秋葉原にあるタイトーのゲームセンター「Hey」が、昨日から1週間、コラムス 97 の配信を行っている。
いやぁ、先週までこういうものがあると知らなかったのだけどね。
Hey にコラムス 97 が置いてあることは知っていた。
知らなかったのは「配信」という存在。
ゲームセンターに置いてある台の画面を、Youtube とかニコニコ動画にそのまま「生放送」で配信している。
本当にゲームセンターの台の画面そのものなので、誰も遊んでいないときは延々とデモが流れているだけ。
先週は初代コラムスで、それを見た人がツイッターで「コラムス 97 の配信希望」と言っていた。
僕は時々、自分のページとかに関する話題を出しているツイートをエゴサーチしているので、「コラムス 97」で引っかかって、Hey が配信を行っているということを知った。
で、上に書いたようにこれは「先週」の話だったのだが、今週は本当にコラムス 97 だった。
せっかくなので、仕事をしている画面の片隅に、配信の様子を開きっぱなしにしている。
ニコニコ動画なので、見ている人のコメントが流れてくる。
いや、コラムス97 に対する罵詈雑言ひどいわ。
先週もコラムスで、どうもこの配信を見ている常連さんには「落ち者パズルは見てて面白くない」というのがあるらしい。
2週連続でコラムスだ、という点での悪口と、画面がまぶしくて目が痛い、などの悪口と…
まぁ、いろいろあるのだけど、「ここに来る人ネガティブ発言しかしないな」と言っている人もいたので、そういうことなのだと思って気にしないでおく。
褒めてくれている人も結構いて、美しい画面が好きだったとか、今でも音楽好きとか、うれしいことを言ってくれる。
昨日は配信初日だったこともあり、どうも待っていた人がいたようだ。
開店直後から、コラムス 2000越えの上手いプレイが見られた。
その後も、結構上手な人がプレイしていく。
ジュエル数で 9999 のカンストも2件出ていた。同じプレイヤーだったけど。
いや、カンストプレイヤーのプレイを見たことは無かったので、いいもの見せていただきました。
本日二日目。
「眼が痛い」と言っている人も多かったのを考慮してか、配信の輝度が少し抑えられている。
でも、これを見て「そうそう、こんな感じ」と思った。
というのも、今の液晶などのディスプレイに比べ、当時のブラウン管は輝度・コントラスト比ともに悪かったのだ。
それを前提にデザインしていたので、配信でパソコンのモニタで見ているとまぶしい、というのはあったのだろう。
しかし…今日は誰も遊ばん。
書いている今は 16時過ぎだが、一度もプレイを見ていない。
いや、ハイスコアを見ると、誰か一人遊んだが低いスコアですぐに終わったようだ。
その時に僕が見ていなかったのだろう。
(基板の電池が切れているようで、ハイスコアは毎日リセットされてしまう。
もっともその方が「ハイスコア入り」できて楽しいので、わざとやっているのかもしれない)
せっかくなので、配信中に見たコメントに勝手に返信。
コメント自体正確に覚えてないけど、大体の雰囲気で。
・「ハイスコア画面の背景エジプト風?」 と聞いた人に対して、別の人が「コラムスは元々古代のエジプトのゲームだよ」と答えていた。
→背景は古代ギリシアの壺絵「ゲームをするアキレスとアイアス」です。
「将棋をする~」としている資料も多いのですが、当時は将棋の原型となるゲームもありません。
遊んでいるゲームは、セネトだと思われます。いわゆる「雙六」ですが、遊ぶ器具は多数発掘されているものの、詳細なルールは不明です。
コラムスは、1989年にテトリスを見た Hewlett Packard の技術者 Jay Geertsen が UNIX の X-Window 用に作ったゲームです。
縦に3つのブロックが並んで落ちてくるので「柱」を意味する Columns という名前になっていましたが、セガが版権を買い取り、ゲームセンター向けに移植しました。
この際に、ギリシア建築に特徴的な「柱」のイメージで、古代ギリシア風のデザインにしましたが、古代ギリシアにこんなゲームがあった、というような事実は全くありません。
ところで、コラムス97 の企画者であった M 氏は、「嘘を本当らしく広める」ことを面白がる趣味があったので、ギリシアの壺絵を「コラムスをするアキレスとアイアス」として、サターン版の説明書で紹介しようとしていました。
