2017年11月22日の日記です


加湿器  2017-11-22 12:00:29  歯車 住まい

加湿器を購入した。


今まで使っていたのは8年近く前に購入したもの。

性能的には素晴らしかったのだけど、さすがに8年もたつと寿命だ。

買い換えることにした。



プラスチックは、水に弱い。

プラスチックと一言に言ってもいろいろな種類があるのだけど、水と化学反応すると分解してしまい、最終的にはもろくなる。


加湿器は水を扱う製品で、当然水に強いプラスチックを使用していると思われる。

でも、8年もたつと、水に浸かり続ける部分はボロボロになる。


加湿器としてはまだ使えていたのだけど、あちこちひびが入ったり破損したりしていた。

特に、水タンクのふたは、毎日の開け閉めで力がかかることもあり、4年目くらいで破損して一度パーツだけ購入した。

4年もたつとすでに古い商品であり、部品番号を特定し、発注するだけでも苦労した。


そこが再び割れていた。

もう買い替え時だろう。



余談だけど、この水タンク、「ヘロンの噴水」の応用で、古い水を回収し、廃棄するようになっていた。


加湿器は水を蒸発させるため、最後にカルキなどの不純物が濃縮された水が残る。

特に、ディスク型加湿器は構造上「空気清浄機」としても働いてしまうため、水が汚れる。


水タンクに、水の重さを利用した古い水の回収機構が付いていて、吸水時に捨てられるようになっていた。

この仕組み、面白かったのでいつか記事にしたいと思ったまま、記事にせずに捨てる。




新しい製品を選定。


8年前に選定した時とは状況も変わっているけど、大体の方針は同じ。

本体価格は多少高くても良いから、消費電力が少なく、加湿性能が高いものが欲しい。


以前の調査で、気化式、特にディスク式が良いことがわかっている。

しかし、ディスク式はメンテナンスが結構面倒で、多くのメーカーが作るのをやめてしまったようだ。


以前使っていたのは三菱電機製だった。他社に比べ、飛びぬけて消費電力比の加湿性能が高かったから。

でも、性能が高い代わりに値段も高かったし、機械自体も大きかった。


これが人気が無かったようで、三菱は加湿機自体から撤退してしまったようだ。

(三菱電機ではなく重工は作っているし、加湿器ではなく保湿器は作っている)




一応説明しておくと、加湿器には大きく分けて、加熱式・超音波式・気化式の3つがある。


▼加熱式


お湯を沸かせて蒸気を出すものだ。

石油ストーブの上に薬缶を置いておくのと同じだな。


メリットは、水が高温になるため、雑菌の心配がいらないこと。機構が簡単で本体も安いこと。

デメリットは、お湯を沸かすためにかなり消費電力が高いこと。



▼超音波式


水面付近に超音波を当てることで水滴…霧を発生させる方式だ。


メリットは、消費電力が少なく、機構が簡単で済むために本体も安いこと。


デメリットは、霧にしたからと言って気化するとは限らず、加湿器周辺が水でべちょべちょになる場合があること。

中途半端に水にエネルギーを与えるために「ぬるい」温度になり、雑菌が発生しやすいこと。

カルキや雑菌を含む水滴をまき散らすため、うまく加湿できても周囲に「白い粉」を発生させやすいこと。


デメリットばかり書いたが、現在の超音波式は、内部で紫外線殺菌するなどで少なくとも雑菌の心配はなくしている。

その反面、本体の安さというメリットも失われる。



▼気化式


単に水を含ませた布などを「乾かす」ことで加湿する方法だ。


メリットは、場合によっては電気すら使わないでよいこと。電気を使う場合でも消費電力は非常に安い。

それでいて、加湿部分の形状を工夫することで、他の方式に比べても加湿性能が高い。

(消費電力あたりの性能ではなく、絶対性能としても高い)


