ここしばらく家族日記を書いてなかったので、書き留めておく。
11月14日、保育園の食育フェスタ。
普通の保育園なら「バザー」と呼ばれるものだな。物品販売も多少あるけど、主に食べ物を売る。
毎年書いているけど、ちょっと解説しておこう。
園の行事は主に、「保育園行事」と「PTA行事」に分かれる。どちらが主体となって行うか、が違う。
でも、どちらも園とPTAが協力して行う。
秋に行われる運動会や、遠足は保育園行事。
だけど、食育フェスタはPTA行事。
そして、8年ほど前は、食育フェスタはPTA幹部が死ぬような思いで運営していた。
保育園に預けている、ということは、共働きで(もしくは一人親)で、暇はないのだ。なのに保育園最大の行事を取り仕切らなくてはならない。
7年ほど前のPTA会長の発案で、PTAが「委員会制」に改められた。
大きな行事ごとに委員会を作り、中枢を委員会に預ける。すべての行事を数人で回す、ということが無くなり、余裕ができた。
#もちろん、仕事が増えたほかのPTAの父母からは強い反発もあった。
でも、1年無理して回したら、そのやり方が悪くないと誰もが気付き、反発は無くなった。
3人の子供が合計で8年間保育園に通い、僕も8年間食育フェスタを手伝ってきた。
そのうち6年は焼きそば担当で、すっかり「焼きそばのベテラン」扱いになっている。
でも、今年で次女が卒園するので、一応最後の食育フェスタだ。
そんな思いで参加したが…当日大雨だった。
実は、委員会制になって初めての雨。
委員の方も数日前から雨の予報に慌て、当日晴れた場合と雨の場合の2通りの準備をしてきたらしい。
そのかいもあって大したトラブルもなく、無事終了。
客足は少なく、いつもより焼きそばが売れなかった。これ、先に食券売っているので損はないのだけど、食券を買っておきながら来なかった方がいる、ということだ。
余った焼きそばは、終了後に「反省会」と称する飲み会が行われた際に振る舞われた。
それでも余っていたので、4つほどもらって帰り、我が家の子供たちの胃袋に収まった。
この「食育フェスタ」は、すでに保育園行事の枠を超え、地域行事になりつつある。
保育園を卒園した子供たち、その親、付近住民も楽しみにやってくる。
そして、OBになっても「焼きそば手伝いに来ました」なんて来てくれる人がいる。
来年、僕もそうした人たちに混ざってるんじゃないかな、という気もしている。
11月21日
日記に書いた通り、ハムスターが死んでしまった。長寿で、堂々の大往生。
わずか4日後のこの日、次の仔を買いに行った。
行ったのは、妻と結婚前に同棲していた時にハムスターを買ったペットショップ。
以降も、何度かこの店で買っている。
いつも手を入れさせてもらい、乗ってくる、かまない仔に家に来てもらうのだけど…
この日、ちょうどショップの店長さんらしい人がいた。実は初めてかな?
