2016年03月11日の日記です


なんでもない日おめでとう!  2016-03-11 14:01:31  その他

5年前の今日が大変な日だったからこそ、あえて書く。

なんでもない日おめでとう! と。


Twitterのディズニー公式氏が、昨年の8月9日、長崎原爆忌に流してしまったツイートの文句がこれだった

どうも、何か手違いがあっただけで、何の意図もなかったようだけど。



だけど、考えてみてほしい。

大変なことがあり、日常が破壊されると、なんでもない日常がどれだけ貴重なものかよくわかる。


5年前の今日、地震が起きてから、日本中が変わったと思う。

いい意味でも悪い意味でも変わった。


あんなことがあったのに、何も変わらない、と怒る人もいるけど、「あんなことがあったのに」って、以前は言わなかったでしょ?

やっぱり、震災以降で変わっている。



なんでもなかった日々のなんと平和だったことか。

なんでもない日々を取り返すために、努力を続けなくてはならない。




復興に向けて支援を続ける人がいる。

今も福島第一原発の廃炉作業に向けて作業をする人たちがいる。


そうした人々の努力は本当に頭が下がる。

でも、日本国民のほんの一部に過ぎない。1%にも満たないだろう。


残りの 99% 以上が、今何をすべきか考えないといけない。

復興に向けて…とか、大げさに考えるのはやめておこう。


無理しても続かない。今できる、小さな一歩を踏み出してみることだけを考えよう。


被害が大きかった地域の支援をしようというんじゃない。


いつか必ず来る、次の大地震に備えて…

それが自分の住む地域を襲うときに備えて…


まずは、食糧の備蓄をする。壁に止められていない家具を固定する。つい開けっ放しにしてしまう食器戸棚をしめる癖をつける。

そんな些細なことで、有事の命を守れる。けがを防げる。救援を呼ばなくてよくなる。

災害の時は、救助の義務を負う人々は大忙しだ。少しでも手を煩わせないようにする、という些細な心掛けが、他の人に対する、何より大切な支援となる。




食料の備蓄は、家族全員が3日生き残れるように…というのが基本だけど、1日分でも、ないよりはずっといい。

5年もつ缶詰とか、高価なものを買う必要はないし、高価なものは3日分を揃えるのが難しい。


普段の食事にも使える、普通の缶詰や乾物、6カ月以上日持ちする普通のビスケットで構わない。

ちょっと多めに買い置きしておいて、賞味期限前には食べてしまえばいい。


水も同じく。一人1日3リットルとして、我が家は5人家族なので、3日分で45リットル。

「5年もつ水」みたいなので揃えたら高くつきすぎて続かない。

ペットボトルに汲み置きして、3日以内に使うつもりで回している。


正直に言うと、我が家の場合30リットル程度しか置いていない。目標に足りない。

これでも、ペットボトル20本くらいあるからね。水の確保って、ものすごく大変だ。


こうした、普段から使いながら備蓄することを、ローリングストックという。

特別な高いものを買う必要はないし、普段から賞味期限を気にしているので、いざというときに使えない、ということもない。




地震だけを想定してはいけない。

新型インフルエンザなどが蔓延して、人との接触を避け、できるだけ自宅から出ないように要請される、という事態もあり得る。


震災なら「避難所」が開設されて、皆で助け合えるかもしれない。

でも、そうではなく、人を避ける。助け合いは出来ず、食料の調達なども最低限に抑える。


そういう時に、家に1週間こもって生活ができるか?



