今日は、テトリスが完成した日。
1984年の今日、最初のバージョンが完成した…のだそうです。
最初のバージョンは、ソ連製コンピューター、エレクトロニカ60の上で動いた、白黒のものでした。
エレクトロニカ60 は PDP-11 のクローン。
しかし、どうも証拠らしいものが見当たらない。
25周年の際にロイターがそう伝えた、という記事があって、それがほぼ唯一のソース。
ソ連の計画経済の中で、「仕事」の一環で作られたものなので、作業日誌でもつけていた可能性はあります。
でも、心理学の実験で使う予定のプログラムだから、必要ならいつでも手を加えたはず。
特定の日に「完成」なんて、決められないように思います。
だから多分、パジトノフがそう言ってたよ、って程度の世間話。
まぁ、1984年のこの頃に最初のバージョンが作られた、というのは事実だと思います。
当時は「対共産圏輸出統制委員会」(ココム)が存在していて、共産圏に 16bit 機は輸出できません。
ファミコンは輸出できるけど、メガドライブはだめ、なんて話もあったし、ソ連で MSX が普及した理由も同じ。
でも、翌年 1985年には、IBM-PC に移植されます。パジトノフはちゃんと IBM-PC を持っていた。
そして、夏ごろに知人にこのコピーをあげたら、いつの間にかヨーロッパ中の IBM-PC で遊ばれていた。
…ここからの話が、驚くほど壮大。
秘密のベールに包まれたソ連と、イギリスで暗躍するメディア王…ユダヤ人で、家族を虐殺された苦い過去を持つ男が強大な力をふるいます。
ATARI と、当時親会社だったナムコも絡み、セガと任天堂のテトリス権利問題も勃発する。
その一方で、日本の BPS 社長は孤独な戦いを始める。
彼は作者であるパジトノフと交流し、信頼を得ます。
ソ連政府も彼を信じて一計を案じる。
…そして、事態は急展開を遂げます。
ソ連の崩壊。メディア王の没落と、謎の多い死…
最後はパジトノフの手にテトリスの権利が戻ってくる。
壮大で、ハッピーエンドな物語。
くわしい話は、パジトノフの誕生日に書いていますので、そちらをご覧ください。
この話、すでにBBC作成のドキュメンタリーはあるのだけど、映画化の話も出ているみたい。
リンクした BBC のドキュメンタリーは、英語力がないので僕は見られていません。
映画化した際には、字幕でいいから日本語版を作ってほしい。ぜひ見たい。
テトリスの映画、と言っても SF映画とは違いますよ!
(これはこれで興味あるのだけど)
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