我が家は鎌倉と横浜の境界、大船に属するエリアにある。
大船といえば、松竹大船撮影所が有名だった。
「男はつらいよ」などのシリーズは、大船撮影所で撮影されていた。
映画の画面作りで、「大船調」と呼ばれる言葉まで作り出した。大船は映画の町と言われた。
しかし、2000年ごろ撮影所閉鎖。
閉鎖直前に、「松竹シネマワールド」というテーマパークを撮影所内に開園したのだが、これがひどい内容で、全く人気が出ずに3年間で閉園になった。
近所だとはいえ、たった3年の間に2回も見に行ったので詳細を語れるのは僕のネタのひとつである。
それはまぁいいんだ。
松竹が作ったテーマパークなのだから、と、内部に映画館が作られた。
この映画館は、実は閉園後も残され、しばらく運営されていた。しかし、今はもうない。
この映画館ができたとき、大船の町に昔からあった映画館が閉鎖した。
小さな町に映画館が2つは、無理があった。本家の松竹がやっている映画館があれば、当然そうでない方がつぶれる。
そして、松竹も映画館を無くしたわけだ。
映画の町大船には、現在撮影所も映画館もない。それどころか、範囲を広げて鎌倉市で見ても、映画館がないのだ。
唐突にこんな話から始めてみたが、せっかくゴールデンウィークなのだからと、鎌倉散策に出かけてみた。
昨日29日(祝)。
祝日だというのに、長男の大学は講義があり、長男は大学へ。
長女は疲れたので家で寝てたい、と言い、妻と僕、次女の3人で行った。
ゴールデンウィークで混んでいるだろうから、車も公共交通機関も使わない。
歩いて30分ほどで、鎌倉の観光エリアに出られる道をしばらく前に発見したので、そこを通っていく。
まずは鎌倉宮へ。
朝10時ごろ行ったら、なんか儀式やってた。巫女さんが神楽を待っている。
見させていただく。
次女は受験中、しょっちゅう肩が凝ったとか腰が痛いとか言っていたので、身代わり様をよく撫でておくように。
そのまま少し歩いて、鶴岡八幡宮へ。
今回の目的地は、八幡宮境内にある国宝館だ。
現在、葛飾北斎の直筆の浮世絵を展示する特別展を行っている。
ゴールデンウィークで終了するようなので、妻が見たいというので見に来たのだ。
いろいろな時代のものを並べているし、北斎だけでなく、同時代に人気があった浮世絵画家の肉筆も展示している。
しかし、同時代の人の展示もあるからこそ、北斎が飛びぬけて絵が上手いのがよくわかる。
北斎は頻繁に改名したことでも有名だが、晩年の「画狂老人卍」時代の作品もいくつかあった。
もう、飛びぬけた画力と構成力は残したまま、適度に力が抜けていい味わいの作品になっている。
さて、受付で、鎌倉の美術館を巡るスタンプラリーの用紙を配布していた。
全部で5カ所。3カ所回るとでハンカチがもらえ、5カ所で景品がもらえるという。
じゃぁ、少し時間あるしどこか見に行ってみるか…と、少し歩いて「川喜多映画記念館」へ。
存在は知っていたが、どこにあるかの認識もなかった。もちろん入ったこともない。
日本で映画の人気が非常に高かった 1950~1960年代に、海外の映画の輸入を手掛け、映画雑誌「スクリーン」を創刊し、海外の映画スターとも交友を深め、日本に洋画文化を形作った、川喜多夫妻の功績をたたえる展示を行う場所。
と同時に、名画を上映する小さな映写室がついている。
独立した映画館ではないが、現在鎌倉市に存在する、唯一の映画館。
そんなわけで、冒頭の話を書いたわけだ。
時間がないので映画は見なかった。
展示は、映画ファンなら楽しめるだろうし、歓喜するようなものもあるかもしれない。往年の大スターの直筆サインとかね。
でも、僕そこまで映画好きではないんだよね…
映画の原理を示す、キネマトロープとか、ゾートロープとか、そういうものが置かれているのが楽しかった。
結構こういうおもちゃ好きなんだよね。
調子に乗って歩きすぎ、家に帰った時にはちょっと疲れていた。
疲れない程度で帰る予定だったのだけどな。
スタンプラリー、期間は1年間。始まったばかりなのでまだ余裕がある。
そのうち一カ所は、やはり特別展が見たいので近いうちに行こうと思っていたところなんだよね。
他の場所も、機を見て行ってみたいと思う。
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