2018年06月04日の日記です


三笠  2018-06-04 18:19:44  社会科見学 家族

以前に保留になった氷川丸に行きたい。

というのも、もらっている無料チケットが6月一杯期限だから。


でも、子供の中学・小学校のイベントに加え、僕が町内会の役員になってしまったのでこの予定も加わり、さらにはスプラトゥーン2が3週にわたるフェスをやったり(3週連続ではなく、2週連続+1周おいて決勝だった)して、忙しくて行く暇がない。


6月2日なら行ける! と思ったところ、横浜開港祭だった。

凄く混雑するようなのでパス。




で、代わりになるわけでもないが、横須賀の記念艦 三笠に行ってきた。

こちらも以前から行きたかったもの。


たしか、幼稚園の頃に家族で行ったことがある。

でも、当然ながらそんな昔のことは忘れている。事実上「はじめて行った」と言ってよい。


三笠(1900年進水)、氷川丸(1930年竣工)、それに日本丸(1930年竣工)と、家の近所には古いのにわざわざ保存されている船が多数あるのに、どれも見ていなかった。

氷川丸に行くついでに、いろいろ見比べてみようという試み。


ちなみに、JAMSTEC のイベントにはよく行くので、しんかい6500の母船である「よこすか」とか、先日スプラトゥーンでもコラボして背景になっていた巨大船「ちきゅう」とかも見学したことはある。




我が家で一番忙しく、疲れているのは長男ので、長男のペースに合わせる。

朝ごはんの後少しのんびりして、10時頃出発。


車で横須賀まで。

こちらも、JAMSTEC に行く時に通いなれた道だが、当然途中から違う道に入る。


駐車場は、あらかじめ予約しておいた


三笠公園から 300m 程離れているが、休日上限 2000円になる所を、1000円で一日止められる。

付近の相場が休日上限 1500円くらい、または1時間 400円の青天井なので、割安。


でも、「無理やり予約に対応した」感じで、こなれていないシステムだった。

駐車場を出る際に、予約完了メールを見せたら、手動で料金所のバーを上げてくれる、というもの。




現地について、まずは昼ご飯…

と思ったのだけど、事前に調べて「よさそう」と思っていた店は閉店していた。


5月20日に閉店だって。本当に直前で、ネットに閉店情報がないのも仕方がない。


で、別の店を探したのだけど、三笠公園付近にはあまり店がない。

目の前にある小さな喫茶店で食べた。


カレー、カツカレー、からあげカレー、エッグ(目玉焼き)カレー…などなど。

いや、定食もあるのだけど、せっかく横須賀来たのでカレー食っとく。


店主のおばあさんと、ちょうどこの日から手伝いに入ったというおばあさんの二人の店。

で、手伝いの人が慣れていなくてミスオーダーして少し手間取った。


しかしまぁ、味は悪くない。特に良い、ということもない、値段相応だけど。




まずは三笠公園散策。

というのも、毎正時から三笠館内ツアーがあるから、その時間調整のため。


12時半から、公園奥の「音楽噴水」が動いていた。


1時間半に一度くらいのペースで動くようだ。噴水周辺の広場に音楽が流れ、音楽に合わせて噴水が…踊る? 動く? この表現であっているのか?

まぁ、うまい具合に多数の噴水を連動させたパフォーマンスを行うわけだ。




2時から、三笠艦内ツアーに参加する。

…が、この時のおじいさん、歴史マニアであることはわかるし、好きだからこそ三笠の時代背景などを面白おかしく話してくれるのだけど、「話し上手」なわけではなかった。


口上こそこなれているのだけど、ある程度歴史を知っているのを前提に、詳細部分をべらべらしゃべるだけで、何も知らない子供には面白くないのだ。


そこで、ツアーが始まって早々に離脱して、勝手に見ることにした。


離脱の理由もう一つ。

面白いものが多数あるし、子供にその解説をしたいのだけど、ツアーでは歴史の話が中心で、そこにある機械の面白さなどは解説しないのだ。


8cm 砲は、射手が腰を使って砲身を左右に動かし、左手のハンドルで仰角を調整し、右手の引き金で打てるようにしてあった。

大きいけれども、最終的に引き金を引く部分は拳銃と同じなのだ。面白い。


実際に動かしながら子供に解説していたら、ツアーとは別のボランティア解説員が来て詳細を教えてくれた。

船の上では揺れるので、砲身と一体化するために肩をここに押し当てた、とか、昔の平均身長は 157cm で、中学生の長男と同じくらいの背の高さだったとか(僕は照準をのぞき込むには少し背を屈めないといけなかった)。

実際には、射手とは別に、砲弾を入れるためのロックを開け閉めする係、砲弾を入れる係、次の砲弾を運んでくる係の、4人一組で扱ったそうだ。


これが、15cm 砲になると10人一組になり、砲を囲む小部屋でそのまま寝泊まりし、生活を共にした。


30cm 主砲は…何人で操作したのか知らないが、10km の射程を持つ。

ただし、3分に1回程度しか打てなかった。

これに対し、8cm 砲は1分に6発程度の連射が効いた。

(ただし、あまり連射すると砲身が熱を持ってしまい、使えなくなる)


