバを探し、ダウンロード。
しかし、ドライバインストールの最中に「プリンタが見つからない」と言われる。
いよいよおかしい。
プリンタ本体の小さなタッチパネルで、設定などを確認する。
あれ、うまく WiFi ネットワークにつながっていないようだ。
再設定しよう。
WPS による簡単設定を選び、ルータの WPS ボタンを押す。
これでしばらく待てば接続するはず…が、うまく行かず、プリンタがエラー詳細を印刷する。
エラーになると詳細をプリントアウトするのか。知らなかった。
新旧どちらのプリンタも同じ状態になっている。
同じようなことを繰り返し、3枚もエラーメッセージを印刷してしまった。
うーん、どうやってもつながらない。
スマホなんかは WIFi につなげているし、プリンタ2台だけがつながらないというのはどういうことだ。
ここにきて、メーカーの FAQページとか検索し始める。
やがて原因が分かった。
ブラザーのプリンタは、WiFi 2.4GHz しか対応していなかった。
まぁ、プリンタだしな。速度が遅い 2.4GHz で問題ないのだろう。
しかし、しばらく前に…自分でも忘れるくらい前だったのだが、家の WiFi ルータの設定を切り替えて、2.4GHz を停止したのだった。それが原因。
以前は、子供たちが NintendoDS で遊ぶために、2.4GHz を運用していた。
NintendoDS は、当時からセキュリティ的にも少し低い WEP と呼ばれる暗号形式を利用していた。だから WEP が使える設定にしていた。
#NintendoDS の発売時点で、すでに WEP はセキュリティが弱い形式とされていた。
なのになぜこれを使ったかというと、CPU が非力で、少し古いこの形式しか使えなかったらしい。
(昔一緒に仕事していた人から聞いた話。その人の知人が、DS の通信スタックを書いたそうだ)
後継機の DSi は CPU 性能が上がっており、現在でも使用される WPA2 に対応している。
しかし、今では NintendoDS のネットワークサービスも停止している。
それ以外に 2.4GHz を使う機械はない。スマホなんかは、みんな高速な 5GHz を使っている。
WEP も、当時よりもさらに「破られやすい」状況にあり、今時これはかなりまずい。
そんなわけで、2.4GHz を停止することにしたのだった。
…が、まさかブラザープリンタが 2.4GHz にしか対応していないとは。
仕方がない。家には WiFi ルータが2台あるが、プリンタに近いほうだけ 2.4GHz を復活させる。WEP は使えない設定で。
これでプリンタが使えるようになった。
今時の WiFi 機器が、5GHz に対応していないとは思わなかった。
この作業で1時間くらい悩み続けたのだけど、最終的には自分の設定ミス、ということになる。
恥ずかしい話ではあるが、他山の石としてもらうには面白い話かもしれないと思い、ここに記す所存。
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