2015年03月09日の日記です


ガルボとジョイポリス  2015-03-09 15:36:03  業界記

前回ガルボ、って名前が出てきたので、書いときましょう。


ナムコが「ワンダーエッグ」という遊園地を期間限定でやったら、これが結構大人気。

セガも負けてられるかと「ジョイポリス構想」をぶちあげます。


ディズニーランドほどの集客力は見込めない。

でも、ディズニーランドよりずっと安くて、小さなスペースで作れる。


だから、各都道府県に1個づつつくって、誰でも県内のジョイポリスに気軽に行ってもらえるようにする。

沢山作ればアトラクションの開発コストも抑えられるし、気軽に遊んでもらえる値段で提供できるようになる。


…と、そんな構想でした。


ジョイポリス構想をぶち上げたら、大阪ATC(アジア太平洋トレードセンター)が誘致に来ました。

大きな複合施設です。目玉として、是非内部にジョイポリスを作っていただきたい。


でも、ジョイポリス構想として考えていたほどの敷地は取れなかった。

いきなり構想が修正され、大型屋内遊園地のジョイポリスと、小型屋内遊園地のガルボの2系統となります。


そして、「ジョイポリス構想」にもかかわらず、第一号店として大阪ATCガルボがオープンします。

構想の第2号で「ジョイポリス」の第一号店が横浜ジョイポリスとなります。




横浜ジョイポリスは…オープン前に一度だけ行ったのですが、遊園地だと言っているけど大きなゲームセンターじゃん、と思った印象だけ残ってます。

とにかく感じたのはノウハウ不足。セガらしさを活かす、と言えば聞こえは良いけど、結局ゲームセンターとあまり変わらなくなってる。


一応「テーマパーク事業」には興味があったので、趣味の範囲で他社の「屋内遊園地」にも遊びに行ったりしています。

ナムコのナンジャタウンが出来たのは 1996年なのですが、こちらはちゃんと遊園地だと思いました。

(出来た当時の話。今は遊園地ではなくなってしまった感じがあります。)



余談ですが、1995には、大船に「鎌倉シネマワールド」って屋内遊園地ができました。

松竹撮影所が作ったもの。


自宅近くだったので、こちらもオープン前に招待されて入りましたが、酷かった。

遊園地ではないし、ゲームセンターですらない。


せめて「太秦映画村」みたいならよかったのだけど、それとも違う。

人を楽しませようというノウハウが全くないまま作られた、できの悪い展示物を「せっかく作ったから見てってよ」と強制的に見せられる、高校の学園祭のようなところでした。


まぁ、わずか3年で潰れてしまったので、今では見ることもできませんが。



#ずっと最近の話ではピューロランドとか、遊園地とも違う不思議なところで楽しかった。




横浜ジョイポリスの話に戻りますが、その前に非常に個人的な話を書いてきます。


オープン前にスタッフ教育のために、関係者だけを入れて本番と同じように営業するテストが行われました。

行きたいと言えば入れたし、多少知り合いも連れて行って良いということだったから志願したのね。


で、大学時代の友達に、誰か一緒にいかないかとパソコン通信で声をかけてみた。


#当時はインターネット普及以前。

 仲間が集まる草の根BBSがあったのです。


そしたら、大学時代の同期から「女紹介してやるからデートしてこい」という指令が…

知り合いの女の子が失恋した直後だから、紹介してやるというのです。


同時に「大学時代に浮いた噂の一つもなかったのだから、遊園地デートくらいやってみろ」と。



そんなわけで、ジョイポリス前で知らない人と待ち合わせて、デートする羽目になったのです。

どうしてよいやらまったくわからず、楽しむどころの話ではなかったので内容をよく覚えてないのです。


だから、以下の話は記憶違いなどが多々あるかもしれません。




とにかく記憶が曖昧なのですが、一つだけ覚えている。

「ゴーストハンターズ」というアトラクション。



ナムコの「ゴーリーゴースト」(1990)というガンシューティングゲームがあります。


エレメカの動く「模型」とテレビゲーム画面をハーフミラーで重ねていて、同期して動くの。

エレメカでもない、テレビゲームでもない、不思議な感覚のゲームです。


ゴーストハンターズは、同じアイディアを大掛かりにしたようなもの。


遊園地のレールに乗って動く乗り物の前に、ガラスのスクリーンがあります。

それで、風景の中に出てくるお化けを撃つゲーム。


途中までに一定の点数を取れると、レールがボスのいる部屋に「分岐」します。

ここら辺、遊園地とゲームをうまく融合できている。



でも、ゲームとして面白かったかというと…いまいちだった。

初見プレイで何やればいいのかわかりにくかったように思います。


特に、ボス部屋で戸惑った覚えがある。

それまで敵は各自のガラスに映っていたのに、ボスは向こうにある大画面スクリーンに映っている。


このスクリーン、実はただのムービーで、撃っても反応しない。

撃ててないのかな、まだデモ中なのかな、と思って攻撃を止めてしまったら、実はここで沢山撃っておかないといけなかった。


ゲームの途中で断りもなくルールを変える、というのは一番やってはならないことです。

でも、それをやってしまっている。


ゲームのつくり手として、いろいろと理解できるのですが、プレイヤーとしては納得のいかない部分です。




アトラクションの壁などが、非常に安っぽいハリボテ感が漂っていたのも覚えています。

まぁ、これは仕方のないところ。


たしか、ジョイポリス全体(1か所)で20億円程度と言っていたと思います。

ディズニーランドだったら、アトラクションひとつで「最低」20億円じゃなかったかな。



横浜ジョイポリスを実際に見るまでは、社長の言っているジョイポリス構想スゲーな、って思ってたのだけど、実物を見てダメだと思いました。

その時は構想に無理があるのかな、と思ったのですが、後にナンジャタウンを見て「セガが下手なだけだ」と確信しました。


社長の頭の中では、ちゃんと遊園地が作れる計画だったのでしょうね。

でも、命令して出来たのは、ただの巨大ゲームセンターでした。


事実として、当初の「各都道府県に」という構想はすぐに頓挫したし、開業したジョイポリスも次々と閉鎖しました。

単に大きなゲームセンターというだけでは、お客様に受け入れられなかったのでしょう。


まだ残っている店舗もありますが、東京を除いて「大きなゲームセンター」と化しているようです。


#逆説的だけど、遊園地って「そこだけでしか体験できないこと」を求めてくるものなので、現在東京の1か所しか残ってないことでやっと遊園地らしくなったのだと思う。




横浜ジョイポリスのオープン前テストの後日談。

「関係者ばかり」なのですから、当然会社の先輩なども多数いたようです。


「彼女とデートしてた」という噂はあっという間に広まりましたが、彼女じゃない、って説明しても理解してもらえない。

ずいぶんと冷やかされました。


後日、女の子から「失恋したばかりで次の恋愛を始める勇気がない」というお断りが来ました。


僕としても彼女が欲しくてデートしたわけではないので、それで構いません。

初めて会った人なので、特に惜しいとも思いませんでした。


#なんか、全然業界記ではない「青春の一ページ」になってるな (^^;




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