2013年03月29日の日記です


バードストライク  2013-03-29 13:00:45  住まい ペット

どういうわけか、家の窓に鳥がぶつかる。


昨日、春休み中の長男(8歳)が、

「おとーさーん。小鳥が窓にぶつかって落ちてるー」と僕を呼んだ。


またか、と見に行くと、セグロセキレイが窓の外に落ちている。

長男によれば、何か音がしたから見に来て、たった今までピクピク動いていたらしい。



近づいて触ってみる。当然まだ温かい。

脳震盪でも起こしているかも、と期待して、もう一度そこに置いてみる。


少し離れたところで、別のセグロセキレイがこちらを見ている。


普通、セキレイは止まっているときでも、尻尾をぴょこぴょこ動かしていて、愛嬌がある。

しかし、こちらを見ているセキレイは、全く動かない。

普通なら人間を恐れる距離にいるのだが、とにかくじっとして、こちらを窺っている。


おそらくはつがいで、パートナーを心配しているのだろう。

脳震盪にしても、体が冷えて死んだら困るし、上空からカラスでも狙っていると困る。

上に段ボール箱を被せ、気づいたら逃げ出せる程度の隙間を開けておく。




どういうわけか、家の窓に鳥がぶつかる。

最初は、引っ越してきて半年目くらいだった。


何かがぶつかる大きな音がして、見に行くと、鳩が窓ガラスのすぐ下に落ちていた。


窓ガラスには、飛んでいる鳩を正面から見たのと同じ形に、体の脂が残っていた。ぶつかったのは間違いない。


この時はしばらく置いておいたら、カラスが運んで行った。

少し離れた空き地に羽が散らばっていたのを見つけたので、そこで食べたのだろう。


その後、もう一度鳩がぶつかったのを覚えている。

今回と合わせて、都合3回か。



…と思ったら、妻によればもっと多いらしい。


僕が仕事で出かけているときに、スズメがぶつかって気絶したが、すぐに回復して逃げていったことが1回。

庭仕事をしていたら、窓の外に死んだ鳩が落ちていたことが1回。


なんだかぶつかった音がしたが、周囲を探しても何もなかったのが1回。

(おそらく、スズメと同じで逃げたと思われる)



この家に暮らして8年になるが、その間に確認されたものだけで6回、家の窓に鳥がぶつかっている。

「知らないうちに死んでいた」こともあるのだから、「知らないうちにぶつかって、回復して逃げた」ものもあるだろう。


そうすると、年に一度は鳥がぶつかっている、ということになる。



周囲が畑や田んぼで、鳥が勢いよく飛んでいる、というのは重要な要因だと思う。


僕の家は住宅地の中だが、昔から住んでいる大地主さんがいて、そうした人の田んぼや畑もある。

そして、我が家はその中に挟まれている。


スウェーデンハウスの窓は大きい、というのも関係があるのかもしれない。

でも、他のスウェーデンハウスのオーナーさんに話を聞いたことがあるわけでもないので、この因果関係はわからない。



家の上に高圧電線が通っている関係?


鳩が地磁気を感知していることは、どうやら確からしいが、そのメカニズムはまだ解明されていない。


でも、地磁気は位置を知る手がかりの一つであって、太陽が見えているときには太陽の位置を使う、と考えられている。

曇りですら、太陽を使う。余程雲が厚くて太陽の大体の方角すらわからないときだけ、地磁気を使うようだ。


また、背中に FM電波の送信器を付けたりして、位置を調べる実験も行われている。

こうした実験からは、FM電波は鳩の地磁気センサーを狂わすことはない、と分かっている。


棒磁石や、強い磁場を作り出す電磁石を鳩に直接取り付けると、地磁気センサーが狂うようだ。

つまり、「定常的な磁場」は鳩の地磁気センサーを狂わすが、「交流による磁場」は地磁気ではない、と鳩は認識できる。


いろいろ考えると、電線は無関係だろう。


大体、磁場が距離の自乗で減衰することを考えれば、はるか上の高圧電線より、街中の 200v 電線の方が影響が強いはずだ。



いろいろ考えるが、原因は不明だ。

「当たりやすい窓」があるわけでもないようだ。


当たりやすい窓が決まっているのであれば、バードストライク除けの猛禽類シールを貼る方法もあるのだが、全ての窓に貼ることはできない。

(だって、全ての窓に大きなシール貼っていたら、中で暮らしている人間の気が滅入るもの)




15分ほどたってから、回復しないようなので、落ちていたセキレイを手に持ってみた。


おそらく、心臓の鼓動がない。セグロセキレイを持ったのは初めてだが、過去に文鳥やセキセイインコを飼ったことがあるので、小鳥のぬくもりは知っている。


でも、自分は専門家ではないし、死んでいる、と割り切れるほどドライでもない。なによりも、まだこちらを見ているパートナーのセグロセキレイがいる。

もう少し、そっと置いておいてみよう。



こちらを見守っていたパートナーは、30分ほどじっとしていたが、その後諦めがつかないように周囲を歩き回り続け、やがてどこかへ飛んで行った。



「事故にあった仲間を悲しんでいた」と考えることもできるのだが、おそらくこれは人間の感傷が入っている。


おそらくは、事故にあった、ということすら認識できておらず、「急に消えた」だろう。


じっとしていたのも、悲しんでいたというよりは、「外敵に襲われた可能性を考えれば、見つからないようにじっとしている方が安全」なのだと思う。


ただ、理由はどうあれ、パートナーを失ったことは悲しく、残念なのだと思う。

鳥でも、おそらくその程度の感情は持ちあわせているはずだ。



それは仲間の死を悼むというより、短い命の小鳥が、年に1度しかない子育てのチャンスを失うかもしれない、という問題のためだ。

自分の遺伝子を残せる可能性が制限される、というのは、生き物にとって非常に大きな問題である。


…こう書くと、情緒がないとか言われそうだ。

だけど、「仲間の死を悼む」なんていうのは、いうなれば他人事だ。

「自分の遺伝子を残せない可能性」と考えたほうが、その個体自体の窮状がより理解できる。


そう、パートナーをなくしたセキレイは、窮状に立たされているのだ。




死んでしまったセキレイは、翌日朝に、我が家のペット墓場の隣に埋めた。

ペットではないが、我が家に迷い込んで死んでしまった、小さなかわいい生き物を弔ってやりたい気分だった。



パートナーであったセキレイが、うまく別のパートナーを見つけられるといいと思った。




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【ぴょん】 セキレイの餌をしらべていてこちらに来ました。窓にぶつかった鳥がセキレイならばガラスに映った自分の姿を見て他の鳥と思い体当たりをしたのだと思われます。http://miyanooka1.sakura.ne.jp/hakusekirei.htmlをご覧ください。ゲームは致しませんが、お料理のところへまたおじゃまいたします。 (2013-12-22 10:23:36)


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