2015年04月06日の日記です


プログラムを始める年齢  2015-04-06 17:16:28  コンピュータ 業界記

ぎーちさんは事前に僕の日記などを読んでくれていたようで、うちの子供が Scratch を楽しんでいることを知っていました。

それで、プログラムは何歳くらいから始めるのが良いのか、という話になりました。


ぎーちさんもお子さんはいるけど、うちの次女(5歳)と同学年らしいので、プログラムはまだ早い。




これはゲームやプログラムの話から外れてしまうのだけど、子どもの発達について書いておきます。

専門家じゃないから、間違っていたらごめんなさい。


まず、3歳以下だと、ゲームのルールは理解できません。


2歳くらいの子と、片方だけの手に何か入れて、両手を出して「どっちの手に入ってるか」って遊びをやったりします。


あれ、大人はゲームをやっているつもりだけど、子供にとってはゲームではない。

「いないいないばあ」と同じ、何かが急に出現することを楽しむ遊びです。


ただ、毎回出てくるわけではなく、出てこない場合もある「意外性」が楽しい。

だから、入っている方を当てるゲームではなく、出てきたり出てこなかったりを楽しむ遊びとして楽しんでいる。


子供が「出題側」になると、わざと中に入っているのを見せて、「当ててもらう」のを喜んだりします。

大人は勝ち負けで考えているので、子供に勝たせてやろうと、わざと「入っていない」方を選んだりします。


でも、これは子供にとってはつまらないのね。出現を楽しみたいのだから。

「手が小さいから見えちゃってる」のではなく、わざと見せていることも多いのです。



同じことをやっていても、3~4歳くらいになると、「勝ち負け」を理解し、ゲームとして楽しめるようになり始めます。




4~5歳くらいになるとジャンケンくらいの簡単なルールの遊びであれば、遊べるようになります。


でも、この段階で遊べるゲームって、真似できなかったら負け、とか、偶然性で勝ち負けが決まる、とか、その程度。

5歳くらいだと「太鼓の達人」を楽しめる子も出てきますが、これはリズムに合わせて叩く、という「真似」の要素だから。


それ以上難しいゲームになると、まだできません。


ちなみに、「リズムに合わせる」ということ自体、5歳くらいからでないとできない。

ブランコ漕いだり、縄跳びしたり、自転車に乗ったり。こういうのもリズムに合わせる必要があるから、この頃までは難しい。



7歳くらいになると、七並べとかババ抜きとか、簡単なルールと戦略性を持ったゲームが遊べるようになってくる。

でもまだ戦略を駆使することは出来ず、ルールを理解してはいても、運が良くないと勝てません。


テレビゲームだと、キャラクターを動かして、それなりに先に進むことを楽しめる。

でも、1面クリアできたら喜ぶような段階で、先にはなかなか進めない。


#大人でも楽しめる程度の難易度のゲームの場合ね。

 7歳くらい向けに作られた、大人が遊んでも簡単すぎてつまらないようなゲームで「クリアできて楽しい」とかはあり得ます。



7歳から小学校になるわけですが、これ以前は「ルールを理解できない」から、集団生活には向きません。


保育園の場合、集団生活ではあっても、問題があればすぐに保育士さんと園児の「1対1」の状況に入れる。

小学生になると、基本的には子供同士で問題を解決していく必要があります。

ここに、「ルールを理解する」必要が出てくるのです。


小学生でも、1~2年生の間は「勉強のやり方」を学んでいる段階。

国語と算数が中心ですが、内容はそれほど高度ではありません。


3年になると、理科や社会も始まり、本格的に勉強を行うようになっていきます。

でも、まだ詰め込み教育。これは悪いことではなくて、「自分で考える」なんてできない年齢だから。

ここで詰め込まれた内容は、後で「自分で考える」段階が来た時に、考えるための基礎となるものです。


4年生くらいから、自分たちで研究発表をまとめるなど、自分で考える勉強が始まります。

