石鹸・洗剤メーカーの「花王」がゲームを作って話題なのだそうだ。
僕がこのことを知ったのは24日。
その前の23日に、Switch 版が発売された、という記事を読んだのだが、もともと Steam 版で昨年8月頭に無料公開されていたそうだ。ほぼ1年前。
面白そう、って話を家族にしたら、Youtube 好きの次女だけ知っていた。ゲーム配信者の定番の一つになっているらしい。
というか、今調べたら、ゲーム配信の回数が多かったゲームとして、YouTube を使用した広告の年間グランプリまで受賞している。
そんなわけで、Switch 版を遊んでみる。200円。Steam なら無料で遊べるわけだが、ゲーム機に発売されているゲームならそちらを買うことにしている。その方が家族で遊びやすいから。
内容はホラーゲーム。
相続した家を不動産業者に売却する前に、査定額を上げるためにも掃除をしておこうと訪れた主人公。しかし、家には怪異が住み着いていた。
この怪異から逃げながら「脱出」しなくてはならないのだが、脱出するためには様々な「家に隠された秘密」を解く必要があり、そのためにもお掃除をしなくてはならない。
そして、この掃除のためにも、実在の花王製品を使いこなさなくてはならないのだ。
で、ひとまず1度エンディングまでたどり着いたが、掃除を「やり残した箇所」がいっぱいあるのにうっかり脱出してしまったという、納得いかない終わり方。
脱出後、簡単なストーリー展開が示され、査定額が出る。なるほど、ちゃんと掃除をしたうえで、できるだけ早く脱出すれば査定額が上がる、というやり込みゲームなのか。
Switch 版では、子供向けの「怖さ控えめモード」というのが付いたというのでそちらも遊んでみる。
ストーリーが最初から違っていた。夏休みにおばあちゃんちに遊びに来た子供、という設定。
通常モードでは、電気のない夜の家を懐中電灯で照らしながら進むような視点だが、こわさ控えめでは夕暮れ時の薄暗い家、になっている。暗くはないから怖くないし、遠くからでもアイテムなどを発見できてわかりやすい。
その上、おばけが歩く足跡がかわいいし、おばけに見つかって追いかけっこになるときに運動会のような BGM が流れる。こわさ控えめというより、コミカル。
一度謎解きを終わらせているのですぐに脱出できた。初回プレイより点は高くなったが、速度重視にしたせいで取ってないアイテムなどもある。
なるほど、先を急ぐだけでなく、隠されたものを探さないといけないのもあるのか。謎を知ってもみっちり歩き回る必要がありそう。
しばらく遊べそうだ。
さて、今回記事のネタにしようとしたのは、このゲームの事ではなく「昔も花王はゲーム作ってた時期あるよね」という話。
1990年代、花王がフロッピーディスクの販売に乗り出したことがあった。
すでに多くの会社がフロッピーディスクを販売しており、かなり後発。しかし、「界面活性技術により表面が滑らかでヘッドの滑りが良く、モーターの負荷が減るので省電力になる」とメリットを宣伝していた。
えーと、今時フロッピーディスクの話をしてもわからない人もいるから解説しておこう。
情報記録媒体としてのディスクは、磁性体が塗られたフィルムを円盤状にしたものを回転させ、「磁気ヘッド」で情報を読み書きする。
磁性体というのは小さな鉄の粉だ。鉄くぎに、磁石を一方向にこすりつけると弱い磁石になる、という遊びをやったことがある人もいると思うのだが、鉄の粉でも同じことができる。
磁石にこすりつけると、弱い磁石になるのだ。この時、こすりつける磁石の S N の向きで、鉄の S N の向きも決められる。
磁気ヘッドというのは電磁石で、電気によって好きな向きに S N を変えられる。これで 0 1 を記録すれば、コンピューターの記録媒体になる。
読み取るときは、電気を通していないヘッド…電磁石というのは電気を通さないと「コイル」なのだが、これでディスクの S N を読み取れる。
コイルの近くで磁石を動かすと、コイルに電流が流れる、という現象の応用だ。この時流れる電流は、磁石の S N の向きによって電流の向きが変わるので、0 1 を読み出せる。
話が長くなったが、当時のフロッピーディスクというのはこういう原理だったので、ヘッドがディスク表面を「擦り続けている」ものだった。
ここに洗剤で培った界面活性の技術を導入し、滑らかに滑らせれば、モーターも抵抗が減るので省電力になる、というのが花王のディスクの売り文句だったのだ。
本当かどうかは知らない。というか、当時のパソコンマニアはそんなこと気にして無かったと思う。
まだノートパソコンは高価で、デスクトップが中心に使われていた時代だ。電力はコンセントから供給され続けているので、省電力である必要はないのだ。
まぁ、それはともかく、花王は 10枚入りのフロッピーディスクに「おまけ」をつけていた。
当時はコンピューターとしてのシェア No.1 だった、NEC の PC-9801 用のゲーム。最初のころは小粒だがオリジナルゲームが中心だった。もちろん花王の内製ではなく、外注だが。
今確認したところ、後期には市販ゲームの体験版や、古いゲームのリメイク、ビジネスソフトの体験版などもあったようだ。
僕のページでも、過去にこちらの記事で花王のゲームの話書いてますね。大学のころのアルバイト先で、必要があってわざわざ花王の相撲ゲームを探して買ってきたが、当時人気だった格闘ゲームのような作りで、全然相撲ではなかった…という話。
当時のゲームも、今回 Switch で発売になったゲームも、宣伝として作られている。
花王の宣伝部門はかなり頭が柔らかいと思うし、その「突拍子もないアイディア」に GO サインを出せる上層部も素晴らしい。
日用品の会社って、性能では他社とそれほど差をつけにくいから、売るためには宣伝力がものをいう世界。
うちでも、Switch のゲームを見てた妻が早速感化されて、花王の洗剤買ってみようかとか言い出してるし…
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