2013年02月10日の日記です


10年ぶりの更新  2013-02-10 09:15:37  コンピュータ

OldGood COMPUTER!!」のページを更新しました。


更新してから気づいたけど、前回更新は 2003年2月1日。ちょうど10年ぶりの更新でした。


2週間前の日記に更新再開をほのめかすようなことを書きましたが、実はあの時点である程度原稿を書いていました。


ただ、今までも「原稿を用意した」ことはあったのね。それが「更新」に結びつかなかったのは、書いているうちに「書きたいこと」を見失いがちだったから。


自分の書きたいことは、いまみんなが使っている PC に至る歴史なのですが、「このテーマで書こう」と考えても、どうも外れて行ってしまうことが多かった。

2週間前の日記は、「途中であきらめず、原稿を最後まで書きあげる」ことを自分に課そうとしたのです。




ところで、該当日記にも書いたように、この時点での原稿は「スプライト進化の歴史」でした。


スプライトって、基本的に「2つの異なるアドレスの VRAM 内容を混合するハードウェア」です。

画面重ね合わせってことね。


あれ? じゃぁ、最初の VRAM ってどんなんだったんだ?

そもそも、最初はベクタースキャンだったはずなのに、VRAM は存在したのか?


…って、いろいろ疑問が出てきました。

悪い癖です。いつも、こうした疑問で話が横道にそれ、原稿は途中でほったらかしになるのです。



でも、今回は少し違いました。

最初の CRT 接続マシンを調べていたら、PDP-1 にはすでに搭載されていたことが判明。

PDP-1 は、TX-0 を参考にしたマシンです。調べてみると、やはり TX-0 に搭載されています。


TX-0 は、名著「ハッカーズ」に登場するマシン。プロトタイプマシンだったので量産はされず、それが故に歴史に埋もれているのですが、いつか詳細に調べて書きたいと思っていたマシンでした。


いい機会だ。ここは TX-0 を調べよう…と調査を開始すると、TX-0 は Whirlwind というマシンをベースにしていることがわかります。そして、Whirlwind には CRT が搭載されているし、どうやらこれが「世界初の CRT 搭載マシン」だったのです。




…で、スプライトの話は置いといて、Whirlwind の話になりました。

本当は TX-0 も一緒に扱うつもりで書き始めたのですが、調べれば調べるほど Whirlwind が興味深いマシンで、話をぶれさせないためにこれ一本に絞りました。



今の我々が使っている PC は、明らかに「PDP」の流れを汲んでいるコンピューターです。

でも、いわゆる「コンピューターの歴史」には、UNIX が PDP-7 上で作られた、という記述以前には、PDP は登場しないことが多いのです。


だから、PC がどうしてこういう設計になっているのか、調べてもすぐにはわからない。



コンピューターの歴史の開始当初は、ENIAC の流れを汲む UNIVAC がコンピューターの花形。

IBM もこれを後追いしてコンピューターを作り始めます。


でも、いつしか状況は逆転し、IBM が最大手になります。


そして、UNIVAC も、IBM も、ENIAC の流れを汲んで実用性重視の「つまらない」マシン(といっては失礼だが)を作っていたはずなのに、いきなり突然変異のように PDP-7 という「非常に洗練された」マシンが登場する。



ここらへん、どうなっているのだろう? 長年の疑問でした。

でも、ミッシングリンクのように感じていたこの部分を、Whirlwind が埋めてくれました。





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