デメリットは、やはり雑菌が発生しやすいこと。


通常は、布などの「フィルタ」を湿らせ、ファンで強制的に空気を通すことで加湿する。

この仕組み上、フィルタは事実上「空気清浄機」として機能してしまう。

空中のカビの菌などを捉え、常に湿っているので繁殖しやすい。


ただし、超音波式と違って雑菌をまき散らすことはない。あくまでも気化した水蒸気だけが放出される。

臭いは生臭くなるので、その前にフィルタを交換するなり掃除するなりすることになる。


大抵は、フィルタ掃除は大変だ。加湿性能を高めるため、複雑な構造になっていることが多いためだ。

そもそも洗浄できず、交換式の場合もある。この場合はランニングコストがかさむ。




他にも、超音波で発生した霧に、加熱した温風を当てて気化させるハイブリッド式などもある。

でも、基本的には上の3方式。


気化式は、3方式の中で一番加湿能力の幅が広い。

お皿に水を入れて、吸水性の良い厚紙を立てておくのも「気化式」だし、以前使っていた、他に類を見ないほど加湿性能が高かった機械も「気化式」だ。


なので、この言葉は加湿性能を表さない。

消費電力の少なさは表すが、これもメーカーによりけりだ。



本体が高くても良いから、消費電力が少なく、加湿性能が高いものが欲しい…

という際には、気化式の中で、フィルタに強制送風するものが最有力候補となる。


ただ、この方式はメンテナンスは一番面倒くさい。

面倒が嫌な人は、他の方式を選んだほうがいいだろう。





気化式を作っているメーカーは以前より減ったように思う。メンテナンスの面倒さが嫌われるのかもしれない。

いろいろ調べたが、今回はパナソニック製を選ぶことにした。


今まで使っていた三菱製が、加湿性能 800ml/h 。

パナソニックのものは、加湿性能 700ml/h 。


だけど、三菱製は4万円した。パナソニック製は2万円。半額だ。


もし加湿性能が不足するようだったら、もう一台買い足そう。



使い始めて1週間ほどたつが、加湿性能に不満はない。

もっとも、まだ真冬になっていないので、空気もそれほど乾燥していない。

性能を見極めるにはこれからが本番だろう。


水タンクは以前のものほど大きくない。

というか、三菱製はタンクが大きすぎ、水を入れると重いと不評だったようだ。

フル稼働していても1日1回水を入れればよかったので、僕は好きだったのだけど。


パナソニックのものは、多分フル稼働の時期になったら1日2回給水しないといけないと思う。



まだメンテナンスは行っていないが、事前に見た限りでは、三菱のものよりメンテナンスが楽そうだ。

三菱のものは30枚程度に分離する薄いディスクを、1枚づつ手洗いする必要があった。


パナソニックのものは、人工繊維の網状のスポンジのようなもの…名状し難いが、水をうまく吸いつつ、揉み洗い等しやすそうなフィルタを洗えばよい。

洗面器に入るくらいの大きさなので、つけ置き洗いすればよいようだ。

洗っていれば10年もつ、という触れ込みなので、フィルタ交換という「追加コスト」はないと信じたい。


#そもそも、10年たつ前に本体が壊れる気がする。



何よりも、一定期間使うと、「メンテナンスしてください」と本体に促されて、分解し、再度組み立てないと動作しなくなる。

メンテナンスが難しいほど状況が悪化する前に、強制的にメンテナンスを促すわけだ。


三菱のものは、「臭くなった」などで自分で判断する必要があった。

その程度まで事態が進んでいると、洗うのも一苦労だった。



ここら辺、パナソニックは作り方がそつない。




個人的な想いだけど、パナソニック製品を買うと、少し寂しさを感じる。


パナソニック製品は優等生過ぎるのだ。

大きな減点対象はないのだけど、突出した魅力もない。

(まぁ、その「平均点の高さ」は突出した魅力なのだけど)


以前使っていた三菱の加湿器は、メンテナンスなど面倒だったけど、いろいろと良いアイディアが光る製品だった。

最初に書いたけど、汚れた水の回収システムとかよくできていた。

給水するたびに魅入ってしまう。

加湿中の動作も、水タンク越しにディスクがゆっくりと回転するのが見えるように作ってあり、美しかった。


今度のパナソニック加湿器は、手がかからずに十分な性能を発揮してくれそうだ。

非常におとなしく、部屋の風景に溶け込むようなデザイン。まるで存在していないような、空気のような存在。



実のところ、毎日使う家電製品というのは、それでいいのだと思う。

それでいいのだけど、少し寂しさを感じるのだ。




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