そして、手に載せたいというと、「大丈夫、みんな手に載るし、かまないよ」とのこと。
実際、その場にいた3匹全部を載せてみたが、どれもおとなしいし噛まない。
店長さんの説明によると、ペットショップでの飼い方により、噛む仔とそうでない仔が分かれてしまうそうだ。
ペットショップでも、ケージに入れっぱなしにしている店は駄目。
お客さんに見せるためのケージは、広すぎて寝るには落ち着かない。
夜になったら別の小さなケージに移してやる、というのがショップとしての責任。
これをちゃんとやっていれば、毎日手に触られて、危険がないことを覚えるのでおとなしくなるそうだ。
でも、ショップとしての責任を果たしていない店で買うと、噛まれることも多いという。
もちろん要因はそれだけではなくて、手から落としてしまうことがあれば怖がって噛むようになるだろうし、怖い思いをさせれば手を敵だと思うようになる。
でも、大体は小さいころの経験によるもので、それはショップの責任だ、との説明。
目からウロコだった。
10年ほど前に最初のハムスターを買ったときに、本で「手に載せてもらって相性を見るとよい」と書いてあったので、それ以降ずっとそうしていた。
そんなことよりショップ選びのほうがもっと重要、ということだ。
歴代ハムスターは、この店を含めて大体3店舗で買っている。
でも、そういわれてみるとこの店で買った仔に、手乗りが多かったように思う。
#手乗りにならないとダメだということではなくて、それぞれ個性があってみな可愛かったのだけど。
11月29日
長女が「理科ハウス行きたい」というので、理科ハウスへ。
1か月前に来たばかりだけど…あれ、1か月前に来たの、日記に書いてないな。
何度も書いているが、理科ハウスは来るたびに感心する。
子供たちの学びの場として、非常に面白い「遊び」を提供し続けているのだ。
2階に、古い壁掛け時計の駆動ユニットをむき出しにした展示があった。
理科ハウスの事業の一つに、科学者「石原純」さんの資料の保存がある。
そして、その著書の中に、科学を時計の仕組みになぞらえて紹介する部分がある、ようだ。
「ようだ」というのは、駆動ユニットの前に本のページを開いて置いてあったのだけど、前後のページが読めなかったので文脈がよくわからないの。
そこにあった挿絵にそっくりの駆動ユニット。
…歯車式の振り子時計で、動作が非常に面白かったので、じっくりと構造を観察した。
僕も歯車時計は好きなので、ここに雁木車があってこちらのゼンマイの力を抑えこんで…くらいにはわかる。
あれ、半分何に使っているかわからない歯車があるな、と思っていたら、ちょうどそちらの装置が動き出し、鐘を4つ打った。
時報装置だった。
この時報装置の動きがまた巧妙で、「時報」と「時間」を一致させるために、時報を強制的にならして調整するスイッチもある。
何度もスイッチを押して、動作を観察してしまった。
ふと気づくと、後ろに館長さんがいた。
仕組み判りますか? と聞かれる。館長さんは、本の挿絵にあるものだから展示してみたものの、時計の仕組みがよくわかっていないそうだ。
ざっと説明して、それよりも時報装置が巧妙で見入ってしまいました、とこちらも解説。
時計の仕組みって、今でも解説を見ることがあるのだけど、時報のような付加価値部分はなかなか説明を見ないからね。
非常にいいものを見せてもらった。
今気づいたけど、すごく面白いもの見てきたのに、写真撮り忘れてた。
午後3時ごろから、みんなで実験しながら討論して考える時間、というのがあった。
毎週日曜日にやっているそうだ。といっても、この1か月で始めたばかり。
(以前から日曜に来ているのに、初めて見たもの)
「先週」は、雲が非常にきれいだったので、みんなで雲について考えた、と言っていた。
この日はその続きで、雲の話。
話の持って行き方が非常にうまい。
気圧差によって温度差が生まれる話などをして、手動の真空ポンプで実際に温度変化を確かめる。
そして、真空の力を見せるため、瓶の中に「コアラのマーチ」の小袋を入れる。
減圧して、見事袋を割ることができたら、中身はみんなにおやつとしてあげるよ! と言ったら、子供たちは真剣にやり始める。
一袋じゃ足りない、というのでさらに追加。
2袋同時でも割れるかな? 「割れる」「やってみる」という子供たちに、でも、割れなかったらおやつもらえないよー、とスタッフの人。
それでも子供たちは「絶対割ってやる」と気合を入れ、見事に2袋同時に割りました。