実践では主砲はそれほど役に立たず、8cm 砲が主力になったらしい。

有名なバルチック艦隊との戦いも、主砲の数では負けていたが、8cm砲の数は多かったので勝てたそうだ。




艦内は結構広く、甲板より上を見終わる前から、小3の次女は「疲れた」とグズり始める。

しかしまぁ、実際に統合元帥が立っていた艦橋とか、操舵室なんて言うのは見どころである。


もっとも、全部第二次大戦後の復元。

米軍統治時代に、三笠は「過去の戦勝を美化する施設である」ということで、ほぼ解体されてしまったから。


船体自体は日露戦争当時のままらしいけど、こちらもすでに海に浮いているわけではなくコンクリートで固められている。



さて、次女も疲れているし、甲板下をさっさと見て…と思ったけど、こちらがまた広かった。

上級士官の居室などを再現してある部屋とか、エンジンの仕組みを解説した部屋とかが主。


エンジン自体はすでに無いようだが、「蒸気エンジン」だと聞いて、機関車と同じようなものを想像していたら違った。

海の上では水が貴重なので、蒸気は何段階にもピストンを動かすことで、十分にエネルギーを取り出すとともに、冷やす。

そして、最終的に海水で冷やして水に戻し、エンジンに戻る循環系になっていたそうだ。


なるほど、海には海の苦労があるわけだ。




バルチック艦隊との戦い…日本海戦を追体験するシミュレーションゲームがあった。

東郷元帥の指令通りに操舵して…基本的に「電車で GO! 」だな。史実通りにぴったり動かすのが良いようで、プレイヤーが工夫する余地はない。


最初に「東南東へ進路を取れ!」と言われたら、そちらに向かう。

「砲撃開始」と言われたら砲撃ボタンを押す。


あとは、こちらに着弾すると進路がそれるので、ひたすら東南東へ合わせ続けるだけのゲーム。


最初は長男がやってみたのだけど、意味が分からなくて負けた。

でも、これでやることが何となくわかったので、妻・僕、ふたたび長男が遊び、みんな勝った。


「指示通りにやればもっと勝てる」そうだが。

(正しい操作なら、こちらの被害がもっと減るようだ)




ここまでに書いていなかったが追記したいこと:


結構最初のほうに、「三六式無線機」という展示品がある。

これを見たところでは、まだツアーに参加していた。


マルコーニが無線機を開発した後、日本軍は技術使用の交渉をするのですが、凄い金額を吹っ掛けられたそうです。

そこで、独自に三四式無線機を作成。これは、100km 程度しか届かないものだったとか。

通信手段としては、ちょっと距離が短い。


これを改良し、1000km 届くようにしたのが三六式無線機。

ただ、このアンテナは非常に長くて、三笠の前から後ろまで、マストを通ってアンテナ線が張られています。



…これ、なんでアンテナがそんなに長いか、という解説はなかった。


当時は、電波通信は長波のほうが適している、とされたのね。

理由は、波長が長いと、回り込みが起こるから。


太陽の光は波長が短く、海の波は波長が長いです。

そして、壁があると太陽の光は影を作る(壁の後ろに光が届かない)けど、海の波は回り込んで壁の後ろまで届く。


これが「回り込み」です。波長が長いほど回り込む。


電波は直進しますが、地球は丸いです。

だから、地球自身の影ができてしまい、回り込まないと通信ができない。



でも、当時のアンテナは波長の二分の一の長さを必要とします。

波長を伸ばせば伸ばすほど、通信はしやすくなるけど、物理的に長いアンテナが必要になります。


それが「三笠の前から後ろまで」アンテナ線を張らないといけない理由。



これを説明したら、妻から「でも、長波だと情報あまり載せられないでしょう?」という疑問。

通信時には、波に情報を載せて送るので、周波数が高い=波長が短いほど情報を送れます。


でも、当時の通信方法って、モールス信号だからね。

声すら送れず、手で打鍵した ON / OFF を送るだけなので、長波で十分。



ちなみに、今では地球の上空に「電離層」というものがあり、そこで電波が反射することが発見されたため、回り込みのために長波を使う必要はなくなっています。

回り込みが不要なら、波長が短い方がアンテナも短くできるし、情報も多く載せられる。




以上。

1時から三笠見学を初めて、出たのが3時ごろだったかな。


疲れたしお腹空いた、と子供たちが言うので、公園近くのコンビニでアイスを買いました。


で、わざわざ公園に戻って食べた。そうしたいと言われたから。


食べていたら再び音楽噴水が動き始めたので、最後まで見ました。

夕方なので、太陽を背にする方向から見たら、虹が出てすごく綺麗でした。



4時ごろには車を出し、途中夕飯を買って5時半には帰宅。

気軽な小旅行でした。





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