その際には、「古代に遊ばれていたコラムスの遊び方」まで考案して書こうとしていたのですが…
自分たちでサターン移植するつもりだったのですが、移植はコンシューマーのチームに任せることになった時点で、この計画は立ち消えになりました。
・「画面まぶしい」にたいして、「ピカチュウ事件より前だっけ?」と言っていた人がいた。
→後です。
ピカチュウ事件よりも後に、ゲームショウでバーチャコップが初お披露目になった時、遊んでいた人が光学性てんかんで気分が悪くなる、という事件がありました。
これを聞きつけた企画者 M 氏が、「負けないくらい激しい画面作りをしたい」と言って、あのようになっています。
なので、倒れた人がいれば本望、というくらいだったのですが、ついぞ誰か倒れたという話は聞きませんでした。
ただ、演出が派手だとは言っても、「遊びやすさ」にも気を使っています。
元々、隣の席で「リプレイ」などやっても、プレイしている本人はまったく気づいていない、という状況が先にありました。
そこで、「プレイヤーがフィールド外を気にしないのであれば、その部分では派手な演出をしても大丈夫だろう」と、周辺が消した宝石の色に輝く演出になったのです。
実際、遊んでみるとあまり周囲は気になりません。
・「点数ないんだっけ?」と言っている人がいた。
→点数付けたかったんですけどね…
当時、CASIO が落ちものパズルの特許権を持っていると主張し初めまして、その特許要件の中に「積み方によって得点が変わること」がありました。
じゃぁ、積み方(連鎖など)によって変わる得点は無くして、消した宝石の数だけでいいや、と。
それだとテクニックに意味がなくなるので、最後に段位認定しよう、と。
CASIO 特許は、その後任天堂が潰してくれたので、コラムス 97 が完成した直後には「もう落ちもの作って大丈夫」という状態になりました。
・「左右に画面あるのに対戦できないのは、もはやバグ」
→対戦ゲームとして作り始めたんですけどね…
お偉いさんからの「コラムス作れ」の一言で、今時だから対戦ゲームだろう、と作り始め、途中で命令出した人に見せたところ「そんなものを作れと言ったのではない。最初のやつの移植でいいんだ」とのこと。
急遽、一人用として作り直されました。
配信を見ていて…というか、今日は誰も遊んでないので延々とデモを見ていて思い出したこと。
デモ画面のプレイ(遊び方説明ではないやつ)、AIによるものですね。
上にも書きましたが、コラムス97 は、もともと対戦ゲームにするつもりで作っていて、CPU の思考ルーチンもありました。
その後、方針転換した際に AI を使う必要はなくなり…
デモ画面を作るときに「思考ルーチンがあるのだから、ランダムで適当に遊ばせとけば」ってなったのだと思います。たぶん。
思考ルーチンは先輩が作っていたので、あまり詳細覚えていない。
結果からすれば「デモのためだけに思考ルーチンが組み込まれている」形になっていて、贅沢なことしてるな。
ところで、この配信って著作権大丈夫なんだろうか。
2023.1.24追記
配信最終日なのだが、素晴らしいプレイを見ることができた。
午後2時ごろから延々と6時半までプレイし、JEWELS 9999 LEVEL 999 という「カンスト」プレイ。
LEVEL が 999 を超えると、表記上は LEVEL 0 になるのね。知らなかった。
…というか、わざと作っているような動作なので「桁が溢れないようにそうした」のだと思うのだけど、自分でも覚えていないのだ。
見ている人からは「バグ?」とか「開発者「そんなのチェックしてねーよ」」とかって反応があった。
チェックはしたと思うよ。たぶん…
(そこまでプレイできる腕前は持ち合わせてないので、始まるときの数値を 950 からにするとか、そういう方法でチェックしてると思う)
LEVEL 0 はプレイ中の表記で、ハイスコア表記は LEVEL 999 でした。
もちろん、最後の段位認定はすべてが MAX の五角形。
ハイスコアネーム KSK さん。良いプレイを見せてくれてありがとうございました。
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