雲ができるためには、核となる「ちり」が必要なのは知っていた。
でも、子供たちへの解説で初めて真の意味を理解した。
水は表面張力が高いけど、高すぎて「小さな水滴」がたくさんになってしまう。
そして、小さな水滴は、小さいがゆえにまたすぐ蒸発する。
ここに「ちり」があると、表面張力によって「ちり」に水が集まり、大きな水滴になる。
こうなるとやっと目に見える大きさの雲になる。
そこまで話したら、飛行機雲の話とかすれば面白いのになー、と思って窓の外を見るも、曇っていた。
晴れていて飛行機雲でもあれば、子供たちに興味を持たせる良い題材だったのだけど。
気圧で温度変化が起きる話も、スタッフの方は「空の上で起きていること」として説明していた。
子供たちは理解しているのだけど、身近な話としてはあまり捉えられていない感じ。
これ、冷蔵庫の中でも同じことをやっている、と言えば身近に感じてもらえるのになー。
そのあと、ペットボトルの中で雲を作る実験。
ペットボトルにアルコールを少し入れ、空気を送り込んで気圧を高める。
この状態から栓を急に抜いて一気に減圧すると気温が下がって、飽和していたアルコール蒸気が滴となり、雲が出来上がる。
子供たちはこれでも喜んでいるのだけど、これは「霧箱」の原理でもある。
一緒に宇宙線の話とかすれば面白いのになー。
いろいろ書いているけど、文句があるのではない。
スタッフの方が目の前でやる実験の数々は、非常に面白いし、子供は熱中している。
あまり多くの関連話題を出すと、子供が混乱してしまうだろう。
でも、この実験が面白いからこそ、傍で見ていると「派生話題」をどんどん思いついてしまう。
知識というのは、そうした「派生話題」から、網の目のようにつながっていくものだ。
聞きかじった知識は「豆知識」にすぎない。単体のままでは応用も利かず、いつか忘れてしまう。
でも、網の目のように絡み合った知識は、その人の知識ベースとなって考える力を底上げする。
これらの話題は、うちの子供には帰りの車の中や、家に帰ってから話をした。
本当に、理科ハウスが家の近所に合ったら、入り浸って子供たちに勝手に知識を授けるのに!
スタッフの方も、いろんな人が子供の興味を呼び覚ますのは歓迎してくれいているようだ。
こういう場所では、喜んで僕もおせっかいおじさんになる。
理科ハウスの壁には、子供の「疑問」を書いた紙が、たくさんぶら下がっている。
これ、答えを知っている人は裏に書き込んでほしい、ということらしい。
前から見えていたのだけど、答えを書いてよいというのは1か月前に知った。
そしてこれらの質問、子供の素朴な疑問なのだけど、それがゆえに難問が多い。
たとえば「AIがこのまま進んでいくと、SF映画のように人間と戦争になりますか?」。
そんなわけないよ、と一蹴できない。でも、そうなる、なんて無責任に言えない。
一応プログラマで大学時代に人工知能研究の端っこを研究した人間として、答えておいた。
2年間も誰も答えてくれなかった疑問だそうだ。
#ざっと言えば、現在のAIは人間の補佐を目的としていて、AIのみでの判断はできないので反乱は起こさない。
でも、AIが進化することで職を失う人はいるだろうし、AIの補佐の「ミス」で混乱が起きることもある。
それはある種の戦いであり、AIを活用するには人間側が注意していく必要がある…というようなこと。
子供にもわかるように、もっと懇切丁寧に書いた。
宇宙論に興味を持った子供が「暗黒物質って、何でできてるんですか?」と無邪気に書いていた。
それがわからないから暗黒、と呼ばれているわけだけど、当然のことながら本にも詳しいことが書いてなくて、知りたいのだろう。
この紙の裏には、物理学者の梶田隆章さんからの答えが書いてある。
1年半前に理科ハウスは第10回小柴昌俊科学教育賞を受賞していて、その際に同席した梶田さんに書いてもらったのだそうです。
賞のタイトルにもなっている小柴さんは2002年のノーベル賞学者ね。
そして、梶田さんは今年、2015年のノーベル賞学者です。
こんなすごい人たちも、子供たちの疑問に丁寧に答えてくれている。
僕の答えなんてたいしたものではないのだけど、答えをもらえない子がいないように、答えがついてない紙を見つけては答えるようにしている。
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