年齢にすると10歳くらいですが、この頃から本格的に自我を持ち始め、自分で考えて、自分で行動するようになります。


3年生くらいまでは、周囲の大人との関係が重要だけど、4年生からは友達との関係の方が重要になっていくのね。


漫画だと、サザエさんのカツオ君は5年生で、ワカメちゃんが3年生。

ちびまる子ちゃんは3年生。ドラえもんののび太とか、カードキャプターさくらとかは4年生。


#注:のび太はアニメ版は5年生ってことになっている。


「周囲の大人」と「友達」のどちらが大切か、1年の差で変わってくるのがわかりますでしょうか?

よく出来たお話…漫画やアニメも、ここら辺のことをちゃんと考えて年齢設定されています。




さて、長々書きましたが、僕としてはプログラムは4年生以降に始めるのがいいんじゃないかな、と思います。


「自分で考える」ことができる年齢だから。

プログラムって、考えることが大切だから、これ以前の年齢だとちょっと早すぎる。



ただ、それ以前にプログラムに触れることを否定するものではありません。

うちの長女はまだ7歳だけど、長男がプログラムしているのがうらやましくて、真似してる。


長男に教えてもらっている…つもりになっているだけで、ほとんど長男がやっているのだけどね。


長男も、8歳の誕生日にポケモンのゲーム買ってます。

「まだ遊ぶには早い年齢」だと思っていたけど、本人が強く希望していたので。


やっぱ早くて途中でやめちゃったのだけど、RPG の世界を経験したというのは、論理性に若干触れた経験だった。

そういう経験が、10歳になってプログラムはじめるのに役立っていると思います。



さて、上に書いたことには、当然個人差もあります。


自我が芽生えるのは10歳~12歳、とされていて、それがすなわち「考えられるようになる年齢」なので、4年生では早すぎる子もいるかもしれない。


一方で、もっと前の年齢でも楽しめる子はいるかもしれない。

子供にやらせてみたかったら、少し早くても与えてみることです。


でも、強要はせず、興味を示さないなら引っ込める。

その後は、また興味を持ちそうなタイミングが来るまで、じっくり待ってください。


あまり早い段階で与えすぎると、「難しい」っていう苦手意識を持っちゃうから、ダメだったら十分な期間を開けたほうがいい。


あと、何よりも「大人が楽しんでいる」姿を見せるのは興味を引かせるのに役立ちます。

子供にプログラム教えたかったら、大人がやってみせることです。




今は、中学生でプログラムが必修科目になっているそうです。


以前、これに反対する意見として、「中学生でも作文などで論理性のある文章を書けない子供がいる」としている人がいました。

塾講師のようで、子供の作文能力など、ちゃんと見極めた上での意見。素人意見ではないです。


でも、僕はこの意見には反対。

「考えることができる年齢」というのは、脳がその準備ができた、というだけの話。


論理的に考えるのって、訓練しないとできないです。

「まだできないから」と言って訓練しないと、いつまでたってもできない。


中学生なら、もう考えることのできる年齢に達していますが、必ずしも論理的なわけではありません。

だから、論理性の訓練を始める必要があり、そのための道具として「プログラム」を使うのです。



ついでに書けば、プログラムは道具であって、目的ではありません。

プログラム技術を教えたいのではないから、「みんながプログラマを目指す必要が無い」という反論も、前提から間違えている。


ここら辺、詳細は以前に書いた日記に書いてます。



#話は飛ぶけど、20歳は大人か、という問題も同様だと思ってます。

 周囲が大人扱いしないで大人になるわけがない。20歳「から」大人扱いだったら、精神的にも大人になるのは25歳くらいからで当然。

 昔は、15歳くらいから大人扱いで、仕事もさせられました。だから、20歳の成人式では立派な大人だった。

 何事も、訓練せずに出来る人なんているわけがない、という当然の話。



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