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03-11 なんでもない日おめでとう!
03-11 オーレ・キアク・クリスチャンセン 命日(1958)
5年前の今日が大変な日だったからこそ、あえて書く。
なんでもない日おめでとう! と。
Twitterのディズニー公式氏が、昨年の8月9日、長崎原爆忌に流してしまったツイートの文句がこれだった。
どうも、何か手違いがあっただけで、何の意図もなかったようだけど。
だけど、考えてみてほしい。
大変なことがあり、日常が破壊されると、なんでもない日常がどれだけ貴重なものかよくわかる。
5年前の今日、地震が起きてから、日本中が変わったと思う。
いい意味でも悪い意味でも変わった。
あんなことがあったのに、何も変わらない、と怒る人もいるけど、「あんなことがあったのに」って、以前は言わなかったでしょ?
やっぱり、震災以降で変わっている。
なんでもなかった日々のなんと平和だったことか。
なんでもない日々を取り返すために、努力を続けなくてはならない。
復興に向けて支援を続ける人がいる。
今も福島第一原発の廃炉作業に向けて作業をする人たちがいる。
そうした人々の努力は本当に頭が下がる。
でも、日本国民のほんの一部に過ぎない。1%にも満たないだろう。
残りの 99% 以上が、今何をすべきか考えないといけない。
復興に向けて…とか、大げさに考えるのはやめておこう。
無理しても続かない。今できる、小さな一歩を踏み出してみることだけを考えよう。
被害が大きかった地域の支援をしようというんじゃない。
いつか必ず来る、次の大地震に備えて…
それが自分の住む地域を襲うときに備えて…
まずは、食糧の備蓄をする。壁に止められていない家具を固定する。つい開けっ放しにしてしまう食器戸棚をしめる癖をつける。
そんな些細なことで、有事の命を守れる。けがを防げる。救援を呼ばなくてよくなる。
災害の時は、救助の義務を負う人々は大忙しだ。少しでも手を煩わせないようにする、という些細な心掛けが、他の人に対する、何より大切な支援となる。
食料の備蓄は、家族全員が3日生き残れるように…というのが基本だけど、1日分でも、ないよりはずっといい。
5年もつ缶詰とか、高価なものを買う必要はないし、高価なものは3日分を揃えるのが難しい。
普段の食事にも使える、普通の缶詰や乾物、6カ月以上日持ちする普通のビスケットで構わない。
ちょっと多めに買い置きしておいて、賞味期限前には食べてしまえばいい。
水も同じく。一人1日3リットルとして、我が家は5人家族なので、3日分で45リットル。
「5年もつ水」みたいなので揃えたら高くつきすぎて続かない。
ペットボトルに汲み置きして、3日以内に使うつもりで回している。
正直に言うと、我が家の場合30リットル程度しか置いていない。目標に足りない。
これでも、ペットボトル20本くらいあるからね。水の確保って、ものすごく大変だ。
こうした、普段から使いながら備蓄することを、ローリングストックという。
特別な高いものを買う必要はないし、普段から賞味期限を気にしているので、いざというときに使えない、ということもない。
地震だけを想定してはいけない。
新型インフルエンザなどが蔓延して、人との接触を避け、できるだけ自宅から出ないように要請される、という事態もあり得る。
震災なら「避難所」が開設されて、皆で助け合えるかもしれない。
でも、そうではなく、人を避ける。助け合いは出来ず、食料の調達なども最低限に抑える。
そういう時に、家に1週間こもって生活ができるか?