災害時は、ガス・電気・水が止まる可能性が高い。

備蓄食料としてカップラーメンを置いといたけど、お湯が沸かせない、という事態もありうる。


乾パンなどは備蓄しやすいけど、なにぶん乾燥しているために、食べるのに喉が渇く。水を多めに必要とする。

先に書いたけど、水の備蓄は大変だ。こうした「乾燥した食料」に頼るのは良くない。


そういうことまで考慮して備える必要がある。



うちの場合、庭があるので焚火台と炭を常備している。

夏には家族でバーベキューとかやるし、これも普段使いのローリングストック。


火があればお湯が沸かせる。カップラーメンだけでなく、多少の調理も可能だ。雑草だって味噌汁にすれば食える。

そして実は、これは足りない水の問題の対策でもある。


幸い、うちの近くに、飲むことができる湧き水がある。とはいえ、生水なので飲むときには煮沸が必須だ。

燃料を用意して、電気やガスが止まっても水は沸かせる、という前提があるから、水が少し足りなくても大丈夫だと思えるのだ。


備蓄の方法に正解はない。

それぞれの家庭に合わせた方法で備蓄をしなくてはならないし、数年ごとに内容を見直さないと、家族の成長に従って必要なものも変わっていく。


「災害用備蓄袋」みたいなセットを売っているけど、あれを買ったから備えがある、などと考えたらだめだ。

買っても良いのだけど、それが最低限の備えだと考えて、さらに家族に合わせた構成を考えなくてはならない。


#ちなみに、災害用備蓄袋の水は、全く不十分なことが多い。

 多くて2リットルくらいしか入っていないのに、「3日分の備え」だとか宣伝しているのが多い。




耐久消費財も同じ考えで行ける。

災害への備えを特別なものにするのではなくて、普段から使うものを揃える際に、災害時でも役に立つこと、という視点で見るのが良いだろう。


太陽光式の単三電池充電器を買って、普段使いしている。

充電速度は遅いのだけど、普段使いの電池はこれで全部充電できている。


普段家事をしながら聞いているラジオも、内部に充電池が入っていて、単三電池でもつかえる。

普段は常に充電状態で聞いているので、急に停電になってもしばらくは聞き続けられる。



結婚前に、キャンプが好きで買ったストーブ(調理器)、ランタンなどは置いてある。

テントや寝袋は邪魔で捨ててしまったのだけど、これらは残してあるのだ。


ホワイトガソリンと普通のガソリンのどちらでも使えるタイプなので、燃料が足りなければ自動車からガソリンを抜き取って使うこともできる。




話は変わるけど、被害の大きかった地域への支援もまた、普段の生活をしながら行うことができる。


寄付を出したり、ボランティアに駆けつけたりできる人はやったほうが良いのだけど、そんな特別なことでなくても支援になることはいっぱいある。


うちは、震災前から福島のお米をよく買っていた。美味しいからね。

震災後も変わらず買っている。


スーパーの店頭でも、福島産の野菜があれば優先して買う。

まぁ、あまり値段が高いと躊躇するけど、少し高いくらいなら問題ない。


以前は値段が安いものを選んでいたね。あまり産地は気にしなかった。

今は、応援したいという気持ちで買っている。



しかし、5年たってもまだ「風評被害」が無くならないという。


リスク正当に評価をできない人がいるのは、残念だけど事実だ。

「風評被害をなくすために積極的に情報発信」とかやっているようなのだけど、残念な人はそもそもそういう情報を見ないので、届かない。


僕は、福島産と書かれていたら積極的に買うようになった。

残念な人がいるのは事実だけど、ほんの一部に過ぎない、というのもまた事実だ。

ならば、福島産の安全性を理解している人が、ちょっと多めに買えば、風評被害を少しでもカバーできるだろう。



福島への旅行も2回ほど行った。

これも、毎年どこかへ行っている家族旅行の一環なので、それほど無理はしていない。


ちょっと遠かったのは事実で、移動時間が長かったのが子供にはつまらなかったようだ。

でも、楽しかったのでまた行きたいというリクエストはもらっている。



うちはたまたま福島を応援しているのだけど、それぞれの想いで別の地域でもいい。

東北に限定する必要すらない。


茨城なんかは結構被害は大きかったのに、東北ではないので支援の手が届きにくいと聞く。

そういう場所も積極的に支援してよいと思う。




5年目を前にして、震災を風化させない、という言葉をよく聞くようになった。


積極的に言っている人の中ではすでに風化しちゃってるんだろうな、と思う。

あれだけの大災害だった、という記憶があって、ほとんど忘れていることに罪悪感がある。

だから「風化させない」と言葉にして、気持ちを引き締めている。



でも、この言葉とセットとなっているのが、ほとんど「東日本震災の記録」とか「復興の現状」なんだ。

今後の備えにしようとか、自分は些細だけどこうした活動をしています、とか、そういう言葉は聞かれない。


「風化しない」っていうのは、普段から考え続けているということだし、それであれば常に「自分のこと」として語られるはず。



5年前、地震のすぐ後に僕は、この地震はみんなが被災者だ、ということを書いた。


「被災地」という言葉は、自分が住んでいる「ここ」ではないどこかを示す言葉だ。

つまり、他人事だ。そういう意識でいればすぐに記憶が風化する。


今自分に何ができるか。

もし自分の身に同じことが起きたらどうするか。


他人事ではなく、常に「自分」に置き換えていれば、決して風化しない。

「風化を食い止める」とかではなくて、常に新鮮なんだ。


それは、普段の生活に経験を活かして、なんでもない日でも有事に備え続けるということだ。

今日も皆が笑顔でいられたことに感謝しつつ、明日も同じ日が続けられるように備え続ける。



この、なんでもない日々に感謝して。

なんでもない日おめでとう!



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