2015年06月02日の日記です


ハーバード・マーク1  2015-06-02 11:01:33  コンピュータ 歯車

昨日のうちに、ハーバード・マーク1こと IBM ASCC の概要記事を公開しました。


これは、歯車計算機だから歯車ページね。

プログラムが組めるのでコンピューター扱いでも…と迷ったのだけど、「最後の歯車計算機」として扱うことにした。




もう、10年来「中高生の夏休みの宿題のためのページを書きたい」と言い続けています。


2000年代の前半に、3年くらい開けて2回、中高生から連絡が来たのね。

「夏休みの宿題にしたいので、最初のコンピューターについて教えてください」って。

(その後は来てないのだけど)


僕は趣味で調べているだけで、偉そうに言える専門家ではない。

大体、こんな分野に専門家がいるとも思えない。

でも、知っていることだけでもざっとまとめたページを作るのは悪くない、と考えました。


僕のページは1つづつの機械を深く掘り下げるように書いているけど、実際には歴史の流れも一緒に見て、歴史的に近い機械の何が活かされて、何が新規アイディアなのかを知るのが楽しいから。

流れをまとめたページを作れば、そういう俯瞰視点を持つ意味でも役に立つ。



先日、急に「そろそろ夏だな」と思ったときに思い出して、いまから書くとしたらどんな機械を紹介すればいいだろう、と思ったのです。




コンピューターの歴史の中には、重要な機械が沢山あり、僕が名前程度しか知らないものもいっぱいです。

多分、恥ずかしながら名前も知らない機械だっていっぱいあるはず。


もちろん「最初のコンピューター」に的を絞ればかなり範囲も減るのだけど、それでも詳細を知らない機械は一杯ある。


大体の流れを追うのに必要なマシンはこれくらいかな…とまとめていく中で、急に SSEC を思い出しました。


以前、NOP 命令を調べた時に気になっていたマシンです。

その時に詳細資料を探したのだけど、見つかりませんでした。古い機械だからね。



ところが、この時ふと思い浮かんだキーワードで探してみたら…見つかったのです。

SSEC の技術資料を一生懸命探していたのが良くなかった。特許を調べたら、この時代の特許は今と違って、馬鹿正直に技術を解説していたのでした。


#現代の特許は、少しでも範囲を広げるように、できるだけぼかした書き方をするテクニックが重視されます。

 でも、当時は「発明品を馬鹿正直に解説する」特許書面が多いのでした。




IBM が始めて作ったコンピューター、IBM 701 にはすでに NOP がありました。

以前の調査では、どうもこれが「一番古い」NOP 命令でした。


でも、IBM は、701 以前にも「プログラム可能な計算機」を2台作っていまいた。


1つめは、今回紹介した、ハーバード・マーク1こと IBM ASCC。

これに NOP 命令が存在していないことは、以前に調査してわかっていました。


そして、もう一台は ASCC の後に、701 の前に作られた、SSEC 。

SSEC に NOP が存在したのかどうかが、非常に気になっていました。


僕が信頼しているコンピューター歴史書には、SSEC は ASCC を高速・大規模にしただけで、特筆する点は無いマシン、としていました。

だから、僕の予想も SSEC には NOP は無い、となっていたのですが…



…特許書面を調べると、なんと NOP 命令(当時の表記では no op 命令)がありました。

まさか、コンピューター以前から NOP が存在したとは思わなかった。



しかし、あるとわかった以上 SSEC の詳細を調べなくては。

そのつもりで SSEC の詳細を調べたら、ASCC とはかなり違う。

「高速・大規模にしただけ」なんて話では、全然ない。


#と言っても、もちろん類似性はある。類似性にだけ注目すれば、高速・大規模にしただけに見える。

 新規性もあって、新規部分を見れば全然違うマシンに思えてくる。

 これをどう考えるかは人によるので、読んだ本の記述がおかしいとは思わない。


SSEC のこと書いて、最初の NOP 命令の記事も訂正しないと…と調べていくと、SSEC は今のコンピューターとはかなり考え方が違う。

そう、やっぱり ASCC の技術の延長にある、というのは紛れもない事実。


これは、片方だけ解説しても片手落ちだ。歴史を正しく認識するためには、この2つはセットで扱わないと。




自分でも、この時点で「悪い癖が出た」と判っていました。

TX-0 の資料を見つけて読みだしたときも、Whirlwind I の存在を知ってしまって、そちらの記事を書き始めたら泥沼にはまって、なかなか TX-0 に進めなかったんだよね。


でも、幸い ASCC はバベジの解析機関の影響を受けた機械でした。解析機関はずっと以前に書いているから、そちらの説明はいりません。


というわけで、調べたことをまとめたものが、昨日公開した記事。

わかりやすい概要と、興味がある人向けの詳細の2本立てになっています。




次は SSEC 書かないとね。



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