災害時は、ガス・電気・水が止まる可能性が高い。
備蓄食料としてカップラーメンを置いといたけど、お湯が沸かせない、という事態もありうる。
乾パンなどは備蓄しやすいけど、なにぶん乾燥しているために、食べるのに喉が渇く。水を多めに必要とする。
先に書いたけど、水の備蓄は大変だ。こうした「乾燥した食料」に頼るのは良くない。
そういうことまで考慮して備える必要がある。
うちの場合、庭があるので焚火台と炭を常備している。
夏には家族でバーベキューとかやるし、これも普段使いのローリングストック。
火があればお湯が沸かせる。カップラーメンだけでなく、多少の調理も可能だ。雑草だって味噌汁にすれば食える。
そして実は、これは足りない水の問題の対策でもある。
幸い、うちの近くに、飲むことができる湧き水がある。とはいえ、生水なので飲むときには煮沸が必須だ。
燃料を用意して、電気やガスが止まっても水は沸かせる、という前提があるから、水が少し足りなくても大丈夫だと思えるのだ。
備蓄の方法に正解はない。
それぞれの家庭に合わせた方法で備蓄をしなくてはならないし、数年ごとに内容を見直さないと、家族の成長に従って必要なものも変わっていく。
「災害用備蓄袋」みたいなセットを売っているけど、あれを買ったから備えがある、などと考えたらだめだ。
買っても良いのだけど、それが最低限の備えだと考えて、さらに家族に合わせた構成を考えなくてはならない。
#ちなみに、災害用備蓄袋の水は、全く不十分なことが多い。
多くて2リットルくらいしか入っていないのに、「3日分の備え」だとか宣伝しているのが多い。
耐久消費財も同じ考えで行ける。
災害への備えを特別なものにするのではなくて、普段から使うものを揃える際に、災害時でも役に立つこと、という視点で見るのが良いだろう。
太陽光式の単三電池充電器を買って、普段使いしている。
充電速度は遅いのだけど、普段使いの電池はこれで全部充電できている。
普段家事をしながら聞いているラジオも、内部に充電池が入っていて、単三電池でもつかえる。
普段は常に充電状態で聞いているので、急に停電になってもしばらくは聞き続けられる。
結婚前に、キャンプが好きで買ったストーブ(調理器)、ランタンなどは置いてある。
テントや寝袋は邪魔で捨ててしまったのだけど、これらは残してあるのだ。
ホワイトガソリンと普通のガソリンのどちらでも使えるタイプなので、燃料が足りなければ自動車からガソリンを抜き取って使うこともできる。
話は変わるけど、被害の大きかった地域への支援もまた、普段の生活をしながら行うことができる。
寄付を出したり、ボランティアに駆けつけたりできる人はやったほうが良いのだけど、そんな特別なことでなくても支援になることはいっぱいある。
うちは、震災前から福島のお米をよく買っていた。美味しいからね。
震災後も変わらず買っている。
スーパーの店頭でも、福島産の野菜があれば優先して買う。
まぁ、あまり値段が高いと躊躇するけど、少し高いくらいなら問題ない。
以前は値段が安いものを選んでいたね。あまり産地は気にしなかった。
今は、応援したいという気持ちで買っている。
しかし、5年たってもまだ「風評被害」が無くならないという。
リスク正当に評価をできない人がいるのは、残念だけど事実だ。
「風評被害をなくすために積極的に情報発信」とかやっているようなのだけど、残念な人はそもそもそういう情報を見ないので、届かない。
僕は、福島産と書かれていたら積極的に買うようになった。
残念な人がいるのは事実だけど、ほんの一部に過ぎない、というのもまた事実だ。
ならば、福島産の安全性を理解している人が、ちょっと多めに買えば、風評被害を少しでもカバーできるだろう。
福島への旅行も2回ほど行った。
これも、毎年どこかへ行っている家族旅行の一環なので、それほど無理はしていない。
ちょっと遠かったのは事実で、移動時間が長かったのが子供にはつまらなかったようだ。
でも、楽しかったのでまた行きたいというリクエストはもらっている。
うちはたまたま福島を応援しているのだけど、それぞれの想いで別の地域でもいい。
東北に限定する必要すらない。
茨城なんかは結構被害は大きかったのに、東北ではないので支援の手が届きにくいと聞く。
そういう場所も積極的に支援してよいと思う。
5年目を前にして、震災を風化させない、という言葉をよく聞くようになった。
積極的に言っている人の中ではすでに風化しちゃってるんだろうな、と思う。
あれだけの大災害だった、という記憶があって、ほとんど忘れていることに罪悪感がある。
だから「風化させない」と言葉にして、気持ちを引き締めている。
でも、この言葉とセットとなっているのが、ほとんど「東日本震災の記録」とか「復興の現状」なんだ。
今後の備えにしようとか、自分は些細だけどこうした活動をしています、とか、そういう言葉は聞かれない。
「風化しない」っていうのは、普段から考え続けているということだし、それであれば常に「自分のこと」として語られるはず。
5年前、地震のすぐ後に僕は、この地震はみんなが被災者だ、ということを書いた。
「被災地」という言葉は、自分が住んでいる「ここ」ではないどこかを示す言葉だ。
つまり、他人事だ。そういう意識でいればすぐに記憶が風化する。
今自分に何ができるか。
もし自分の身に同じことが起きたらどうするか。
他人事ではなく、常に「自分」に置き換えていれば、決して風化しない。
「風化を食い止める」とかではなくて、常に新鮮なんだ。
それは、普段の生活に経験を活かして、なんでもない日でも有事に備え続けるということだ。
今日も皆が笑顔でいられたことに感謝しつつ、明日も同じ日が続けられるように備え続ける。
この、なんでもない日々に感謝して。
なんでもない日おめでとう!
