「OldGood COMPUTER!!」のページを更新しました。
更新してから気づいたけど、前回更新は 2003年2月1日。ちょうど10年ぶりの更新でした。
2週間前の日記に更新再開をほのめかすようなことを書きましたが、実はあの時点である程度原稿を書いていました。
ただ、今までも「原稿を用意した」ことはあったのね。それが「更新」に結びつかなかったのは、書いているうちに「書きたいこと」を見失いがちだったから。
自分の書きたいことは、いまみんなが使っている PC に至る歴史なのですが、「このテーマで書こう」と考えても、どうも外れて行ってしまうことが多かった。
2週間前の日記は、「途中であきらめず、原稿を最後まで書きあげる」ことを自分に課そうとしたのです。
ところで、該当日記にも書いたように、この時点での原稿は「スプライト進化の歴史」でした。
スプライトって、基本的に「2つの異なるアドレスの VRAM 内容を混合するハードウェア」です。
画面重ね合わせってことね。
あれ? じゃぁ、最初の VRAM ってどんなんだったんだ?
そもそも、最初はベクタースキャンだったはずなのに、VRAM は存在したのか?
…って、いろいろ疑問が出てきました。
悪い癖です。いつも、こうした疑問で話が横道にそれ、原稿は途中でほったらかしになるのです。
でも、今回は少し違いました。
最初の CRT 接続マシンを調べていたら、PDP-1 にはすでに搭載されていたことが判明。
PDP-1 は、TX-0 を参考にしたマシンです。調べてみると、やはり TX-0 に搭載されています。
TX-0 は、名著「ハッカーズ」に登場するマシン。プロトタイプマシンだったので量産はされず、それが故に歴史に埋もれているのですが、いつか詳細に調べて書きたいと思っていたマシンでした。
いい機会だ。ここは TX-0 を調べよう…と調査を開始すると、TX-0 は Whirlwind というマシンをベースにしていることがわかります。そして、Whirlwind には CRT が搭載されているし、どうやらこれが「世界初の CRT 搭載マシン」だったのです。
…で、スプライトの話は置いといて、Whirlwind の話になりました。
本当は TX-0 も一緒に扱うつもりで書き始めたのですが、調べれば調べるほど Whirlwind が興味深いマシンで、話をぶれさせないためにこれ一本に絞りました。
今の我々が使っている PC は、明らかに「PDP」の流れを汲んでいるコンピューターです。
でも、いわゆる「コンピューターの歴史」には、UNIX が PDP-7 上で作られた、という記述以前には、PDP は登場しないことが多いのです。
だから、PC がどうしてこういう設計になっているのか、調べてもすぐにはわからない。
コンピューターの歴史の開始当初は、ENIAC の流れを汲む UNIVAC がコンピューターの花形。
IBM もこれを後追いしてコンピューターを作り始めます。
でも、いつしか状況は逆転し、IBM が最大手になります。
そして、UNIVAC も、IBM も、ENIAC の流れを汲んで実用性重視の「つまらない」マシン(といっては失礼だが)を作っていたはずなのに、いきなり突然変異のように PDP-7 という「非常に洗練された」マシンが登場する。
ここらへん、どうなっているのだろう? 長年の疑問でした。
でも、ミッシングリンクのように感じていたこの部分を、Whirlwind が埋めてくれました。
同じテーマの日記(最近の一覧)
関連ページ
別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |