2015年06月01日の日記です


冒険遊び場と変わった地震  2015-06-01 10:53:29  旅行記 家族 天文

毎年恒例冒険遊び場。


…なのだけど、毎年は3月の最初の土曜日。雨の時は1日延期。


ところが、今年は3月の土日が2日共雨。「中止」となってしまったのだけど、5月の最後の土日に再度開催してくれた。




いつもと同じつもりで行くと、およそ3か月ずれたことで遊びが大きく違っている。


いや、同じと言えば同じなのだけど、心構えが違う。

3月頭にやると、焚火の近くには人が自然と集まった。でも、5月末だとそれほど集まらない。


冬にはやらない「水鉄砲づくり」が大人気。

山肌を登って遊ぶ子も、冬よりも身軽に動ける。


一方で、半袖の子も多いので山遊びは多少危険でもある。かすり傷の怪我多し。



風船で遊んでいる子もいたが、冬は大丈夫だったのに、夏はやたら割れる。

イネ科の雑草は葉がとがっているから、触れると割れてしまうんだな。


ちょっと季節が違うだけで、遊び方もいろいろ変るなぁ、と思った次第。




その土曜日の夜、ちょっと大きな地震があった。


妻は好きな歌手のコンサートがあって出かけていた。

子供たちを風呂に入れた後で、長男はまだ風呂に入っていて、僕は座って本を読んでいた。


あれ、何か揺れた気がする、と思っても子供は気づいていない。

気のせいではないことの確認のためテレビを付けたら、地震速報が出ていた。

8時24分、地震がありました、というテロップ。


この速報を確認している時、2度目の揺れ。今度は少し大きく、長かった。

時計を確認した。8時27分。



NHKは臨時ニュースに切り替わった。

震源は小笠原諸島沖、となっているけど、小笠原と埼玉で震度5。

この時点で、「刺激されて連動された、2震源の地震ではないか」と思う。


妻からメールが来ていた。

コンサートは終わって帰宅中だったけど、電車は緊急停止した、とのこと。

その時点での情報をメールで送る。


その後、マグニチュード8.5、震源は地下590kmと…


590km? とんでもない深さだ。でも、これを知って瞬時に理解。


2回揺れたのは、震源が2つあるのでも、余震と本震だったのでもなく、P波とS波だったのだ。

完全分離されてしまい、3分もずれるほどの「遠く」からやってきたことになる。



特にそれ以上新しい情報もなかった。

子供は寝る時間なので、寝かしつける。




子供が寝てから起きてきてテレビなどで情報収集。

妻が載っている電車は、ずっと様子見で動かないままのようだ。


10時半から政府の記者会見があるというので、NHKでは10時24分からもう一度臨時ニュースになっていた。

この会見の様子と、解説などが終わったのが11時。この時点でも、まだ電車は動いていない。


これは、妻は今日中には帰ってこないかな…と覚悟して、寝ようかと思ったところに妻が帰宅した。

電車動いてないとテレビで言っていたけど何で? と聞くと、徐行運転だけど動いてはいたらしい。


ただ、すでに乗っている人・駅のホームで待っている人だけを運び、駅への入場は制限していたみたい、とのこと。

そのため、表向きは「動いていない」ことにしてあったようだ。




翌日からの新聞記事などを見て、地学先攻だった妻が「多分」で解説してくれた。

(専門会見ではないが、全くの素人でもない。間違えているかもしれない、とあらかじめ断っておく)


震源が小笠原沖であるにも関わらず、埼玉でも揺れが大きかったのは、地震波の伝わり方と関係がある。


地面には、地震波を伝えやすい部分と、伝えにくい部分がある。

これは深さとだいたい関係していて、深いほうが伝えやすい。


普通は、それほど深いところで地震は起こらないので、震源近くが強く揺れ、遠くになるほど弱くなる。

ただ、地震というのは震源から「地表」に向かうだけでなく、地下にも向かう。


地下で伝えやすいところに達し、その内部を伝わって再び地上に現れることがある。

中学の理科(地学)で習う「モホロビチッチ不連続面」というやつだ。



今回の地震では、大深度で起きたために、伝えやすい部分を直接動かしてしまった。

そのため、非常に広い範囲に揺れが伝わり、日本全国で震度1以上を観測することになった。


そして、地震波が屈折するときに、2つに分離した。

(水面の光の屈折の際に、反射も同時に起こるために2つに分離するようなものだ)


そのため、小笠原だけでなく、埼玉近辺にも強く波が伝わった。

これが、震源から遠い場所でも強く揺れた場所があった理由。



これほどの大深度(翌日夜、震源は地下 682km、マグニチュード8.1に修正。その後得られたデータを精査した結果)で地震が起きること自体が珍しい。

新聞では、日本の下に潜り込むプレートが世界一古いから…と説明してあったけど、それがなぜ地震につながるのか?



「古い」というのは、プレートが生み出されてからの時間がたっている、という意味だ。

海嶺でプレートが作りだされ、海溝に沈んでいく。


アメリカ西海岸沖のナスカ海嶺で作りだされたプレートは、日本海溝・マリアナ海溝に沈んでいくのだけど、この「太平洋プレート」は、非常に大きい。


大きいから、海嶺から海溝まで達するのに時間がかかる。これが「世界一古い」という意味だ。

そして、時間がたっているので、一番冷えて、固まっていて、重い。


重いから、海溝では一気に沈み込む。日本海溝は狭くて深いし、マリアナ海溝は世界一の深さだ。

そして、冷えているものが一気に沈むから、地球内の熱で温まるまでに、かなり深いところまで行く。


温まって「溶けて」しまえば、柔らかくなって地震が起きることは無い。

でも、まだ固いうちに力がかかって、割れれば地震になる。


これが、今回大深度で地震が起きた理由。

実のところ、そのくらいの深さでもたびたび地震は起きているのだけど、深すぎて地表に揺れが届かないという。


今回はマグニチュード8を超える「大地震」だったために、地表でも揺れた。

しかも、震源が深いので北海道から沖縄まで、日本全国が揺れる珍しい地震となった。




ちなみに、緊急地震速報が出なかったことに対して批判している人たちがいるようだ。

先に書いたように、これほどの大深度地震はめったに観測されないので、データが無い。


たまたま埼玉が強く揺れたけど、プレートは日本全国にほとんどつながっているわけで(だから全国揺れたわけで)、どこに揺れが強く伝わるかは、まったく予想できなかったともいえる。


データを積み重ねれば、地中の状況が逆算できて、地震の伝わり方を予測できるかもしれない。

でも、そのためには「めったに起こらない」珍しい地震が、あと100回くらい起きてくれなくちゃ。



めったに起こらないタイプの地震なのだから、「次に起きたらどうするのか」と心配するものでもないと思う。




妻にとっては、土曜日は「冒険遊び場」に子供たちと行って、その後コンサートに出かけ、地震の影響に巻き込まれて深夜にやっと帰宅…という大変疲れる日だったようだ。


#夕ご飯も食べてなかったようで、帰ってから「もう寝る前だから少しだけ」とサラダ食べてました。



しかし、マグニチュード8を超え、人口密集地域で震度5を超えたにもかかわらず、大きな混乱が無いというのは日本がある種異常なところ(良い意味で)だろう。


エレベーターは首都圏で多数止まって大変だったようだ。

現状の集計で1万3000基が止まっていて、まだ集計が出ていないメーカー分も含めればもっと増える様子。


「止まる」のは良いとして、再始動は法律の問題があって、国家資格を持つ専門家にしかできないらしい。

これだけ多数止まると専門家の数が足りず、混乱した。


ビル管理者が自分で再起動してもいいように、柔軟に運用できるように法的整備が必要だ、という議論が始まっている。





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