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今日は、オーレ・キアク・クリスチャンセンの命日(1958)
LEGO 社の創業者です。
2年前に誕生日記事を書きました。
なので、どんな人かはそちらの記事参照。
その記事の最後で、LEGO とデュプロの互換性について「解説はまた別の機会に」と書いたままになってました。
というわけで、解説したいと思います。
…が、この話、言葉だけではうまく伝わらない。
写真があっても、接続すると接続部分は内部に隠れてしまうので、伝えられない。
上手なイラストがあればわかるかもしれませんが、僕はそういう絵は描けない。
…というわけで、かなりわかりにくいと最初に謝っておきます。
まず、前回の話のおさらいから。
LEGO ブロックは、いくつかの基準サイズがあり、各部がこの基準に従うように、非常に厳密に作られています。
たとえば、ブロック上の凸部。レゴを裏返した時に見える「パイプ」の中の穴と同じサイズです。
といっても、レゴはパイプの穴と凸が組み合わさって組み立てられるわけではないですよ。
なので、このサイズは直接的には無関係。
でも、穴に入れること「も」できる。
凸1個分しかないサイズのブロックを使えば、普通とは少しだけずらした位置にブロックを置ける、ということを意味します。
レゴの人形の手の外側の径は、凸と同じです。
なので、人形がブロックを持っている、という演出もできる。
裏のパイプの外側の径は、凸を2×2に並べたときの、中央にできる隙間にぴったり収まるサイズです。
というか、もともとそこにパイプがハマることでレゴは固定されます。
レゴブロックには、凸1個分のサイズの小さなブロックの円筒形もあります。
この円筒形の底の部分は、パイプと同じ構造。凸にはめることもできるし、凸の間にはめることもできる。
ちなみに、凸の間の隙間は、薄いブロックの厚みとも同じ。
だから、薄いブロックを凸に挟む、なんていう、普通とはちょっと違うつなぎ方もできます。
他にもいろいろと「思わぬところに繋げられる」面白さがあるのですが、ここら辺は以前も書いたこと。
今回は、デュプロとプリモ(ベビー)についても書きましょう。
デュプロは、レゴの2倍サイズのブロック。
デュプロとは、Double 、2倍の意味です。
縦の大きさが2倍。横の大きさも2倍。高さも2倍。体積では8倍ですね。
デュプロは、レゴとは少し見た目が違います。
凸部が、単純に出っ張っているのではなくて、円筒形になっているの。
それと、薄いブロックが本来の高さの半分になっている。
LEGO は3分の1なのね。このため、薄いブロックを凸部の隙間に立てる、という繋げ方は出来なくなった。
厚みが変わったのは、実は内部構造が少し違うためです。
LEGO は、裏に入っているパイプが、ブロックの底のぎりぎりまで来ています。
でも、デュプロでは、パイプが少しだけ短い。その短いパイプに届くように、凸部が少し高い。
結果として、3分の1の薄さにはできない構造になっている。
単純にサイズを2倍にしただけのはずなのに、なぜこんな細かな違いが?
…ここが、デュプロの良くできているところです。
凸部の円筒形の穴の中の径は、LEGO の裏のパイプの外の径とぴったり同じです。
これにより、2x4 の、一番標準的な LEGO ブロック(裏のパイプは、凸の隙間に入るため2本)を、デュプロの凸2つの部分の上に載せるように接続できます。
また、デュプロブロックの「壁の厚み」は、LEGO ブロックの高さの6分の1になっています。
3分の1の高さの薄いブロックは、LEGO の凸の隙間に入るのでした。じゃぁ、6分の1は?
