もう9月に話題になったらしいのだが、ネットでこんな記事を見つけた。
子供へのプログラム教育を目的とした、Robot Turtles というボードゲーム。
プログラム教育、というとまずパソコンに向かわせようとするのだけど、それより先に論理性を学ばせないといけない、とは思っていた。
このボードゲームは、その「論理性」の部分のみを取り出したもの。
パソコンを覚える必要はなく、簡単なゲームとして自然にプログラムの概念を学べるようになっている。
ゲーム内容は、えーと、LOGO ですね。
このゲームについて日本語でブログを書いている人など、「なぜ亀?」という反応だったけど、ゲームに慣れたら LOGO 教育にステップアップ、という道筋を考えているのでしょう。
「教育」なら上級段階へのパスが必要なのですが、その点もちゃんと考えられています。素晴らしい。
LOGO では、基本命令が3つしかありません。
右、左、前、です。
角度とか距離を指定することで、これだけでどんな図形でも描けてしまう。
ゲームでは、単純化のために右、左は90度回転、前は1マスずつ進むようです。
これで亀をマス目移動させ、宝石を多く回収した人が勝ち。
子供向けのゲームですが、「ゲームマスター」として大人の参加が必要です。
子供ができるのは、命令が書かれたカードを提示するだけ。
亀を動かすのは大人の役目。
なんで作業を分離しているかと言えば、考える人と動かす人を分離することで「思った通りに動かない」という、プログラムの最大の悩み(そして、それを克服する楽しさ)を演出するため。
どうも、山札にたくさんあるカードを自由に使い、プログラムを組むゲームのようです。
いつでも組んでいていいけど、実行できるのは自分の順番が来た時のみ。
(遊ぶのに上手になったら、「山札」ではなく、各自に配られた「手札」でプログラムを考えなくてはならないとか、制約をつけて遊ぶことができそうです)
短いプログラムなら、間違えることもなく安全に動けるでしょう。
でも、長いプログラムを組めば、他のプレイヤーよりも素早く動くことができます。
おそらく、動きが間違えた、と思ったら、Undo 出来るのでしょうね。
その回の実行は終わりだけど、デバッグして次回に再実行してみることができる…
さらに、「蛙」のカードは、プログラムのジャンプ…サブルーチンを提供するようです。
サブルーチンとして並べたカードを複数回呼び出すことで、少ないカードで大きな動きを作り出すことができる。
多分、このゲームの肝はこの部分でしょうね。
カードの枚数は限られていますから、一度に動ける最大のマスの数は決まってしまいます。
でも、サブルーチンでカードを節約できるようになると、頭がいい子は他の子よりも素早く動けるようになる。
一方で、複雑なサブルーチンコールは、スパゲティープログラムを作り出します。
うっかりしたら、大人でも勘違いが入り始めて失敗しそう。
「日本語版望む」と言うような声も上がっていますが、そうした意見は「プログラム言語は英語で書かれている」という前提で考えているようです。
ロゴは先ほど書いたように基本命令が3つしかないし、宣伝の動画を見ると、すべて矢印のアイコンで表現されています。
だから、ルールさえわかれば日本語化は必要ないはず。
むしろ問題は、このゲームが子供用であること。対象年齢は、一応8歳までとなっています。
うちの長男はすでに9歳。…それでも、まだ遊べそうな気はする。いや、8歳を超えれば直接 PC で言語を楽しめ、と言う話かな。
大人でも、複雑な制限を課せば十分楽しめそうです。
動くときには必ず宝石を取らなくてはならない、とか、サブルーチンを2回呼び出さなくてはならない、とか。
日本語版は望まないから、どこかのボードゲーム屋さんが輸入販売しませんかね。
ルールを翻訳した簡単な A4 1枚の紙をつけてくれれば、十分「日本語版」として売れそうです。
個人輸入してもいいけど、案外手間も金もかかるからね。
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