2016年04月16日の日記です


スポーツフィッシング2  2016-04-16 11:32:44  業界記

1995 年中に発売になったようです。詳細時期不明。


実際に釣竿を動かして釣りをするゲームです。

画面はついているけど、エレメカの範疇。



古いうえに「エレメカ」なので映像があまりありませんね。



タタコットは、AM1研と4研が共同で作ったエレメカで、AM1研作品の扱いでした。

スポーツフィッシング2も、同じく1研と4研の共同作。でも、AM4研扱いです。



AM1研はプログラム作成で協力していて、先輩プログラマが動画制御プログラムを作っていたのを見ていました。


ST-V に CD-ROM ドライブを接続して、ムービー再生させるのね。

内容的にはビデオ CD で MPEG-1 だったと思うけど、ソフトウェア再生なのか、サターンのムービーパック相当のハードウェアを使っていたのかは知りません。


開発当初、とにかく「ビデオCDを再生させる」という指示なのに、肝心のビデオCDがない。

なんでもいいからビデオCD頂戴、というリクエストに対して、なぜかエヴァンゲリオンのオープニングのビデオCDが…


まぁ、提供セガでしたからね (^^;;


当時は、MPEG1 の圧縮も普通のパソコンでは実時間の3~5倍の時間がかかっていました。

セガにはマルチメディア編集用の部屋があり、そこに非常に強力なマシンが置かれていたのですが、これでも実時間の2倍程度。


ビデオ素材を用意するのも大変だったので、手元にあったデータを使っていたのでしょう。



僕はエヴァ見てなかったのだけど、近くの席で一日中流れていたのでオープニングだけ覚えてしまいました。




スポーツフィッシング「2」なのだから、当然前作があるわけです。


宣伝チラシはあるのですが、どうも開発ボードがわからない。


海外のセガマニアが作っている、それなりに信頼のおけるサイト SEGA RETRO では、ST-V だとなっている。

でも、チラシは 1994年6月です。ST-V が発売になったのは1994年の末なので違うはず。


僕が入社したのは 1994年の4月ですが、少なくともその時点でAM1研では開発中ではありませんでした。

4月前にリリースしてしまい、チラシが後から作られたか…


いや、おそらくは、AM4研の単独開発だったのでしょう。

だから、2でもAM4研作品の扱いになった。



1も2も遊んだことがないので明確に言えないのですが、記憶では1は純然たるビデオ映像素材だけで作られていたはず。


映像にゲーム機で画像を重ね合わせ、とかやらないのです。

レーザーディスクゲームを覚えている人いるかな。ドラゴンズレアとか、ああいうゲームです。


ということは、MPEG1 なんて使わず、DVD で構わない。


プログラムも簡単な制御だけで良いので、System16 とか C2 ボードで構わない。

いや、もっと安いマイコンボードで十分だったかも。


2024.1.11 追記

制御ボードはわかりませんが、1 は LD ゲームだった、という情報が得られました。


転載許可を得ていないので、リンクのみ


僕は本文中に「DVD で構わない」と書いてしまいましたが、DVD の発売は 1996年でした。

1 は 1994 年なので、DVD は無理ですね。LDで納得です。


セガは国内初の LD ゲーム機、アストロンベルトも作ってましたので、同じ基盤かもしれません。


追記終わり。




釣りをするゲームなので、釣竿の糸をリールで巻き取ることになります。

このゲームでは(おそらく1から)その部分に工夫がある。


糸って細いから、巻く、伸ばすという動きは目に付きにくいのね。

一方、魚が動いて左右に振られる、という動きはよくわかる。


魚の動きは、モーターで糸を左右に動かしたり、糸を引っ張ったりすることで表現します。


リールを巻くと、モーターの引っ張る力が強くなる。

一方、リールを緩めると力は弱くなる。


これで、本当に糸を巻いたり、緩めたりしているように感じられます。

魚と闘っているように思える。


この「錯覚させる」部分が非常によくできています。


テレビゲームなのだけど、この「釣っている感覚」の再現がゲームの中心なのね。


後の映像はおまけにすぎません。


だから、「1」では実写のビデオを流していただけ。

ゲームの糸の動きと映像の糸の動きが違ったとしても、そんな細かなことを気にしてはいけない。


「2」になって、ビデオ素材の上に、少しゲームらしい画面を重ねるようになりました。

それでも、画面に合わせて何かするようなゲームではなくて、釣竿の手ごたえを楽しむゲームです。




後に、この釣竿の仕組みを使った続編がさらに作られます。


映像を全部3D化して、動きと画像が合うようになります。

そうなると、もうエレメカではなく、テレビゲーム。AM1研作品でした。


その話は、またそのうち。




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【JR】 初めまして、いつも楽しく読ませていただいてます。ところでスポーツフィッシング2ですがムービーパックそのものがついていたと思います。サターンに差しても動作しましたよw (2016-05-05 23:37:58)


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