「LEGO の凸の隙間に、壁が2枚入る」で正解。
裏のパイプは、少し長さを短くしているため、LEGO の凸には干渉しません。
これによって、LEGO の上にデュプロを載せて接続できます。
言葉で説明すると長いし、写真を出したところで理解しにくい。
(つながっているときは、巧妙な部分は隠されているから!)
でも、非常に巧妙な方法で、LEGO とデュプロは相互接続可能な互換性を保っているのです。
全然サイズが違う商品だし、最初からこうした仕組みを考えていたわけではない(デュプロはずっと後に発売された)のに、最初から単位系をしっかり考えていたからできた芸当だと思います。
じつは、デュプロのさらに2倍サイズでデュプロと接続できる「クワトロ」というのも一時期発売されていました。
1歳の赤ちゃんでも遊べる、という触れ込みだったけど、そもそも「ブロックを接続して形を作る」というのは、1歳の子が興味を持つことではない。
そんなわけで、今は発売していません。僕も見たことありません。
LEGO 、デュプロ、クワトロを接続した写真が出ているブログを見つけたので紹介しておきます。
さて、クワトロは1歳の子が興味を持つような遊びではなかったのだけど、LEGO ベビーという1歳児向け玩具もあります。
以前は「プリモ」という商品名だった。「最初の」という意味の言葉ね。
プリモはブロックおもちゃだったのですが、ベビーのブランドは、プリモを含む赤ちゃんおもちゃ全般です。
なので、ここではベビーブランドの中のブロック製品、という意味で、旧称のプリモで呼びます。
プリモの基本サイズは、デュプロの2倍、です。
つまりはクワトロのサイズなのですが、プリモではあくまでも「基本」というだけ。
というのも、プリモは、3か月の子供でも遊べるように、できるだけ丸く作ってあるのです。
なので、2倍サイズだけどきっちり2倍ではない。ブロックのように組み合わせて形を作ることは考慮していない。
基本的には円筒形。そして、円筒の頭に、半球型の凸があります。
円筒の底に、この凸を入れる形で組み合わせられます。
もうね、ブロックではないです。
組み合わせられるといっても、1歳未満児向けが遊べるように、かなりゆるゆる。形なんか作れない。
逆さまにすれば落ちるし、ただ積み上げていても途中から曲がってくる。
でも、基本的な円筒形ブロックは、中にビーズが入れてあって動かすとカラカラ音がするの。
子供と遊ぶ時は、親が積み重ねてあげる。
それを子供が軽い力で叩けば、緩い接続なので、すぐ崩れてバラバラになる。
中にビーズが入っているのですごい音がする。
赤ちゃんって、こういうの大好きです。
まだ手足を動かすのも自由ではなくて、狙った通りのことが起きるだけでうれしい段階。
「崩すぞ」って思って崩せるだけで大喜びです。
やがては、自分で同じ遊びをしようとして積み上げ始めます。
目的は崩すことなので、高く積み上げられずに崩れても楽しい。
ちゃんと「最初のブロック遊び」の導入として、赤ちゃんが楽しめるように作ってあります。
他にも、円筒形ではない、いろんな形のブロックを、同じ形の穴の開いた箱に押し込む「ぽっとん遊び」とかができるセットもあります。
そしてデュプロと接続できます。
デュプロの上にある凸部の、 2x2 の部分が、プリモの円筒の内側にぴったり内接するように作られているの。
ただし、「繋げられる」だけで、構造物に組み込もうとするのは難しい。
先に書いたように、キッチリ2倍ではないので、周囲のブロックと干渉しやすいから。
面白い形を一部に入れて、飾りに使う程度に考えておいた方がいい。
逆に、プリモの上にデュプロを載せることもできます。
…けど、これはちょっとおもしろくない。プリモの円筒の上に、デュプロの凸をつけてある特殊ブロックがある、というだけの話。
相互に互換性があるのではなくて、変換コネクタがあるということですね。
デュプロの上にプリモ、は互換性があるけど、プリモの上にデュプロ、は変換コネクタが必要、という一方向の互換性です。
今回の話、写真などではなくて、実物を見て自分で組み合わせながら読まないと理解できないな (^^;;
ずっと以前から書きたかったのだけど、どんな方法で書いても伝わりにくいと気づいて書かなかった、という話でもあります。
まぁ、細かなことがわからなくても、LEGO ブロックってよくできているんだな、ということが伝わってくれればいいです。
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